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第167話 花の価値

シーンと静まった。


ぷっ

ぷっくくく

ぷーーっ

「どわーーあはははははははははははははh。」

そして一斉に四方八方から笑い声が。

しかも失笑などではない。本気の大笑いが・・・


「俺たちを馬鹿にするのもいいかげにしろ~~~~~」


ムサイ男の1人が笑いを止め、本気で怒る。

「わしは冗談を言っておらん。本気じゃ」

真顔でその男を見据える。


「じゃあ何か、そのしおれた花は希少なのか?高く売れるとか?」

「いや、花なんぞ、どこにでも生えとる。希少価値なんぞない。」


「じゃあ新しい食べ物なのか?食った事ないぐらうまいとか?」

「確かに食べれるようじゃ。しかしうまくはないと思う。」


男は肩を震わせ、もう我慢ならんという顔でどなる!

「だから、俺たちを馬鹿にしてるのか!と聞いてるんだ!

人間のクズだから馬鹿にしてるのか!」


「わしは本気じゃ。馬鹿にしてなんぞおらん!」

男と無言のまま目を見つめ合う。

目力では負けんぞ!


「で、どういった価値があるんダスか?その花に。」

カーンが聞いてくる。

「この花の価値は・・・・・今はまだ言えん。」

「なに・・・」

初めてカーンはわしを睨む。


「あたり前じゃ、まだわしはお前等を信用しておらん。

そしてまた、お前等もわしを信用しておらん。そんな状態で秘密を

しゃべる馬鹿がどこにおる。」

「じゃあどうしろというんダスかお前は・・・」


「もうきておるのか?アイ」

《ウシロ タイキシテイマス》

そうか・・・どうやら間に合ったようじゃ。


「わしらは、お前達と信頼を結ぶ準備が出来ておる。あれをみよ!」

わしは後ろの方にいる人影に合図を送る。


すると荷車をつけたダチョウ3匹が近づいてくる。

ダチョウは主に連絡用、急を要する時が多いので、普段は荷を引かせないのだが、

それでも緊急に運びたい時など、ダチョウ用に小さい荷車を開発しておいたのじゃ。


ダチョウをひいてきたのは、リューゴス、レイク、ピチュの3人じゃ。

実は3人はわしらとは別行動として森の村に帰っていってもらったのじゃ。

その荷車には少ないながらも・・・・・・


「さあ、お前等にわしらと一緒に森の恵みを食してもらいたいのじゃ。」

どんぐりパンや、果実酒、豆、砂糖棒、魚醤などの食材を運んでもらったのじゃ。

最初から運んでいた食べ物も大分使ってしまっていたしな。

まだ出発してから3日しか出てないのに・・・・


みな、見た事ない食材に喉を鳴らす。

「さあ!このクズども!今から宴じゃ~~~~~~~!」

し~~ん、あれ盛り上がらない?

意外におまえらクズ気にしてるんだね。

っていうか信頼関係築こうというのにクズはね~だろ。

という罵声が飛ぶ。


「さあ、紳士淑女のみなさん!今から宴じゃ~~~~~~~!」

こんなところに淑女なんかいね~~だろ、紳士も!というツッコミが飛ぶ!

難しい年頃じゃなおまえらは・・・・メンドクサイぞ!


※※※※


まあ、なんやかんや言っても酒がはいれば盛り上がる。

今はもうすでに陽がくれて青い月明かりが煌々とわしらを照らしておる。


やはり、ここでもわしらの料理は大絶賛じゃ!

こんなの食べた事がない!

うますぎるるるるる~~~~のオンパレードじゃ。

こんなにうまいものがあるなら森の民に移ろうかなと言う者がいる始末じゃ。

大歓迎じゃが、もちろんこき使うぞ!

一生わしの下僕としてこき使うぞ!


カーンは大人しく1人で酒を飲んでおる。

「カーン、どうじゃ?森の食べ物は。」

「・・・悪くないダス。」


「盗賊をやめて、わしの仲間にならんか?もちろんここにおる全員じゃ。」

「・・・俺たちは盗賊ダスぜ?世間のつまはじき者ダス。」


「いや、わしはお前を信頼しておる。会った時からな・・・」

「ジイさんに俺の何がわかるダスか?」


「カーン一味には人殺しは1人もおらん。お前さんが本当の荒くれ者達は

入れんようにしておったのじゃろ?はみ出し者達を守るために。」

「・・・・・・・」


「まあ、お前がその荒くれ者どもを始末してたかどうかは聞かんが、

お前は力も、統率力もある。実力者である事には変わりないからのう。


カーンは器に入った酒をぐいっと飲み干す。

「・・・で俺たちはどうすればいいんダスか?」

「ここ6日ぐらいは、皆でこの花を集めてもらいたい。もちろんその間、

盗賊行為はしないで済むように食料はこちらで用意させてもらう。

もう手配はすませてあるのじゃ。」


「・・・・・・・・・・・」

「わし等はちょっと用事があって、この先のアルーン村に行かないといかんので、用事を済ませて帰りに寄る日数がだいたい6日ぐらいじゃ。

その時に、わしの展望を明かしたいと思う。」


「・・・・・・本当ダスか?本当にこの花は・・・・」

「ああ、わしが思うにまだ誰も手をつけておらん、一大産業になると思うぞ。

ここがその中心となるのじゃ。大げさではないぞ。6日後にすべてわかるじゃろ。」


「・・・もったいつけるジイさんダスな、わかった。引き受けるダス。」

「よろしく頼むぞ。」

わしとカーンは堅く握手をかわした。


今現在195話の素案を書き上げたんですが、ヤバイ・・

書いてる途中で笑ってしまってなかなか良く出来たのではと自画自賛。

でも、しばらく経って読み返すと「あれ、そんなに・・・」という事はよくあります。

ぜひ、読んでほしいですね。

え〜〜と1日1話ですと1月22日になりますけど・・・。

もちろんそれ意外の話もおすすめです。

その前の193話、1月20日予定も笑える話です。よろしくお願いします。

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