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第20話 族長家族と散歩

 「あなた夫婦二人で一緒に出歩くのも久しぶりね」

 「うん、そうだね。下の子が生まれて以来かな」


 きゃっきゃっうふふ言いながら、前歩いているよ。この夫婦…ついてくるなって言ってるのに…


 「いや、別にわれわれは仙人様に付いてきてるわけじゃありませんぞ。前を歩いているわけだし。」

 そんな上手い事言った俺みたいな顔したので、いきなり方向転換してダッシュして巻いてやろうとしたら、もう必至の形相で追いかけてきておいて

 「いや、ちょうどそちらに行こうとしてただけです」

 なんて言い訳をする。めっちゃ必至こいてるやん。なぜそこまでわしに付いてこようとするねん。


 は〜〜〜とため息をして隣のセイムさんを見る。


 セイムさんは長女で今年16歳だとのこと。この世界ではだいたい14〜20歳ぐらいで嫁に行くらしい。

 身長は160cmぐらいで、なかなかスレンダーだ。スレンダーという言葉は便利で、ようするにすっ〜す〜〜〜っすううという感じなのだ。


 ちなみに豊満な人はボンキュッボンなのだが…スッススッス〜〜〜ッという残念な感じなのだ。いや、もし地球ならモデル体型で、もてもてなのであろうが。


 顔も小顔ですごく整った顔立ち。西洋人ほど彫りは深くないがすごく愛らしい顔である。

 ゲフンだけでなく、さぞかし求婚者も多いであろう。

 あの両親から産まれたとは信じられない。奥さんのセレブさんとも似ていないし…

などと考えてたらセイムさんがわしに


 「仙人様、どうかなさいました。じっと私をみて。まさかスッススッス〜〜〜ッなどと失礼な事を考えていたのではないでしょうね?」


 …何でわかるの?リイナ?リイナのように心を読むの?

 というかやっぱりよく言われるのだろうか、スレンダーだねって…。


 最初ゲフンとのことを聞いたときは恐ろしい娘ともおもったのじゃが、性格は明るくだれにでも優しい、万人受けするお姉さんという感じだ。

 そんな良い娘が、あんな精神攻撃を…と思うと、よほどゲフンの事が嫌だったということじゃな。


 夫婦二人、セイムさんとわしの4人で森の中を歩いておるが、本当はセイムさんに森の案内と日常どのように森で過ごしているのか、この世界の常識を教えてもらおうと思っておったのに…。

 

 おい族長、族長の仕事はせんでええのか?

 「はい、一応形だけの族長ですし、どうせ形だけの族長ですし、主な仕事は長男のセコスに任せておりますので。」


 2回言った。


 それより、まだ子どもいたの?

 「はい18歳で結婚して、狩りの部隊リーダーとして出ております。そういえば確か今日くらいですかね、戻ってくるのは。」


 どうやら森の民は結婚すると自立のために一度親元を離れ暮らして、もうめいっぱい、きゃっきゃっうふふしてから両親が老いると同居して面倒をみるという風習らしい。


 そうだよね、きゃっきゃっうふふしたいよね。若いんだから…そういえばわしも若い頃は…

と妄想に入る前にセレブさんが


 「だからよね、セイムがさっきからソワソワ落ち着かないのは」


 「えっそんなことはないけど…久しぶりだから兄さんに会えたらうれしいわ。」

 うれしそうなセイムさんをみると微笑ましいな。


 狩りをする部隊は、広大な森を効率的に区分し、何日もかけて、調査、偵察し獲物を狩っているらしい。こちらで狩る獣の現地名を日本名に訳していうと熊、鹿、狐、猪などが捕れるらしい。

 あくまでも“ぽい”というだけで、生態、外見が同じというわけではない。そんな感じの物が捕れるという情報だ。実際見てないからね。


 と話していたら結構村から離れた森に来てしまっていたらしい。やばい…セイムさんに全然日常の事聞けてな〜〜い。

 と思うと同時に右奥の茂みからザザっザザザっと何か草木をかき分ける音が…近づいてくる。どんどん…近づいてくる。


 結構大きい物体の気配がする。我々のほんの2m先の茂みに気配が近づいてきた、と思ったときには


 ガバアアアアア〜っとわしら4人の前にいきなり襲いかかってきた!

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