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第29話 ツインテール少女再び

 「おもしろい事になってるわよ、ミカ」

 「あんた仕事しなさいよ、ミチ」


 体育館ほどの広さがある床には、水槽のような四角の白い箱がびっしりと敷き詰められている。

 その隙間に埋まるように寝ころんで白い箱を眺める赤髪ツインテールの女の子。


 「あんた、またそんなツインテールの姿にして、よっぽど気に入ったのね、ミチ」

 「だってかわいくない?こんなイメージ初めてだったから。どう?ネギもつけてみたわ。」


 「それ以上はやめなさい。みっくみくにされるわよ。」 

 「何で知ってんのよミカ…だいたい、いつも来る魂達の私たちのイメージはかわいくないのよね。」


 「そうね。この間は双子の100歳越えのおばあちゃんの姿だったし…」

 「よく知らないけど、銅さん銀さんだっけ?」


 ニアミス!


 「そのまた前には、長さん王さんだったけ」

 生きてるよ、その人達まだ生きてるよ!あっイメージだったからいいのか…


 「私たち別に地球担当じゃないでしょ、何その隔たり。」

 「そんなことより、何がおもしろい事になってるって?ミチ」


 「ああそうだった、これ見てよミカ。この間来た魂の器を惑星ミッチーに送ったじゃない。この娘は転生じゃなく、転移で送ってチート能力付けたんだけど、ん〜〜と能力は…すべての人を自分の支配下におけるほどの“強魅了チャーム”と、どんどん強くなれる限界のない“鍛錬たんれん”だったけな。見てよ、この娘。」


 と言って四角い箱の一部を指さす。その娘を中心に黒いうずまきが浮かび上がる。


 少女は、最初は勇者として祭り挙げられて、民衆にちやほやされ、有頂天だったが、その人気に嫉妬した王族、貴族の罠にはめられ、魔王側に堕ちて人族を滅ぼし、今度は魔王と世界を2つにわけて激戦の末決着はつかず、いまだに泥沼の激闘を繰り広げている姿を見る。


 指さした中心から黒いもやが吹き出し、だんだん箱全体を黒いもやが埋め出す。

 「うわぁぁ、もう真っ黒くろすけやん。」

 「まだ転移して10年やそこらで…ここに魂の器としてきた時は10回転生を繰り返したまばゆい輝きを持った超有望だったのに…人は変わるのね…」


 ミカが肩をぷるぷる奮わせる。背中越しに見てたミチが声をかける。


 「何? 泣いてるの?以外に繊細やなあんた。まあ目をかけてた奴がこんなんになるのはよくあることやん。」

 「ああはははははははは、だれが泣いてるって?喜びに体が打ち震えてるのよ。

 おもしろい、実におもしろいわ。だから、あの方もやめられないのかもね。」


 うわ〜どSや、ミカどSキャラに変更や。その点わたしは最初からツッコミキャラやで。ぶれてないわ〜。


 「まあ、この星はこのまま後20年は様子をみましょう。人間の欲望に隔たるサンプルとして。

まあこんなサンプルはくさるほどあるのだけれど、多いほうが良いわ。」


 「確かに。本当なら私が今すぐみっくみくにしてもいいんだけど、もう少し見守りますか。まあ結末はもう見えていたとしてもね。」


 ミチが今度は悪い顔で笑う。


 「それより、ジューローの方にはまだ動きはない? そっちはおろそかにしないでよ。干渉者がいつ手をだしてくるかわからないんだから。」


「今のところ大丈夫だよ。他ごとはしてるけど、観測はしてるから。でもジューローはここでも言ってたけど、本当にラノベ展開心待ちにしてるんやで。思わずツッコンでまったわ。聞こえてないだろうけど(笑)」


 いえ、14話で聞こえてましたけど・・


 「ジューローも真っ黒にならなければいいのだけれども・・・」

 「心配すんなや、今の所全然大丈夫やで。やっとちょっとずつ話が動いてきたところみたいだしな、ほれ」


 と四角い箱の一部をさし示す。すると徐々に惑星が動き出した。


 物語も動き出す………


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