表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/262

第151話 神の左手2

神を左手に宿す少女が誕生したと聞きつけて現場に野次馬で押し掛けた、

ゲタン、セコス、リューゴス、マブシのいい大人の5人。


まあまあ太った少女ピチュに切れた、ジューローが無謀にもジャンケンで勝負を挑む。


果たして連戦連勝、1度も負けたことがない“神を左手”に勝つスベは

あるのかジューロー。ちゃんと考えたか? 大丈夫か作者?の続きです。

それではどーーーーーーぞ!!


「はん、で、何を賭けるんだい。ジューロー様程ならものすごいもの賭けて

くれそうじゃないかい。」


「お前が勝ったら、今まで森の民が食べた事のない料理を作ってやろう。

それはとある国で王にも献上された事があるといわれる高貴なる黄金の肉汁

“はんばーぐ”という料理じゃ。1口噛むたびに広がる重厚な脂身の旨み

ジュン!ジュワ~~~~な料理じゃ。

しかもわしはスッパじゃ。ぶらぶらじゃよ、ふっふふふふ。」


「ジュン!ジュワ~~~~だと!何だそのデブが反応する甘美な響き・・・

ジュン!ジュワジュン!ジュワジュン!ジュワ」

ピチュはよだれをたらしながら甘美な響きを反芻する・・・

わしのスッパのくだりは無視じゃ!

赤面しながらも精一杯言い切ったぶらぶらも、なかったことに・・・


「よし、やろう!今すぐやろうジュン!」


「おいおい、気が早いのう。まだ、わしが勝った時の条件を話してないぞ。」


「ふん、必要ない。私が負けるはずないからな。まあ一応聞いてやるジュン。」

・・・反芻しすぎて語尾にジュン付いてるじゃないか・・まあいいけど


「わしが勝ったら、ある新薬・・の実験になってもらいたい。

お前さんのような太った奴にうってつけの実験なのじゃ。ブフフフフ。」


「何でもいいわよ。負けるはずがないからねジュン。」


「それでは、対戦方法はコチラがゲタン、セコス、リューゴス、マブシ、わしの5人と

お主の勝負でどうじゃ。お主が本当に強いのか確かめてみたいしな。」


「ふん、全然構わないわ。何人きても関係ない、受けてたつジュン!」


わしらはいい大人5人で、15歳のピチュ1人と対峙した。

この世界では「大人げない」なんて言葉はないのじゃ。

“ものすんごい大人げない”この言葉しかないのじゃ。

わしらを白い目で見守る観衆全員の共通の思いなのじゃ。


ああ、大人げないさ!だが、相手は神の左手、それぐらいのハンデはもらわんとな。


「じゃんけんポン」「ぐわあああああ」

「じゃんけんポン」「マジか・・・・」

「じゃんけんポン」「・・・・くそっ」

「じゃんけんポン」「うそ~~~んん」


4人が瞬殺されていく。あいこもなしとは・・・


「あっさり負けおってクズが!」という目で4人を睨むも

「じゃあ、お前もやってみろ!負けるぞ!」といわんばかりの

目で睨み返された。


「ふふふふ、本当にやるもんじゃなピチュ。噂どうりじゃ。」

「あっけないわね~~全然手応えないジュン!

まあジャンケンで手応え感じたことないんだけどね~~~~ジュン!

さあ、あなたの髪の毛もむしりとってあげるわ。毛無いけどねあはははははジュン!」


このくされ女・・・わしに禁句の髪ネタでいじってくるとは・・死んだのう。お前さん。

これでもくらえええええええええええいいいいいいいいいいいい。


「あっこれ、お土産じゃ。砂糖棒、はい。」

長さ30cmくらいある砂糖を溶かして固め直した飴のような棒状のお菓子を

ピチュの左手・・へ渡した。


そこへすかさずわしが、しかける

「じゃんけんポン」

「えっ」ピチュはとっさに右手・・でじゃんけんを突き出す。


わしはパー・・・・・・・・・・・

ピチュは・・・・・・・・・・・グー


「わしの勝ちじゃ~~~~~~~~~~~~~~~!!」


うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

廻りが信じられないといった驚きと

無敗のピチュに勝ったという歓声が交じり合ったような

大歓声で廻りを異様な熱気に包み込んだ・・・


「えっええっ、うそ、・・そんな。」

ピチュも信じられないといった顔で目をまん丸にひんむいて

驚いておる。


わしは勝ち誇った顔でピチュに言い放つ

「それでは、約束を守ってもらうぞ。そうだな明日以降

毎日ゲタンの家に来るんじゃぞ。ダッシュでのう・・」


うなだれた少女を余所にわしら一行は興奮覚めやらずといった現地を後にし、

ゲタンの家へと帰る。


その帰り道、皆が

「それにしても、まさかジューローが勝つとはな~~」

「おれも絶対負けると思ってましたよ、ジューロー殿が」

「っていうかやっぱり、嘘だったのか、あの噂は」

「・・・・・・なんで勝てた?」


「お前等も分かってなかったのか?やれやれいちいち教えてやらんと

いかんとは、ほんとにグズでのろまなダッフンばかりじゃな。

あ~~くさっ、う~~~くさっ」


「腹たつわ~~~~」

「そうですクズです。だから教えてくださいジューロー殿」

・・・マブシいさぎいのう。よし教えてやろう。


「ピチュは本物じゃよ。本物の“神を左手に宿す少女”じゃ」

ぽか~~~んとする4人。何じゃまだわからんのか?


「わしがジャンケンをしたのは右手のピチュじゃ」


「「「「ああああああ~~~~~なるほど」」」」」


「左手を封じるために砂糖棒を左手・・に渡したのじゃ。わかったか?」

「頭いいなあジューロー」

ゲタンが頭をバシバシ叩いてくる。

あまり叩き過ぎて毛根無くなるわ!


「いや、だからといって勝てるかどうかは3分の1じゃけどな。

勝てる確率が0から33%に上がっただけで・・あとは運じゃ。」


「まあ、ジューローは運だけは強いからなガハハハ」

「そうです、最強ですジューロー殿」

「まあ、そうだな。」

「・・・・・・以下同文」


運か・・・・そうじゃな。

わしがこの世界に飛ばされた事。

初めにセイムさんと出会って拾われた事。

森の皆と毎日楽しく仲良くやれている事。

そのすべてが強運じゃ。


いままでの幸運を感謝しつつ、これからの幸運も星に願うのじゃ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ