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第16話 副族長のススメ

 「わたじは、あなたがぼしい〜〜〜〜」

 と叫び、にじりよってくる族長に、少し後ずさりをして間合いをとると、近くの茂みから2人が飛び出してきた。

 

 セレブさんとセイムさんだ。


 セイムさんが後ろから族長の両足を抱きかかえ、セレブさんが族長の上半身を羽交い締めにする。


 「ジューローさん、早くお逃げください」


 「ジューローさん、旦那は私の悩殺ボディーでメロメロにさせますからお早やく!」

 いや、セレブさんはそんなにダイナマイトボディーでは…ちょっと、というかかなり貧弱…いやスレンダー…スレンダラーですよ。などと失礼な事を思っていると…


 「ちがっ誤解だ…ぐっぐうう」

 と声をふりしぼろうとする前に妻のチョークスリーパーでガックっと首が落ちた。


 おい族長の妻セレブよ! 悩殺ボディーはどうなった。

 最初っから仕留める気まんまんじゃないか…


 族長の扱い軽いな…


※※※※※


 上がり症な族長はつい緊張のあまり、息が乱れがちになってしまったが全然、男色の毛はないとのこと。

 まあわかってはいたけどね。


 冒頭の「あなたが欲しい」というのはわしにネル族の副族長になってくれませんかという意らしい。わかるかい!


 昨日合ったばかりの妻や、セイム、子どもたちが慕うカリスマ性を見込んでの事らしい。

 また、ふがいなく、威厳もない自分を副族長の立場から支えてくれないかとの思惑もあったらしい。


 初めて会うわしにそこまで見込んでくれるのはうれしいのじゃが…

 わしは森の民全体の族長の座を狙って暗躍し、ゆくゆくは森の民の美しい女性限定ハーレムを…


 ……すみません。調子にのりました、ジョークです。


 わしはまだこの世界に来て1日しかたっていなくとも、慕ってくれる子どもたちの為に、森の民の一員として役立ちたいと思う。

 わしの今まで経験した知識が役立つなら、森の民のために…という思いもある。


 「…わかりました。こんなわしでよければ期間限定で副族長を務めさせてもらいます。スブム族長、これからよろしくお願いします。」


 と手を差し出すと、握手の習慣などないだろうにその片手を両手で覆い、力強くにぎりしめてくれた。


 「ありがとうございます。これから私を含む…いや、主に私に重点をおいて、森の民の人生まるごと、ゆりかごから墓場までよろしくお願いします」と深々頭を下げた。


 おいいいい〜〜重いよ。族長重いよ。そんな漬物石100個分ぐらい載せられても重いよ、わし。

 期間限定って言っておいたでしょ。さりげなく自分を最初にもってくるなよ。


 そんなわしと族長を生温かく見守る妻セレブとセイム。


 段取り通りじゃないよね?まさかみんなグル? 


 そんなやり取りを森の奥の木の間からじ〜〜とみる4等身の影が…


 呪い師のカカカじゃね?あっ手に細長い棒持ってる。あのやろ〜朝一で確認にきやがったな。

 族長が元気なのを見てロコツに残念そうな顔をして、こっそり帰ろうとするも、急にズボッて下に落ちるように消えた。

 まるで落し穴に落ちたかのような消え方をした。


 天罰や!


 とも思いつつ、あいつはあいつなりに、良かれと思ってただ仕事を淡々とこなしていたであろうだけだから、恨むのはお門違いか…。


 しょうがない、後から覚えていたら助けてやろうか。


 そう思い、みんなで談笑してたら、

 「族長〜〜〜、セレブさん〜〜」と声が聞こえてきた。


 昨日族長が倒れた事をセイムさんに伝えた小太りな女の人が現れた。また息をぜーぜーと乱している。

 「ぜーぜーいま、族長のぜーーっっっは家に・・・」乱れ乱れ話した内容に一同に緊張が走る。


 「来たか・・」


 族長が小さな声でつぶやいた。


ちなみにこの小太りな女性は名前はありません。

ゼーゼーさんという安易な名前を思いついたが

この先も特に急ぎを伝えにくるという以外出番なしです。


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