第158話 オムラという雑魚
そのまま、昨日は森の中でキャンプファイアーをして過ごす。
オクホラマミキサーなどして楽しく過ごすこともなく。
あっさりご飯を食べて、あっさり寝た。
そして翌日あっさり起きて、あっさり片付けて、あっさり出発じゃ。
得に何のイベントもなく、何事も無く森の中を抜ける。
今までの様に生い茂る森ではなく、だんだんと短い丈の植物が増えて来た。
そして陽の昇るころにはあたりもだんだんと開けてきて、
どんどん歩き進めると・・・・
「おおっおお、すごい・・・すごい土地じゃ。」
森を完全に抜けたのか、今わしの目の前に広がる光景は
全面畑じゃ・・・一面耕やされた畑が続く・・・
ケル地域は主食がとうもろこし(のようなもの)らしいので、今青々と茂って
おるのが、トウモロコシではないのか。
「検解」で調べていると、やっぱりとうもろこしだった。
村人も時折チラホラとみかけることは、見かけるが、
わしらを見かけると、サッと逃げるように身を隠す。
大丈夫じゃ、お嬢さん達。逃げなくてもわしがペロペロするだけじゃよ。
ペロペロ・・・・。
まあ、しょうがない・・・森の民は粗野だと知れ渡っておるのじゃからな・・
そりゃあいくらわしがイケメンだろうが誰も寄って来んわな。
そんな感じで、いくつか通った小さい村も、みな遠くからこちらを伺うだけで
誰も近づいてこない。
その日の夜も、また野宿で、あっさりご飯を食べて、あっさり寝た。
この日も何事もなく終了じゃ。
ふー早いのう、いや、ゆっくり歩いておるのじゃが、
何もイベントがなく、あっさり終わっていく。
もう2日もたった。あと3日じゃ。
この分ならもっと早く着きそうじゃな。
3日目の朝、いつものように道を進む。
そこでいつものように、小さい村の中を通ろうとしたら・・・
「おい、お前らちょっと待てよ!」
とわしらの行く手で仁王立ちする若者が声を張り上げてきた。
わしらは止まり、ダチョウ、カバから降りる。
「何じゃ、わしらに何か用か?」
「お前等、森の民だろ。俺の名前はオムラ。元森の民だ。」
「オムラだって?」
マブシが若者の顔を覗きこむ。
「あーーーっ本当だ、久しぶり!おれおれ、マブシだよ!覚えているか?」
「何じゃ、マブシ知っておるのか?」
「はい、小さい頃同じ村にいて一緒に遊んだ仲なんですけど、
一家全員で森を出ていったんですよね、確か。」
そういえば、昔ゲタンが貧しい森の民は豊かな東に憧れて、
出稼ぎに行くような事言っておったな。
「ふん、マブシか。相変わらずお前はバカそうな顔してるな。
「そうです、バカです。」
わしがフォローしておく。
「いや、ジューロー様全然フォローしてませんよ。バカを肯定してますから。」
「本当にお前のバカ面は小さい頃から変わんねーな。
それで?お前等も森を逃げだしてきたのか?」
いぶかしげに聞いてくる。
「いや、ワシ達はこの先のアルーン村へ行く途中立ち寄っただけじゃ。」
ふ~~んと言いながら、わし等全員を上から下まで汚らしいものでも見るかの様な
目でみながら話す。
「お前らのような汚い貧乏な森の民が、東の町に何の用なんだ?
いっちょ前にカバ2頭に荷車2つ、ダチョウ2羽まで連れて。
どうせ、森の民の全財産をつぎこんで買ったのだろう。」
バカにしたような顔でフンと鼻で笑う。
なかなか失礼なヤツじゃな。
森の民は貧乏だと決めつけておる。
「なに?お前喧嘩売ってるのかよ。許さねーぞ!」
カチンときたのか、マブシが不機嫌な顔をあらわにして詰め寄る。
二人睨み合う。
これは、ダチョ○倶楽部ならキスする流れじゃな・・・
まあ、もう少し様子を見るか。」
「まあまあ、落ち着かんかマブシ。オムラさんじゃったかな。
わしらはアルーン村の村長に呼ばれて行く道中じゃっただけじゃ。
それにこのカバとダチョウは森の民共通の財産じゃ。」
「ふん、森の民ならカバ2頭が限度だろうな・・貧乏人が・・・」
どうやら森の民すべての持ち物だと思ったらしい。
あと、カバ48頭、ダチョウ48話おるのだが、それは黙っていよう・・・
「みんな森の民を怖がって近づこうとしないが、元森の民の俺は
みんなに恐くないという事を身をもって教えてやるのさ、これから!」
ほう、口は悪いが良いヤツではないか。
率先してわしらの誤解を解いてくれようとしていたのか。
「くっくくく、俺が今からお前達をケチョンケチョンにぶちのめして
地面にはいつくばらせやるからな。」
嫌らしい笑みを浮かべる。
こいつ絶対、この村で嫌われておるじゃろう。
「な、何でそんな事をするのじゃ。ジジイや、女・子どももいるのに・・・」
わしがちょっと演技で弱々しい姿をみせる。
「簡単な事だよ。村のみんなに俺の強いところを見せ、尊敬を集める。
尊敬を集めれば、最近下降気味だった俺の好感度が一気にあがるだろ?
人気取りの駒だよ、お前等は」
うわ~~こいつ本当にみんなに嫌われておるんじゃな。
そりゃあこんな暗い事を思いつく奴だもの・・・嫌われるわな・・・
よし、こうなったら・・
「まっ待ってくれ・・・この年寄りからお前さんに
1つ言ってよいかのう?」
「なんだ、説教か?ふん、聞く耳もたねーが、ジジイをやる前に
聞くだけ聞いてやってもいいぞ。何だ、言って見ろ。」
「・・・今頃言うのもなんじゃが・・・・あの・・・・・
ケチョンケチョンって何じゃ?」
みな意表をつかれたからか「へっ」って顔してわしを見る。
「今どきケチョンケチョンってワロスwwwwwww」
わしは力いっぱい馬鹿にしてやった!




