第153話 ミチのクマ2
真夜中にクマと対峙。
くまさんの言うことにゃ、お嬢さん「おにげなさい」スタコラサッササノサ~~~~スタコラサッササノサ~~~
「おい、帰るなよ。ミチ、どさくさにまぎれて帰るなよ。」
帰ろうとしたクマさんこと憑依したミチの毛深い肩を掴んでひきとめる。
「ほんのジョークです。」
いや、そんな憑依したクマに真顔で言われても・・・こわっ
で、前回の話しはなんじゃったかな・・・
確か確率無視のジャンケンだけに特化した能力の少女ピチュ。
その異名が“神を左手に宿す少女”ということでわしは、
左手さえ封じれば勝てる!っていう勝手な思い込みで
右手でジャンケンをして勝った→ドヤ顔
が右手も左手も全然関係ない→赤面級の勘違い
っていう話しじゃったな。
「それでわしに伝えたい事っていうのは?」
「ああ、そうそう、前回でひっぱったものだから
忘れちゃったじゃない。まったくジューローのせいよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・
「重力変換200%」ボソッ
キュイイイイインン
ベチャ
「いやあああああああああああ」
クマが・・いやクマに憑依したミチ地ベタにはいつくばる。
「・・・・クマ鍋にすんぞ!こらっ!」
クマの頭の毛を掴んで上に引き上げる。
「す、すみません、調子にのりました。」
素直に謝るクマ。
「20万pt追加だぞこら!絶対じゃぞ!」
「何気にpt要求してる~~~~~~~~~。」
合計40万10pt受け取って解放した。
「・・・つまり前回のレベルアップした時と共に運もレベルアップしてるわけ。
例えば相撲の横綱に対して一般の60代のおじいちゃんが勝てると思う?
例えばAKB48に一般の60代のおばあちゃんが加入できると思う?
例えばチョコボールの金のエンゼルを1発で当てれると思う?
そのありえない確率を覆したのよ、あなたは!あなたの運で!
ただの強運では説明がつかないのよ。」
「いや、最後だけは誰でも出来そうじゃけど・・・」
クマの目が一瞬赤く光り、鋭い爪をわしののど元に突き刺す。
じわっとわしの赤い血が胸もとまでしたたり流れる。
「なめてんのかジジイ。おーーっ誰でも出来そうだって?
おまえ金のエンゼルなめてんのか?」
「えっ別に舐めてないのじゃ・・舐めてないです。」
「のど刺すぞ!」
「いや、もう血流れてますや・・・いえ何でもないです。」
「確かに銀のエンゼルは25箱に1つの確率や、
だけどな金のエンゼルは1500~2000個に1つの確率なんやで!マメや、覚えとけ」
「いや、確率は凄くても、金も銀も当てた人にとっては1発じゃないのかな~~と
そんな事思ったもんですから・・・爪引っ込めてもらっていいですか?」
「マイナス30万10ptや、ええな。」
残り10万ptを残して、ミチは爪を引っ込めた。
「とにかくそれぐらいすごい!っていう話や、ジューローも実感ないか?」
「そういえば・・・・昨日痛かったヒザが1晩寝たら全然痛くなかったりとか、
眼精疲労からくる頭痛が1晩寝たら全然痛くなかったりとか、
ご飯食べた後胸焼けするな~~と思って1晩寝たら全然痛くなかったりとか・・・
意外にいっぱいあるのじゃ!」
「全然ちが~~~~う!それじゃな~~~い!
強運でもなんでもないよそれ、だいたい1晩寝たら治るって・・
たぶんそれ自然治癒力だよ・・・だれでも持ってる能力だよ。自然治癒力。」
「日常ではそんな強運を感じることはないのじゃ・・・
あえていうなら
わしがこの世界に飛ばされた事。
初めにセイムさんと出会って拾われ・・・」
「いや、それ2話前の第151話のエンディングで聞いたからええわ。
そんなこと2回も言わんでええわ。」
※※※※
「と、いうことで私はこれで帰るけど、また、ちょくちょく顔出すから。」
「いや、もういいですわ。お腹いっぱいじゃからいいですわ。」
「いや、ラノベ展開になってきたらすかさずチャチいれにくるからwwww」
「いやいやいや、わしの夢を邪魔するなよ、ミチ」
「それじゃーまたね~~~ジューロー」
バタっとクマが倒れた。
しばらくすると、クマが目を覚まし慌てふためいて2足歩行で森に帰っていった。
壊れた玄関の扉の粉々に砕けちった残骸にたたずむわしを残して、森に帰っていった。
ミチが壊したんじゃけど・・・。直して帰れよな、アイツ。
※※※※
新森の民の村よりのとある森の中―――――
樹齢1000年は超えるであろう大きな大木のあたりに生える茂みは
大の大人もすっぽり隠れてしまえるような深い茂みだ・・・
そこは日中でも薄暗くあまり人通りもないような場所だ・・・
「うっ・・・・ううう、たったすけ・・・」
ドカッ、
うめく男の頭を蹴り上げる・・・
頭を蹴りあげられた男は沈黙する・・
あたりを見渡せばその男だけでなく6、7人が
頭、腕、足から血を流し倒れている。
だれも身動きしない・・・
そんな倒れた男たちを見下しながら息を荒らす男が一人暗闇で大木を背にもたれかかっている。
時間の経過と共に、荒かった呼吸も整い、男は一度大きく深呼吸をして大木から背を離した。
吹いた風によりざわめいた木々の間からほんの少しだけ青い月の光がもれる。
その男は―リューゴスだった・・・
月のあかりのせいか顔は笑っているように見える。
そしてまた辺りは薄暗くなり静寂に包まれた・・・
男は歩き出す・・新しい森の民の村の方向へ
いや~~実は自分も一時期チョコボールにはまっていたことがありまして
毎日食べていた時ありましたね。懐かしいです。
自慢ですが、自分は1回だけ金のエンゼルが出た事があります。
ものすごくうれしくて写メ撮ってみんなに自慢しましたもん。
オークションではその当時1個2,000円ぐらいで取引されてましたね。
今は・・・3,000円ぐらいだけど、誰も取引してないじゃん!
「金のエンゼル確率」で検索するとみなさん結構頑張っています。
すごいでね~~




