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第181話 油を作る

今、わしはカーンのアジトの丘の上にいる。


その周りにはカーン一味が6日間に渡って集めた花が累々と積まれている

小山が見渡す限り積まれておる。


その積まれた花の用途を今からわしが発表するのじゃ。


上から皆を見下ろすとなにか、こう、血肉わき踊るのじゃ。


「ふわはははははっ、お前等全員蝋人形にしてやろうか~~~~」

・・・・・・・・・・・・・

どうやら風で聞こえなかったようなのじゃ。セーフ。


上から皆を見下ろすとなにか、こう、血肉わき踊りまくるのじゃ。

「3215番 オラの母ちゃん便秘気味。を唄います。

はぁ~~~~♪ 20年来のつきあいだ~~~♪

だがしかし、出るも出られぬ事情ある~~~~♪」


「ジジイうるせ~~~ぞ!」

「もったいつけんな、早く言え!」

非難の雨嵐じゃ!あっやめて、小石投げないで!いたっ


「それでは発表します。

この花は・・・・・・・・ドドドドドドドド、ドン!

種です!」

・・・・・・・・・

「種を使うのじゃ~~~~~~~~~~」


・・・・・・・・・

あれ、反応薄いのじゃ。

もっと、おお~~~~とか、何だって~~~~とかないの?

と、思っておったら・・・


「馬鹿野郎ジジイ!早く言え!」

「もったいつけんな、早く言え!」

「だから、何に使うんだって!」

あっ何が出来るか言ってなかった。

種って言えば何が作られるか分かるかなと思って・・

いたっ、あっやめて、石投げないで!


「それでは発表します。

この種は・・・・・・・・ドドドドドドドド、ドン!

油です!」

・・・・・・・・・

「油が出来るのじゃ~~~~~~~~~~」


シ~~~~~ン~~~~

あれ、全然反応ないのじゃ、まさか・・・


「馬鹿野郎ジジイ!何だそれ!」

「油なんて知らね~よ!」

「だから、何に使うんだって!」

ええっまさかの油はまだ、知られていないのか・・

田舎だからなのか?城下町にはあるのじゃろうか?

わからん・・・今度ゴスンに聞いてみるか。

いたっ、あっやめて、吹き矢はやめて!

チクっとするからやめて・・・


「そうか、油を知らんか。油の説明をするより実際にみせた方がよいな。

それではまず、油を作る!みなわしのやり方でここにある花すべてを

加工するのじゃ!」


皆、油がなにかわからないまま、渋々といった感じでわしの言う事につき従う。


まず、刈り取った花を乾燥させて、水分を蒸発させます。

カラカラに乾燥したら種を回収して、なるべくゴミを取り除いて種オンリーに。


ここまでが前段階じゃ、簡単じゃろ。

まあ、本当なら乾燥まで5日~7日かかるけどな。


「今回は、あらかじめ指示して乾燥してもらった種が、びっしりとこちらに・・・」

棚の下から下準備をしてある種を取り出す。

料理番組の王道じゃ!


「そしてこれをトロ火の上のバッキャム鍋で焦がさないように1時間ほど煎ります。

しかし、時間がないので、先程まで煎ってもらっていた種を用意してあります。」


また、棚の下から下準備しておいた煎った種を取り出す。

王道じゃ!・・・・どこに置いてあるんだ!


「この煎った種をすり鉢、すりこ木で細かく砕きます。

もちろんこれも、時間がないので・・・」

さらに、棚の下から細かく砕いた種を取り出す。


「これを布に詰めて、今度は蒸します。」

このために、作ってもらったセイロのような蒸し器を取り出す。


「だいたい30~40分蒸すのですが、時間がないので・・」

なんと、棚の下から蒸した種を取り出す。


ここまで来ると、もう油出せ~~、本当は出来た油があるんだろ~

などとヤジが飛び出す。


・・・・出来ない事もないが、そうすると油作る行程がいらないじゃん。

お前等わかんなくなるよ。わしずっとここには居ないからわかんなくなるよ。

と言いたいのをグッとこらえ説明を続ける。


「これで、あとは絞るだけじゃ!これを見い!じゃじゃーーん油絞り機じゃ!」


そこには1本の長い板。板の真ん中には半円の球体がついたのが1つ。

それとは別に臼のような穴の空いた石が1つ。

板の半円と臼の穴がぴったり合うようになっておる。


まるでシーソーのような形を思い浮かべると分かりやすいと思う。


「この板の両脇を男達が力を入れて回したり、押さえる事で、

種から油を絞り出す仕組みじゃ!」

「・・だからジイさんは屈強な男達、つまり俺達が必要だと言っていたダスか。

なるほど、確かに盗賊をやめて力の有り余っている俺達にはうってつけダスな。」


「見た目以上に大変じゃゾ、だれか絞ってみい。」


カーンの部下が初めてにしては手際良く、油絞り機を力限り扱う。

しかし、最初は威勢がよかったが段々へばってきたようじゃ。

まだまだ続けてもらう、出るまで続けてもらう。

すると、やっと臼の下から黄金色の液体が出てきた。


ジョロロロロロ~~~~~~ではないぞ、

チョロっっじゃ。本当にちょ~~~~っっとなのじゃ。

切れ悪いな~~ぐらいなのじゃ・・・

意味深じゃ。


「少なっっ!あんなに力一杯やったのに・・こんなけ!」

皆口々に不平をもらす・・・・


「あたりまえじゃ、この量を絞っても実際には20%も絞り切れておらん!。

これをすぐに捨てるのではなく、こちらに用意しておいた油絞り機、

3段階に小型化した油絞り機で絞りつくすのじゃ!

まあ、それでも30~40%しか絞りきれないのじゃが、しょうがない。」


マジか~~~~、そんなけ~~、どんだけ~~~と色々な声が聞こえる。


「それでは、お主達にこの油がどんなものなのか、

実際に試して、威力を見せてやろうかのう。ふふふふふのふー」

わしが、顔の横でほんの少しだけ採れた黄金の液体をかかげ、ほくそ笑む。


なにか、他の人がここだけ見たら、自分のおしこっを飲もうとしておる

ボケ老人に見えないか心配な、ジューローであった。


 


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