第177話 去るジューロー
「ジュ~~~ロ~~~どの~~~、えっえぐえっえぐ」
シュトラ号泣じゃな。
わしらは今アルーン村の入口に集まっておる。
カーン一味に約束しておる6日後が迫っておるので、
とりあえずわし、リューゴス、マブシでカバだと3日かかる行程をダチョウで
とばして1日で行こうという事になった。
ジョコ、ピチュ、レイクは後から、アルーン村の特産品をいろいろ積んだカバで
帰ってきてもらうつもりじゃ。
と、いうわけで村人が族長のわしを盛大に見送りにきてくれたのじゃ。
「リューゴスの兄貴、またいつでも来てくださいね。」
「師匠と呼ばせてください!」
リューゴスはあれから、ジョコと一緒に自警団や、若者を鍛えるために色々と教えていたらしい。
圧倒的な強さで皆を驚かせ、ものすごい尊敬されているようじゃ。
「マブシさん、あんたマブシ過ぎるぜヘイ、ヨー!」
「マジ、リスペクト、スター、マブシ♪イエー!」
「キャー、マブシさん~~~きっと帰ってきてね~~~。」
・・・マブシの野郎は、例の一輪棒で一気にスターダムじゃ。
いつかは城下町にも進出する気じゃろう・・・・この野郎。
いまのうちに、ぬっ殺すべきか・・・
ちなみにピチュもジャンケンの神として崇められておる。
ちやほやされておるわ。ふんぞり返っておるわ。
「このまま、この村で一生を過ごしてやろうかしら」などと抜かしておる。
調子に乗っておると、また皆の前でわしが勝負するぞ!
レイクは・・・・・・・
計算が出来る事でものすごいびっくりされておった。
この村でも計算できる者はおるけども、皆 足し算と引き算のみじゃった。
それも商売をしておる者だけで20人いるかいないかぐらいじゃったみたいだ。
それが、こんな小さい子が足し算と引き算のみならず、かけ算、わり算まで出来ると
あってはびっくりせんほうが、おかしいじゃろう。
だから、これからはこのアルーン村でも学校のようなものを作り教育をする事を提案しておいた。
そんな事もあって、レイクは天才少年現れる的な扱いで人気者じゃ!
そして、リューゴスの師匠であるわし、
神の左手ピチュに勝った男わし、
マブシ、ジョコ、レイクの尊敬を一身にあびる男 わし、
偉大なるわし!に集まった村人は・・・・・
シュトラ1人のみじゃ~~~~~~~~~~がっくしっ
貢献度がみなに伝わりづらかったみたいじゃ・・・・
わし、かなり貢献したんじゃけどな~~~この村に。
地味じゃったかな~~わし。
こんなに見送りで人が溢れておるのに・・わしには1人・・・・
しょうがない・・いまから“重力無限”でこの村をつぶしちゃおう。
うん、そうしよう。わしの価値がわからん者達など、つぶされればよいのじゃ。
そうじゃ、わしは悪くない、ぐへへへへへ~~いくずえ~~~~~~~~。
と邪な考えが、わしの身体すべてを覆った時、
「ほら、ジューロー様、手振ってあげてください。みんなジューロー様を見送りに来たんだから。」
とマブシがわしの手を持ち上げる。
すると、大きな歓声が・・・
わあああああーーーーーーーーー
「ジューロー族長~~ありがとう!」
「これから立派な村にしていきましょう!族長~~」
「また、ぜったいかえってきてね、おじいちゃん」
と、いつの間にか大勢の村人達が・・・・
わしが邪な想像をしておる間にいつの間にか大勢の村人が見送りに
わし達の前に・・・泣ける~~~。
さっきまでお主らを、ぬっ殺そうとした心の狭いわしを許してくれい!
「わしは来る。また来る。そして来る。きっと来るぞ。呼ばれてなくても来るぞ~~。」
しつこく連呼して、わしらはアルーン村を後にした。
※※※※
アルーン村からカーンの一味のいる西へダチョウを走らす。
人を乗せても、最速時速40kmは出そうじゃが、常に出るわけではない。
休憩も必要じゃしな。平均時速20~25kmといったところかのう。
そんな時、街道をダチョウで飛ばすわしらの前に盗賊が現れた。
テレテテッッレレ♪
盗賊A、盗賊B、盗賊C、盗賊D、盗賊E、盗賊Fが現れた。
ジューロー、リューゴス、マブシは止まらずにはねた。
バスッ盗賊Aは100のダメージ倒れた。
ゴスッ盗賊Bは120のダメージ倒れた。
ヒョイ、盗賊Cは避けた。
「おい~~こら~~待ちやがれ~~~~!」
盗賊Dは吠えた。
ザッザッザザザザーーーー
ジューロー、リューゴス、マブシは逃げた。
「何だったんじゃ?」
「盗賊っぽかったけどな~~」
『・・・・カーンの一味ではない。」
そうなんじゃ、カーンの一味より顔が悪そうじゃったしな~~。
それに、カーン一味はとりあえず6日間は盗賊をしないという約束じゃったし・・・。
何か嫌な予感が・・・・・
何事もなければ良いのじゃが・・・・
そして、オムラの村に着いた時、その嫌な予感が・・・・
「えっ何もないですよ。」
「はっはっはっはははは、ジューローのジイさんもボケてきたんじゃ・・・」
口の悪いオムラをぬっ殺してやった!




