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第194話 オランウータン村誕生

「そもそも、ゲタン寝るなよ!しかも酒に溺れて寝るなよ!」


わしは酒を飲んで寝ておったゲタンに注意した!


こんな夜遅くにゲタンの家に皆で集まった理由は

もちろんチンポジチェンジのためではなく、

ラ・メーンの撃退報告の為だったのじゃ。


総隊長として、部下の帰りを心配して待つ身のゲタンが

酒飲んで寝ておるのじゃ、そりゃあ罰としてチンチンに剣が刺さっても

しょうがないじゃろう。

まあ、実際は小リスじゃったのだが・・・


「と、いう事でラ・メーン一味は無事わしらで、

死力を尽くして撃退したのじゃ、報告は以上じゃ。」


ゲタンは座ったまま、腕を組んでわしからの報告を黙って聞いておった。


・・・・・・・・

「おい、マブシいるか。」

「はい、ここに。」

「よし、この者のケツを刺せ!素手でな」

「は?素手?すでで?」


「そうじゃ、素手で中心を狙うのじゃ。」

「いやですよ~何でオレをそんなアグレッシブな責めを?

それに座っているのにどうやって中心を?」


「もうええ!役立たずが・・・チッ」

「舌打ち?舌打ちされるような疑問だった?今の。」


「セコスやっておしまい!」

「わかりました。お任せを。見事中心にぶっ刺してやりましょう。素手で。」


「セコスやるの?何かキャラ変わってない?やらなくてもいいんだよ。」

マブシがセコスにツッコム。


たぶんこのままセコスが台頭すれば、

自分の立場を奪われるとう危機感を覚えておるからじゃろう。


そうじゃ、皆奪い合いなのじゃよ。

サブキャラの登場回数は限られておるのじゃ・・・

争え、争うがよい!サブキャラ達よ!


わしは主役だからやりたい放題じゃ・・・たぶん主役だと思う。


何の話やねん!などという事を考えている間にセコスが

ゲタンに仕掛けようとした、その時・・


「すんな!起きておる。」

ゲタンが片目を開けてこちらを見る。


その声を聞いて、セコスは思いとどまったようじゃ。

やはりセコスはマジメだから空気を読んでしまうのじゃな。


マブシならその後怒られるという、空気なんぞ読まずに

そのまま、ゲタンにぶっ差すところじゃぞ!


いきおいじゃ!いきおいが大事じゃ!!


そんなエールを両者に心の中でおくりつつ

起きたゲタンを見やる。


ゲタンは立ち上がり、皆にねぎらいの声をかける

「今日は夜遅くまでご苦労だった。あしたは、この村の新しい船出の日だ!

酒に酔ってベロンベロンにならぬよう、酒に溺れぬように、

今日は早く寝るように。よいな!」


「「「「はい」」」」」

みな、お前が言うなよ!

酒に溺れていたお前が言うなよ!

と心の中でツッコみながらも、良い返事をした。


もちろん、声には出さなかった。

本当は声に出してツッコミたかったのだが、

ツッコメばツッコムほど、また寝るのが遅くなるからのう。

その後、すぐに解散して各々自分の家に帰っていった。


わしもゲタンの家を出ようとしたら呼び止められた。

「おい、ジジイちょっといいか?」


真面目な顔して呼ぶゲタンに何事かと思い向き直る。


「チンポジチェンジチャレンジのことだが・・・なかなかおもしろかったぞ!」

ゲタン、いい笑顔でサムズアップ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・酔ってるなコイツ・・・


ものすっごい、どうでもよいお褒めの言葉をもらって

その日はもやもやしたものを抱え眠った。


※※※※


陽が暮れかけた頃、広場にはひしめきあうほどの人数が集まっていた。

舞台に上がるゲタンの両側にはかがり火がたかれ、大きな火の粉がまわりに

飛び散り幻想的な雰囲気となっている。


舞台の上で、ゲタンは大きな声で演説をしておる。


「新しい村は今日から“オランウータン村”とする。森の番人という意味あいじゃ!」


「「「「「おおおおおおおおおおおお」」」」」


「今まではヌル族、ネル族に別れ生活していたが、今日この時から家族になったのだ!共に力を合わせて、森の民一丸となって、よりよき未来に向かって発展させていこう!」


「「「「「おおおおおおおおおおおお」」」」」


「きょうはその記念すべき、わしら森の民の門出だ!朝まで、飲めや歌えや~~~~!!


「「「「「うううううおおおおおおおおおおおお」」」」」


ゲタンの挨拶からすでにヒートしっぱなしじゃ。うだるような熱さの中、

わしらは祭りを楽しんだ。


この日は老若男女すべての森の民が集まり騒いだ。

実際にこの村に住まずに、森の他の地域に住んでいる者達もこのためだけに

わざわざ集まった。


もちろん塩製作の者達も今日ばかりは仕事を休んで

森の民の一員としてかけつけてくれたのじゃ。


今日は思いっきり、飲んで、食べて、騒いで、

また明日からの活力を養うのじゃ。

子々孫々までつながる、村の未来のために―――


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