第180話 カーンと合流
わしらは盗賊のソウザ一味を片付けた事をオムラの村へ寄り、告げて
今日の予定であるカーンのアジトへと急いだ。
約束の日が過ぎておったのじゃ。
しょうがない、いろいろあったのじゃ。
ダチョウで1時間程進んだ道すがら、あと1~2時間でカーンのアジトというところで
前方からたくさんのムサイ男達を引き連れる集団が・・・
60人ぐらいか・・・まあまあいるぞ。
だんだん近づいてきて、良く見ると先頭は、マントをはおったカーンじゃった。
ダチョウで近づき声をかける。
「カーン達ではないか、久しぶりじゃな。出迎えに出てくれたのか?」
「ジイさん、来たダスか。遅かったダスな。約束の日に遅れてくるとは。」
カーン久しぶりの訛りじゃ。すっかり忘れておったので違和感があるな・・・
イケメンじゃのに。
「すまん、すまん色々あってな。で?出迎えじゃなかったらどこに行くのじゃ?」
「ああ、ちょっと片付けないといけない用事ができたダス。
ジイさんの約束は後回しになるダスから、先にアジトへ行って待っててくれダス。」
「何じゃ、わしを後回しにせないかん事なんぞないじゃろ。今のお前達には。」
「うるせえなジイさん、今俺達はそれどころじゃねーんだよ。
今から殺し合いにいくんだからよ!殺し合い」
カーンの横からいきりたった部下が話しかけてくる。
「殺し合いとはおだやかではないのう?わしに説明してみい。」
「・・昨日俺の部下から連絡があったダス。ここから20km先北のアジトに住む
荒くれ者集団ソウザの一味が人数を集めていると。」
「ああ、ソウザ一味か・・・・倒しておいたぞ!」
「どうやら、オレが仲間になるのを断ったのを根に持って襲撃するために
人数を集めて襲ってくるらしいダス。」
「そうらしいなあ。本人から聞いたけど・・・倒しておいたぞ!」
「相手は今では100人以上いるらしいが、人数が今以上に多くなる前に
こちらから奇襲をかけてやるつもりで手勢60名で向かう所ダス。」
「全部で110人じゃったかな・・・だから倒しておいたぞ!って」
「全部片付けたらすぐに、アジトへ向かうからジイさん達は先に行ってて・・・・は?」
「だから、わしらがソウザの一味を先にぬっ殺しておいてやったのじゃ。」
「えっ何ダス?ええ、うそでしょ?」
めずらしく冷静なカーンが驚いた顔をして問いただす。
「わしらが、オムラの村に泊まった時に盗賊に襲われてのう、カーンの一味を襲う計画を
聞いたのじゃ。だから軽~~くわしらで潰しておいてやったぞ。」
「・・・にわかには信じられんダスな。見てみない事には。」
「疑り深いのう。ここから東へ・・・・・・」
わしは、ソウザ一味を埋めたあたりを説明すると。
カーンの部下数名がその場所までダッシュで向かう。
確認しに行った間、わし等は近況報告などを話しておったら・・・・
ものすんごい勢いで部下が帰ってきた。
「頭~~~~~頭~~~~~ぜーっぜーっ・まってます。う・・ってます」
「落ち着け、落ち着いて話すんダス!」
「ぜーっ、ぜーっ埋まってました。
ソウザ一味全員土に生き埋めされてました~~~~~~~~~~。」
「なににににににに~~~~~~~~。」
一斉にカーン一味がわしを見る。
しばらく呆然と見ていたがだれかがポツリと
「・・・ジイさん達何者ダスか?」
「えっ?何者って言われてもただの森の民じゃよ」
「・・・・なぜ生き埋めに?・・・・・こわっ」
と恐怖とも畏怖ともとれる目で全員にみられた・・・・・
いや、生き埋めって感じ悪いけど、生きとるよ。
首だけ出て生きとるよ。
※※※※
とりあえず、皆でカーン一味のアジトに戻る。
戻りながらカーンと話す。
「100人以上の盗賊を3人で・・・いったいどうやったダスか?」
「な~~にそんなの簡単じゃ。こうポキッと感じじゃな。ポキッと。」
「・・・・・そんな説明でわかるか!」
リューゴスがツッコンでくれた。
「な~~に、そんな難しいことではないぞ。森の民最強戦力の2人とバカ担当1人がいればのう」
「ぶははは、リューゴス、お前バカ担当だったんだな。ぐははははは。」
「いや、マブシお前じゃよ、バカ担当。」
わしは優しく言ってあげた。
ガーンって顔してる・・・今気づいたようじゃ。
「それでも相手は盗賊、中には人殺しも含まれているダスのに・・・。
それにあんたらは、俺達と関係ないのになぜダス?」
わしはカーンの顔を覗き込みマジマジとした顔で言った。
「関係ない?わしらとお前等が?そんな事はないじゃろ、6日間わしが言った通りに
花の収穫はしておったのじゃろう?わしとの約束を守り、盗賊をせずに6日間仕事を
してくれておったのじゃろう。じゃったらもう仲間ではないか?
たとえ仕事の間柄じゃとしても、仕事仲間ではないのか?そうじゃろ。」
「・・・・・・・・・・・・」
「じゃったら、お前等の危機に手を貸しても不思議じゃないじゃろ。」
「・・・・まだ仲間じゃないけどダスな・・・。この後のお前が指示で収穫した花次第ダス。」
「ふっふふふふ、楽しみにしておるのじゃ。お主達が正式にわしらの仲間になる事をな。」
歩きながらしゃべる事1時間、やっとカーンのアジトに付いた。
まあ、着く前から見えておったのじゃが・・・・・・
そこには・・・・・・・・・・・・
山のように、いやカーン達の住処である丘のように積まれたたくさんの花が・・・
大きな大きな丘がいくつもいくつも出来上がっておったのじゃ。
なかなか爽快な景色じゃ・・・・・
次回とうとう花の説明編じゃ。
なっがい前フリじゃったな・・・・167話あたりで告げていたから13話ぶりじゃ。
絶対みんな忘れておるじゃろう。
カーンの話は164話あたりじゃぞ!忘れた人は読み返すように!