第192話 ラ・メーンとの戦い
わしらは驚き、ラ・メーンを凝視した。
ファイッ!ファイ♪ タ~~~~ララ~ラ、ラ~~ララ~♪
軽快な歌声とともに倒れていたラ・メーンが起き上がる・・・・・・
気持ち悪く起き上がる・・・・
ゆっくり立ち上がってくる感じではなく
1言、擬音でいうと・・ビヨ~~ンって感じなのじゃ・・・
バネのように一気に立ち上がる感じ。
ビヨ~~ン!
・・・・何か気持ち悪くない?
立ち上がったラ・メーンは
「どうした?もっと攻撃してこいよ、どんどんこいよ」
バキ、ボコッ、スコッ。やってやったのじゃ。
やつの望み通りな・・・・
ラ・メーンはまた倒れておる。
しばらくすると・・・・・
ファイッ!ファイ♪ タ~~~~ララ~ラ、ラ~~ララ~♪
また聞こえてくる。
そしてビヨ~~ン!じゃ。
起き上がってきたところをすかさずカウンターで倒す!
ラ・メーンはまた倒れる。
また、しばらくすると・・・・・
ファイッ!ファイ♪ タ~~~~ララ~ラ、ラ~~ララ~♪
また聞こえてきて、ビヨ~~ン!じゃ。
ラ・メーンは得意満面の顔じゃ。
「ふふふふぁっっふははは、どうだ!かかってこいよ!。」
「気持ち悪い。すんごい気持ちわるいのじゃ。」
「キモッ!きんもいわ~~~~あ~~キモッ!」
「・・・何かすんごくムカつくが・・ふははははっすごいだろう。
ムカつくほどすごいだろう。」
確かにすごい。立ち上がってくる度に、わし等がつけた傷が治っておるのじゃ。
たぶん全快して立ち上がってくるのじゃ。
見た目が派手な分、キモイ事に目が奪われがちじゃが、
これはとんでもない能力じゃぞ・・さて。
「考えても無駄だ!この能力のすんごいところはな、どんなに致命傷を負っても
すぐに全快して立ち上がれるところだ。何度も何度もな・・・ふふふふふっっ」
「1つ聞いてもよいか?その変な歌は何じゃ?毎回毎回。」
「この歌だよ。この歌を聞くと身体がどんどんエネルギーを注入されるのさ。」
なるほど、あの歌が能力の秘密じゃったのか。
そんなにすぐにバラしていいの?敵に。
わ~~悪役っぽくめっちゃ高笑いしておる。
勝った気でおるなこいつ・・・・じゃあシメてやるかな。
「ラ・メーンお主勝った気でおるのか?
どうやら、わしも本気でやらねばならんようじゃの。くくくっ。」
「やっと本気だすのかよ?いいぜ、やってみな。この間のようにな。」
お、どうやら対策を練ってきておるようじゃな。
まあ前回こてんぱんにやられておるからな。
何も対策してこんかったら、同じようにやられるだけじゃしな。
「そうかぁ・・自信あるようじゃのう。だがしかし、わしはあの時以上に
力を蓄えてきておるのじゃぞ。それを今お主に・・・その片鱗をお主に
見せてやろうではないか・・・くくく。」
自信満々に不適にラ・メーンを見下す。
それを見てラ・メーンは警戒して後ずさりする。
「お主のその驚異の回復力に対抗する能力はのう・・・簡単じゃ。」
簡単じゃという言葉を聞いて、尚いっそうラ・メーンは身体を固くさせる。
「逃げることじゃ~~~~~」
ラ・メーンとは反対の方向にマブシと一緒に逃げ出す。
「お主と戦わねば、その回復力も無駄じゃろうて、わはははh~~」
ラ・メーンに聞こえるように大きな声でしゃべりながら遠ざかる。
それを「ふっざけるなあああああああ~~~~」と
顔をまっ赤っかにしながらおいかけてくるラ・メーン。
わしが囮になりラ・メーンをしばらくひきつける。
そして、追いつかれた呈である場所におびきよせる。
ぜ~ぜ~もう肩で息をしている演技をしておびきよせる。
「やっと堪忍したか、ジジイ。手を煩わせやがって。今楽にしてやるぜ。」と
不用心に近づいてくる。
「あっそうそう、その全快能力の弱点をいくつか見つけたぞ。
その1つが・・・・これじゃ」
「じじい・・・何いって・・・うわっわおおおおおおっ」
ラ・メーンが穴にズボッとはまって下半身が埋まる。
「例えば穴を掘って埋めるとかな。これならお前さんが全快しても、
何度も起き上がって来ても、動けまい。」
実はマブシに指示して穴をカモフラージュしてもらっておったのじゃ。
さすがに1から穴を掘る時間はないのでな。
首だけ残して埋めれれば一番良かったのじゃが・・・
と、いっておる間にラ・メーンが穴から這い出てきた。
上半身は埋まってなかったから、なんとか這い出れたという感じだが。
「残念だったな。こんな程度では俺は止められん。」
「それでは、ここで決着をうけようかのう。マブシやってやりなさい!」
わしが水戸黄門様のようにマブシに指示をした後、
マブシの総攻撃が始まる。
マブシのラッシュにたまらずラ・メーンは後ろにふっとぶ。
そして、またあの歌が聞こえてくる。
ファイッ!ファイ♪ タ~~~~ララ~ラ、ラ~~ララ~♪
そしてビヨ~~ン!じゃ。
「全然効かないっていってるだろう?頭の悪いジイさんだな・・・
もう、やっつけちまってもいいよな。飽きたんで!」
「まあ、そんなに慌てるな!今のは最後の確認じゃて、次で最後じゃ。
マブシやってやりなさい!」
ふたたびマブシラッシュ!!的確にラ・メーンを捕らえてダメージを負わせる。
たまらず、ふっ飛ぶラ・メーン。
ふっ飛んでもまだ余裕のラ・メーン。
ラ・メーンの肉体は少年の体だけあって攻撃力が低い。
しかしそれを補う全快能力。
だからこ大人数での襲撃を考えていたのであろう。
攻撃力を他で補おうとしたのだが、わしによって阻止されてしまった。
今は不利だが、持久戦に持ち込めば、なんなく倒す事ができるであろう。
こちらは何度でも回復できるのだから・・・・ラ・メーンはそう考えて
いたのじゃろう。
マブシの攻撃を受け、倒れて、また回復・・いや闘魂を注入しようとしたその時!
いきなり後ろからマブシに羽交い締めされ、
ジューローが目の前に・・
「長い事戦っておったから、お腹すいたじゃろう。この獣肉でも食わんか?
わしの今一番のおすすめじゃ」
と、口いっぱいに肉を詰め込んだ・・・・
「フンガッフンフ」
「いや、遠慮するな、お前とわしの仲ではないか・・・ほら、これもうまいぞ。」
「んん~~~~ふがっふがっん~~~~~」
ラ・メーンはいやいやする。
「心配するな!わしのおごりじゃから!まったく、若いもんが気をつかうな!な!。」
と、さらに隙間に詰め込む・・・・
「おっまだここにも詰め込めるな・・・・」
ジューローはラ・メーンの鼻に砂糖棒を詰め込む・・・
「鬼や・・・あんた鬼や・・・」
羽交い締めをしながら後ろから見ていたマブシがツッコム。
「何が鬼か!わしなんか優しいほうじゃ。この村で256番目に優しい男じゃよ!
そんな事よりマブシ・・・最後の穴が残っておるぞ。
ちょうど羽交い締めの位置からじゃと、入れやすいじゃろ。ほれっ!」
「こわっ! なにっ、その下ネタは?こわっそんな性癖まったくないよ、オレ!
あんた全然優しくないよ、256番目どころか257番目だよ、優しさランキング!」
とマブシはどん引きして羽交い締めを解いて後ろに逃げる。
ラ・メーンは口と鼻に詰められ、息が出来ずに気を失ってしもうた。
「簡単な事じゃ。あの歌を歌わせないようにするだけでOKじゃ。」
「ネタがバレれば、どうってことないですね。」
わしと、マブシは手の汚れを払いながらラ・メーンを見やる。
「でも、大勢で攻めてこられたら、やっかいな能力じゃったな。
邪魔されることなく全快できるからのう。まあ今回はわしらの作戦勝ちじゃな。」
「片付いた事だし、俺達も明日に備えて早く寝ましょう。」
「そうだな、とりあえずコイツ等は縛り上げて、
そのへんにでもぶら下げておくか・・」
「こわっ、それって縛り首じゃ・・・・こわっ。」
・・・・首からぶらさげるなよ・・・
フツーでいいんじゃよ。フツーに首からで。
縛り首じゃった!




