第24回 称号授与
カカカが連行されるのをしっかり見送った後、わし達は村に戻った。
なぜだろう…連れていかれる間中、ずっとわしの頭の中をドナドナの音楽がリフレインされるのは…
村に戻ると仕事を頼んでいたレイク達、子供の部隊が帰ってきていた。
わしを見つけるとレイクは駆け寄ってきてテヘペロのポーズをとり報告をする。
「仙人さま。例の物滞りなく収集終えました」
…物言うな! 薬物だと思われるやろ!
まあある意味、薬なんだけども…
「ありがとうレイク、それぞれ日光の元でそのまま乾燥させておいてくれんか。」
リイナも念話で返事をする。
〈リョウカイデス。テヘペロ〉
リイナのポーズはカワイイのう。
すると、リイクが言いにくそうにわしに進言してきた。
「仙人さま、隊員で100ポイント貯めた者がいるので、なんとか仙人さまのありがたいお言葉をもらえないかなと…」
遠慮気味に上目づかいで聞いてきた。
そういえば、なんかポイント与えてたな〜とか思ったけど…あれ、冗談じゃなかったんだ。ちゃんと特典あるんだね。
まあリイクも子供達の隊長としての威厳もみせたいだろうし…
なにより、わしの仕事もそつなくこなして、子供達の面倒見もいい。
そんな、たわいもない頼みごとくらい聞いてあげるよ〜〜。
「よしわかった、100ポイント貯まった者には称号を与える!今現在100ポイントあるものは前へでよ!」
ちょっとえらそうに言ってみる。本当は自分謙虚なんじゃよ〜。
すると8歳位の男の子と女の子2人が前へ出る。
リイクは補足してくれる。
「こいつは足が速くてすばしっこい。女の子はくるくる回るのが上手なんだ。」
おいリイク、足が速いのは良いとして、回転するのがうまくて、なんで100ポイントも貯まったの?大盤振る舞いしすぎじゃね?気があるの?
まあ貯まったものはしょうがない。
「よしわかった。この者たちに称号を与える!
まず女の子には……“バレリーナ”という称号を与える!
回転しまくる少女という意味じゃ。
そして男の子は…
“パシリーナ”という称号を与える!
便利がいい……とか、足が速いという意味じゃ。」
どんな称号だよ! 適当だな。まあ意味まではわからんから大丈夫じゃろう。
すると、他の隊員か羨望のまなざしで
「「「「バレリーナー」」」」」
「「「「パシリーナー」」」」」
と称号が飛び交う…う〜〜〜んシュールじゃ…
「最後に今までの功績をたたえ、リイナとレイクにも称号を与える。
まずリイナは…
“カワイイナ”じゃ!可愛らしいという意味じゃ!そのままじゃな。
そしてレイクには…
“コシギンチャク”じゃ!わしの右腕という意味じゃ!」
最後はギャグじゃ(笑)
しかしすごい盛り上がりじゃコシギンチャクが飛び交う!カワイイ、カワイイが飛び交う!アイドルか! 触れ合えるアイドル誕生か!
「いままでの諸君等の働きを感謝しつつ、これからもみんなが一丸となってこの森を盛り上げていこう!」
と右腕を突き上げ、鼓舞する!
歓声の後、みんながテヘペロのポーズで締め、さんざん賑わった後次の仕事にとりかかる。
その時村の入り口がざわついた。
多くの村人が集まる。その人ごみをかき分け、20歳位の若者を先頭に10人ぐらいの男衆が大きな獲物を抱えて入ってきた。どうやら狩りに出かけていた遠征部隊が帰ってきたようだ。セイムの兄もいるのか?




