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第235話 お土産

 ーーーーーという事があったのじゃ。


 みんな忘れておると思うけど、今は昼で、遠山の金さんきどった王様ーシスパの友達、タマちゃんと広場で大勢の市民に囲まれながら観光を楽しんでおるのじゃ。


 4話前の231話の冒頭からの続きだと言えば分かりやすいかな。

 思い出した?それじゃあ続けるぞ!


 わしらはその後、シスパと王様とは別行動を取る事にした。


 だって目立つんじゃもの…あいつ等。

 もっとゆっくり観光したいから別れて、わし、マブシ、ゴスンの3人で観光中だ!

 

 わしらは王城の用事を全てすませ。明日の朝森へと帰る予定じゃから今は何か森の民にお土産を買う為に市場を見て回っておるのじゃ。


 「森の民のお土産に、森の薬草を買って帰るのはどうじゃろうか?」

 わしがゴスンに聞いてみる。


 「正気ですか!」

 ケンドー小○風に言うゴスン。


 そういえば似てるな…容姿が。


 「なぜ、わざわざ森の民から買い取った薬草を城下町で買って帰るのですか?正気ですか!」

 …なぜ2回言ったゴスン。気に入っておるな…さては。


 「いや…逆輸入ってかっこ良く無い?日本では人気なかったのに、外国で人気が出て、日本に舞い戻ってくるって…かっこ良く無い?」

 日本とか言っちゃってるけど、ゴスンやマブシにどんな風に訳されているかはわからない。


 「…別にいいですけど、ジューロー殿が損するだけですから…。」


 「もちろんジョークじゃ!」

 冷めた目でみるゴスンにジョークを強調する。


 「ゲタンとか、ジョコとかセコス、男衆には何かこう、笑えるものが良いかな。こんな物もらってもっていうのない?ゴスン。」


 「えっ、それでは…木彫りのお面とか、人形とかどうですかね?」


 「ほほう、なかなか良いチョイスじゃのう。確かにもらってもうれしくないお土産ベスト5に入るものばかりじゃ。」


 「ありがとうございます。ではこちらの人形なんですけど、大体2カ月すると自然に髪が伸びてくる人形でして…何か人毛を使っているらしいですね。」


 「ちょーーーっゴスンさん!マジものじゃないっすか。」

 たまらずマブシがツッコム。


 「マジもの?いえいえこれはあくまでもお土産用の置物です。そういうのをお求めでしたら、これがイチオシですね。えっと定期的に赤い涙を流します。」


 「ちょっ、本格的。その女の人の人形、本格的よ…怖いよ…。」


 マブシはゴスンの出す本格的な人形に戦々恐々じゃ…。

 「ふん、そんな事で驚きおって、まったく情けない!わしの堂々とした態度を見よ!見習えマブシ!」


 「……ジューローさん、めっちゃ漏らしてますやん…足下、水たまり出来てますやん!」


 そうなのじゃ、わしはあまりの怖さに漏らしてもうたのじゃ!

 それをごまかす為に力強く虚勢をはってみたのじゃ。


 「体を張ったここ1番のギャグじゃ!」


 「いや、ギャグなのかどうかわかんないからやめて!本当に怖くてもらしたのかわかんないからやめてね?おじいちゃん。」


 「すまんのう、世話かけるな…マサシ…。」


 「マサシって誰?俺マブシだけども…。あと息子じゃないし!」


 そんな2人を見かねたゴスンがやっと声をかけてくる。

 「あの~それぐらいでいいですか?次に行って。」


 わしは水たまりをそのまま放置して、次のお土産屋へと向かう。



 「次はエメリさんや、セイムさんにお土産を買いたいのじゃが何かオススメはあるかな?」


 「そうですね、今城下町の女性達で流行っているのは、花柄の髪飾りですとか、ブレスレット的な装飾品ですかね。もちろん高価な物ではなく、お手軽なお値段のですけど。」


 「ふむ、ゴスンのおすすめはどれかのう。」


 「私がおすすめするのは…この人骨髪飾りですかね。」


 …めっさドクロや骨をかたどった髪飾りじゃ。


 「本当に?本当に流行ってるの?これ?猟奇的じゃね?」

 マブシがツッコム。


 「本当ですよ。この大腿骨や、鎖骨が売り上げワンツーですね。」

 

 …いや、みんな同じに見えるぞ。只の骨にマニアックじゃな…城下町。

 その鎖骨の髪飾りを手に取ってみて見る。

 

 「んっ、これは…」

 わしが何か気づいたように言葉を発するとゴスンがすかさず、


 「もちろん骨は本物ですよ」

 「ぶうううううーーーーーー」


 わしは吹いた。吹いて持っていた鎖骨を投げ捨てた。

 何ていうものを髪飾りにしておるのじゃ。


 「何で投げ捨てるんですか。城下町では亡くなった身内の方の骨を大切に身につけたりするんです。その風習のなごりですかね。」


 「「ひくわ~~~~~」」

 わしとマブシは声を揃えて叫んだ。


 「そんな誰ともわからん骨を装飾して売るなよ!まったく誰の骨じゃこれ!」


 「今ならオーダーメイドで作れちゃったりしますんで、ジューロー様いかがですか?」

 「わしの骨使うの?肉そぎ落として?こわっ!オーダーメイドこわっ!」


 とりあえずゴスンのおすすめのお土産は全て却下して自分で考える事に。


 そうじゃ!セイムさんとエメリさんに指輪とかどうじゃろうか?

 結婚的な…2人はわしの嫁じゃと周囲に知らせる為にも。


 この世界で指輪はどんな意味合いを持つか聞いてみる。

 「セイムさんとエメリさんに指輪を送ろうとおもうんじゃが…」


 「正気ですか!」

 目を見開いて再度ケンドー小○風に言うゴスン。

 マブシも若干引き気味じゃ。


 こちらでは罪人に課す罰に使われるとの事…。指輪を1つづつはめさすと、除々に指輪が締まっていき、100日たつ頃には血が通わなくなってポロリ…みたいな。そういう拷問のようなイメージらしい。


 「正気ですか!」

 今度はわしがケンドー小○風に言ってみた。

 そうかぁ…そんな物をセイムさん、エメリさんに渡したら…


 「なにこれ?何の罪?何でさばかれるの?…お前をさばくぞ!コラ!」

 とエメリさんに逆さばされそうじゃな…。


 しょうがない…。

 みんなのお土産は城下町に来てからむけた、むきたてホヤホヤのわしの鼻の皮でいいか。

 …いらんわ!


 結局さんざん迷った挙げ句、面倒くさいので一律、日持ちのする城下町まんじゅう的な物にした。

 



 

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