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第22話 不憫な子スブム

 その後も森の中をみんなで散策した。普段の森の民の食生活を聞いた。

 森には色々なフルーツの恵みがいっぱいあるらしい。例えば、まわりは栗みちにトゲトゲしている皮がある、剥くと中身はキレイなオレンジで甘酸っぱい感じのまるでパイナップルのような果物。スイカのような周りにギザギザの模様はないが、緑色をした球体を割ると中身は赤い果物。味はスイカと一緒だ。じゃあスイカじゃん!


 ヤシの実もある。木の上に実る楕円形の実で硬い表皮を鉈などで割ると、ココナッツジュースのようなほんのり甘い果汁。硬い殻の内側には透明なプルプルした果肉があってこれまたナタデココみたいな歯ごたえでおいしい。


 など、セイムさんに説明されながらも、時折テヘペロしながら色々調べたりもした。

 その間、族長スブムは「東北地方は晴れ、時々雷雨、青森県では一時ひょう…」などと意味のわからない言葉を発してた…。

 さっきの熊に轢かれた影響か、AMラジオの混線による天気予報が…

 ここ本当に異世界?なんで天気予報?今、青森県って言ってなかった?日本の。

 まあファンタジーだから気にしないでおこう。


 色々見て回ったが一番不思議だったのは森の民の主食であるポポタン、いわるジャガイモが自生しているのを収穫しているという事だ。自分たちで栽培しているのかと思った。

 この世界のジャガイモは実がなるのが早いらしい。だいたい1カ月もすると拳大ぐらいの食べごろの実が付き、場所を選ばず、森のあちこちに自生しているので、期間ごとに分けて収穫しているらしい。


 時間があったら、自分で栽培してもっとおいしい品種に改良できたらな〜思う。


※※※※※


 一通り森の中を散策したので家に戻ろうかと話していたら…

 右奥の茂みからザザっザザザっと何か草木をかき分ける音が…近づいてくる。

 どんどん…近づいてくる。


 結構大きい物体の気配がする。我々のほんの2m先の茂みに気配が近づいてきたと思ったら

 ガバアアアアア〜っとわしら4人の前にいきなり襲いかかってきた!


 あれ、これさっきの熊が出たときと一緒じゃね?また来たのかな?


 おい族長!スブムよ!その顔、ものすごい嫌な顔。

 わかるよ。わかるけども…


 なんて思ったら熊じゃなかった。よく見るとボロボロの格好をした呪い師カカカだった。

 

 だが、熊だと思って飛んでいたわしのドロップキックの軌道は変えられない。

 カカカだとは気づいていたけど止められない!


 あっ、なぜか族長スブムがカカカの後ろにいて直線上に重なってしまった!

 でも止められない!


 カカカの恰幅のよいお腹にドロップキックが炸裂して吹っ飛んでいくも、族長スブムにぶつかり止まる。その反動で族長スブムがカカカの替わりに吹っ飛んだ。


 ずざざざざ〜〜〜っと吹っ飛んだ。


 なんかアレだね。アメリカンクラッカーみたいだね。

 スブム……不憫な子……

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