最終話 セイムさんと
本当にこれで最後です。
ありがとうございました
「んっんん…」
私は目を覚ました。いつの間にか寝てしまっていたようだ。
朝、いつもの私の家の部屋の景色。
一緒の部屋で寝ているレイクはまだあどけない寝顔で夢の中だ。
いつもは年下の男の子を相手に背伸びをしているが年相応に幼くみえた。
起き上がって家の裏にある水場に顔を洗いに外に出る。
途中両親の寝室を覗くと、やはりまだ寝ているみたいだったので、音をたてずにそっと出る。
昨日の夜に雨が降ったようだ。
地面の土が雨に濡れて所々に大きな水たまりができていた。
まだ陽が昇ったばかりだが、すでに今日は暑くなりそうな日差しだ。
洗い場で私は、バッキャム金属でできた大きな水瓶にたまった水を両手ですくい、顔を洗う。2、3度顔に水を軽く浴びせる。まだ自分が水を汲んだことによっておきた波紋がおさまらない水面に映った歪んだ自分の顔を見る。
何か…何かあったような…そう、夢で見た内容を思い出せないようなちょっとした不安を感じる。思い出そうとしても思い出せない状態がとても煩わしかったが諦めて、無理に思い出そうとするのは止めた。
8日前ぐらいに王様からの銅像授与式があるとかで、城下町に向かったジューロー様、カーン、マブシ、リューゴス、シスパさん達5人。
予定では明後日が帰りの予定なのだが…もう1月、2月と長い事会っていないように感じる。私は寂しく感じているのだろうか…ジューロー様に会えなくて…。
本当は私も城下町に行かないか?とジューロー様が誘ってくれたのだが…兄、両親の反対があって行く事は叶わなかった。
何でもジューロー様は危ないと…2人きりになると危ないからと。
そんなことないと思うのですが…わたしの前ではいつでも紳士ですよ。
本当は行ってみたかったです。産まれてから1度も森を出た事のない私に城下町は憧れなのです。聞いた事しかなのですが、見た事もない食べ物、果物、植物。おしゃれな装飾品、服飾品。洗練された家具、日常の道具。森に無い、多種多様な物を扱うという城下町は、森の民にとっては一生に一度は言ってみたい憧れの場所なのです。
…正直に言えばジューロー様と一緒に行ってみたかったといのもあります。
私はジューロー様に惹かれているのでしょうか?
ジューロー様と一緒にいるとドキドキするのです。
ジューロー様に早く会いたいです。
ジューロー様に会ってこの気持ちを確かめたいです。
本当は怖いですが…
そんな想いにふけってつい長い事ボーッとしていたようです。我にかえって濡れた顔を布で拭き、家に戻ろうと立ち上がり振り向くとそこにはーーーー
エンディングノート
原作 / 原案
企画
シリーズ構成
キャラクターデザイン
プロップデザイン
美術監督
色彩設定
撮影監督
編集
音響監督
音楽
音楽プロデューサー
音楽制作
プロデューサー
アニメーションプロデューサー
アニメーション制作
製作 / 制作
主題歌「ジジイブギウギ」
挿入歌「ジジイウキウキ」
監督
ぜんぶ大口真神
「ジューロー様、いつお帰りになったのですか!」
「ああ、たった今じゃ。わしだけ王城から走って帰ってきた。」
「走って…王城から?そうですか…………あのっ…その。」
「エメリさん、その前にわしから1言いいかのう?」
「はっはい…なんでしょう?」
「ずっと考えていた事なんじゃが…王城に行って色々あってのう。わしはやっぱり…独り身は寂しい。だけど…だけどセイムさんと一緒なら寂しくないと思うのじゃ。」
ジューローがしゃべり出すとそれに呼応したかの様に背景から太陽が昇り出す。
セイムからはちょうど逆光でジューローの姿は見えにくいのだが…
その時セイムはハッと息を飲む。今まで老人の姿だったジューローが太陽を背に、後光のように光を帯びた後、何と自分が今まで夢だと思っていたあの方の姿が…あの光の方の姿となって私の前に現れたのだった。
…やっぱりあの光の方はジューロー様だったのだなと思いながらセイムはジューローの言葉を…あの方の言葉を受け入れた。
TEH END
「なあミカ…」
「なにミチ。言い感じにまとまったのに水を差すような登場…なに?」
「最後に一言いいたいんだけど…いい?」
「だめよ!本編を汚す様な発言は控えて!」
「いや、これはツッコまずにはいられないって。みんな気づいているって。」
「えっなになに?何か最後おかしかった?」
「…エンディングノートって何?」
「えっ…エンディング……ノート?あれっほんとだ!エンディングノートっていうのは自分が死ぬ前に書き残しておきたいノートのことよミチ。」
「えっ死ぬの?ジューロー死ぬ間際?遺言?」
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死なんよ~、わし殺されても死なんよ~~~~~~。
こうしてまだまだジューローを中心に愉快な仲間達との生活は続くのだった…
なに?この最後のオチ…。
本当にTEH END
あとがきもお読みください




