表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
180/262

第178話 ソウザ一味

いえ~~~い!わしの嫌な予感当たったもんね~~~

ほれみい!わしの思った通りじゃろ!


わしは身体全体を使って喜びを表現した!


だいたい小説で主人公クラスが

「何だか嫌な予感がする・・・・・」って言った時は前ふりなんじゃ!

「何事もなければ良いのだが・・・」って言った時は悪い事を願っておるんじゃ!


ゴス!「・・・・悪い事が当たって喜んでどうする!」


そうなんじゃ、あの後オムラの村に泊まらせてもらって

朝一でカーンの所に行こうとしたのじゃが・・・・


またじゃ、また夜中に盗賊が攻めてきたのじゃ・・オムラの村に・・・

よく盗賊に被害のある村じゃな・・・

ちなみにオムラの村とは総称で、オムラがいる村が正しいのじゃ。


盗賊A~盗賊Z以上じゃ。20名以上いるから、ひとくくりじゃ。


「おお~~い、お前等おとなしく食料を出せ!もっている分全部だ。

ちょっとでも逆らってみろ、この村を焼き払い、みなごろしだ!」


どうやら盗賊Aがリーダーみたいじゃが、悪そうな顔じゃ。

絶対3人ぐらいは殺してるでしょっていうような顔じゃ。

夜だからたいまつの灯りで余計に恐くみえる。


とりあえずわしが弱気で話しかけてみる・・・

「わ、わかったから、皆には手を出さんでくれ、

今から用意させるから、皆さんはここでお待ちを・・」


「おう、話しのわかるジイさんだな。待っててやるから今すぐ準備しろ。

少しでもおかしなマネをするんじゃないぞ。」


わしは指示を出し、食料を集めさせる。


「そ、それにしてもなぜこんなに食料を集めるのですか?」

「はん?ただ食いたいから奪うだけだ。」


「いや、それにしては多すぎるような・・・この村中の食料を取られては

わしらの村がつぶれてしまいます。」

「うるせっジジイ!今すぐ殺してもいいんだぜ? 

飢えで死ぬのと、今スグ殺されるのとどっちがいいんんだ?選べ。」


「あわわわわ、す、すみません。」

めっちゃ気弱なジイさんを演じる。


おかしいのう。こんなやり方で村を襲えば、すぐに自滅じゃ、村も自分達も・・・

抵抗されれば、少なからず自分達も被害を被るじゃろうし・・・

何かあるのか?


「じゃあ、あと1つだけ、いいですかいのう。」

「なんだ?まだぐだぐだ言うつもりかジジイ。お前殺すの決定!げはははは」

盗賊Aの高笑いがこだまする。

それにつられて他の盗賊達も、わしを見下すような下品な笑い声を響かす。


そんな雰囲気を無視して、わしは盗賊Aに問いかける。


「お前達、今死ぬのと、後で死ぬのと、どっちがいいんじゃ?選ばせてやるぞ。」

「は?な、何にいって・・・・」


先程とはうって変わって、弱々しい物言いだったわしが、低い声で盗賊たちを睨み、

言い切ると同時にマブシとリューゴスが盗賊達に襲いかかる。


しょせんは烏合の衆、いくら荒くれ者達とはいえ、

屈強な2人の森の民になすすべもなくやられていく。


一応命までは取るな!と命令はしておいてはいるが・・・・


「ひっひいいい、な、なんだお前達は・・・・・」

盗賊Aだけ残り、逃げようとしたのをわしら3人で取り囲む。

ジジイのわしが穴だと思い、いちかばちか攻撃してきたが避けるまでもない。

そのままわしの蹴りで一回転させ、地面に突っ伏させた。


「質問に答えろ、素直に話せば楽にしてやろう。だが、もし逆らうようなマネをすれば・・・

楽にしてやる事になるぞ!」

「・・・・・結局、楽なんだ・・・」

おっめずらしくリューゴスがツッコンだ!


「えっ、楽にって・・・あーそういう事ですか。でもどっちにしても死・・・」

マブシが理解したようじゃ。


マブシの死という言葉に過剰に反応する盗賊A。

「うわああああ、きく、何でも言う事をきくから、た、助けてくれ」

鼻水をたらしながら懇願する盗賊A。

・・・・ふきなさい。鼻水を・・・きちゃないから・・・。


「お前等はどこの盗賊じゃ?リーダーの名は?」

「はい、私たちはここから10km北へ行ったところにある集落を根城としている、

ソウザを頭とした盗賊ソウザの一味です。」

・・・なんかふっきれたのか、スラスラしゃべりだした。

流暢に・・・・何か腹立つのう。


「なぜ、こんなに食料を奪っていこうとしたのじゃ?」

「はい、近ぢか他の盗賊団を襲う予定で人数を増やす為に食料を調達していたのです。」

こいつ・・・ベテランアナウンサーのように淀みなくしゃべるのじゃ・・

・・・・すんげー腹立つのう。


「なんじゃ?その盗賊団というのは?」

「はい、ここから西へ20km先に丘を隠れがとしているカーン一味という盗賊団です。」


「カーン一味じゃと?」

「はい、このカーンの一味というのは盗賊ですが、不殺を信条としているエセ盗賊団で

ソウザの頭が軍門に下らせて仲間に引き入れようとしましたが、無下に断られ気に食わないと。

内側から工作しようと、何人も人員を送りこんだのですが、

なぜかすべてカーンに見破られ誰一人として、中に入れなかったようです。」


さすが、カーンじゃな。やっぱりわしの目に狂いはなかったようじゃ。

だがこいつ・・・・・しゃべり方がめっちゃ腹立つのう。


「今、ソウザ一味はどのぐらい集まっておるのじゃ?」

「はい、わたしたち30人がこちらに来ていますので、残りはだいたい80人ぐらいです。

しかし、わたしたちは自分で言うのも何ですが、斥候のカスですので、本部に残っているのは

何十人も殺しているような、わっっっるい顔の奴ばかりです。」


「お主もなかなかの悪い顔じゃ」

「はい、わたしは悪い顔です。すみません。」

素直じゃ・・・めっさっ腹立つのう。


よし、状況はなんとなくわかった。

カーン一味のところに今日中に着く予定じゃったが、

先に片付ける用事が出来たようじゃ。


「マブシ、リューゴスちょっと寄り道していくぞ!」

「行きますか!ジューロー様!」

「・・・・・・やる気まんまん」


「はい、わたくしたちはどうすればよいでしょうか?」

盗賊Aが問いかける。


「そうじゃな・・・・・」


村に攻めて来た30人を縛り上げ、村を離れた空き地につれていき、埋めた・・・・


こわっっっっ!生き埋めじゃないよ。

いや、ある意味生き埋めじゃが、違うんじゃ!

地面から首だけ生えてるような感じ?

とりあえず植物になったつもりで反省してもらおうかなと。


食べ物を育てる大切さを学んでもらおうと思ったのじゃ。


・・・・わしの優しさじゃ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ