第217話 ラ・メーンのこと05
シスパ、マブシが潰され、後こちらはわし、カーン、リューゴスの3人だ。向こうはラ・メーンを筆頭に左右に2人づつの計5人。ちょっと不利か?こっちが…の続きからじゃぞ!
ラ・メーンの能力は“人の心を読む”と“歯垢の並列化”じゃ。
あっ、しうもうた…思考の間違いじゃった。
だけど歯垢は怖いんじゃよ、特に歳をとるとよけいにじゃ…もちろん歯槽膿漏になったりなんかしても怖いんじゃが、そういう具体的な病気じゃなくて…………臭いんじゃ…口が臭いんじゃ!(千鳥のノブ風)
たまにいるよね~~めっちゃ臭い人。まあ一概に歯垢のせいだけだとはいえないけど、胃が悪かったり他の要因だったり。でも歯が汚い人は臭いんじゃ!
もちろん歯は磨いておるとは思うよ。でもそれだけではいかんのじゃ!
ぜひ、これを読んだ人は自分の為にも他の人の為にも、そして何よりも愛する家族の為にも“歯間ブラシ”と“デンタルフロス”は必須なのじゃ!ジジイとの約束じゃぞ!
……はっ、すまんつい取り乱してしもうた。これもみんなに健康な歯を意地してもらいたいというわしの愛情じゃ。ちなみにマブシはめっちゃめちゃ口が臭い。口が臭いんじゃ!(千鳥のノブ風)
「もういいか?その歯垢の思考は……やめてもらっていい?
戦いの途中なんですけど…ジューロー“人の心を読む”能力ってわかってて、その口が臭いだのデンタル?なんとかとわけわかんない事考えるのやめてくれる?」
やばっ、わしの考えを読まれていたのじゃ。しもうた…これで今までのようにわしのオナラをマブシの口が臭いからじゃ!という言い訳が聞かなくなってしもうた…。
「だから止めてって、その考え読めちゃうんですけど!口が臭いとかどうでもいいから!
そんな事言いふらさないから!」
「本当か?ラ・メーンお前良い奴じゃな。っていうかわしの命の恩人じゃ!」
「…そんな事で命の恩人って…そんなに臭いのかオナラ?」
「ああ、今年に入って2人…いや、3人はガス中毒で入院しておる。」
「何の自慢だ!ジジイ…もういいそんな話は。もうそろそろこちらか…」
話の途中でリューゴスがラ・メーンに襲いかかったがラ・メーンに避けられた。
「………下らなすぎて待てなかった…」
いや、大事な話なんだけどな~~わしにとっては。
「待つダス!俺の名はカーンダス!ここは俺に任すダス!」
横から手を出して来たリューゴスにカーンが口を出す。
「カーンダスだと?新参ものか、ザコが。」
「カーンダスという名前ではないダスよ!カーン ダスよ!間違えるな!」
「いや、カーンダスって言ってるやん。カーンダスって。」
「違う!断じて言っていないダス!。俺の名前はカーン…」
カーンとラ・メーンがどうでも良い事で言い合う。
「どっちでもよいわ!わしの口臭い話よりどうでもよいわ!」
「…………どっちも五分」
リューゴスが引き分けの判定をくだす。
「カーン、本当に任せて良いのか?1人で5人と戦えるのか?」
「もちろんダス。もうコイツに勝つ算段は見えたダスよ。」
「ふん、勝つ算段だと…、おもしろいやってみろ!」
なめられた発言に気を悪くしたラ・メーンが5人でカーンに襲いかかる!
一斉にカーンに殴りかかる!
しかし、その攻撃が……
「なにいいいいいいいいいいい!!!」
わしが驚いた、わしがものすごく驚いたのじゃ!
カーンがラ・メーン5人の攻撃を避けたのじゃ。
ただ避けただけならこんなに驚かん!
なぜわしがものすごく驚いたかと言うと…なにかヌルヌル動いたのじゃ。
川の流れのように…一言でヌルヌルじゃ、そうとしか言いようがない。
…気持ち悪い動きじゃった。わし味方だけど気持ち悪い足さばきだったのじゃ…。
ラ・メーンも驚いたようで味方が1人やられた。ラ・メーンからはカーンの全体の動きが見えないから、わしよりもっと驚いたにちがいない。
わしがカーンの動きを簡単に説明すると、両方のかかとを地面につけ、つま先を上げた状態で右に動き、次に両つまさきを地面につけ、かかとを上げた状態で右に動く、つまりその動きの連続で素早く移動していたのじゃ。
やってみい!ほれ!出来たか?気持ち悪いじゃろ?
これの何がすごいって横移動のスムーズさがハンパ無い。足下を見ずに対峙しておるものにしたら、動く時の上下の揺れが少ないからスーっと横にすべっておるように見えるのじゃ。
この動きを、あんなに滑らかな動きにまで極めるとは、なんという恐ろしい男なのじゃカーン…ごめん、嘘つきました。味方だけど…努力で毎日あの動きを練習していたとしたら気持ち悪い奴じゃ。絶対に友達にしたくないな~ぐらいじゃ。
「ジイさん、ラ・メーンのように心を読めんでもわかるダスよ!誰が気持ち悪いダスか!
別に練習なんてしてないダスよ!初めから出来るダス。これくらい誰でも出来るんじゃないダスか?標準だと思っていたダスよ。」
とわしの心を読んだカーンだが、そのヌルンヌル流足さばきで、すでに3人もの男を倒した。すごい!
「こら!誰が“ヌルンヌル流”ダスか!勝手に名前をつけるなダス!」
「その後“ヌルンヌル流”はカーン1代で途絶える…あまりにも気持ち悪く、流派を継ぐ者がだれも現れなかったのである。そして結局表舞台に立つ事を許されぬヌルンヌル流としてカーンは1人寂しく死んでいった…。」
「ジジイ、戦いの最中に勝手にナレーション入れるんじゃないダスよ!しかも勝手にオレの流派の行く末を悲しく語って…それに孤独死って!ひどいダスな!」
「二人で盛り上がっているところ悪いが、もうその“ヌルヌル流”は見切ったぜ。最初はびっくりしたが、今度はこっちの番だ!くらえ!」
「“ヌルヌル流”じゃないダス!“ヌルンヌル流”だす!」
ラ・メーンの攻撃にカーンも正面から激突する!
カーン“ヌルンヌル流”気にいってくれたみたいじゃな…存分に使え!
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