表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
150/262

第148話 親衛隊の争い

前回セイムさん、エメリさんと一緒に昼ごはんを食べようとした時に

リューゴスに連れ去られたわしじゃったが、

実は、あの後とんでもない事に巻き込まれておったのじゃ・・・



「何じゃリューゴス。何があったのじゃ?」

「・・・・ついてくればわかる。」


しばらくリューゴスに付いて歩くと、家を建てる予定地に森の男衆達が

集まってなにやらもめているっぽい。

少し離れたところにゲタンが待っておる。


「おお、ジューローやっと来たか。待っておったぞ。」

ゲタンが腕を組みながら、眉間にシワを寄せて声をかけてきた。


「何じゃ、なにがあったのじゃ?。」

「ああ、それなんだが・・・厄介な事だ・・・。」

ゲタンがアゴで集まっている男達を見ろと合図した。


もめている男衆達は約50人ぐらいかのう。

みんなもみくちゃじゃ。罵詈雑言が聞こえるが時折

(セイム・・・・)(エメリさんの・・・・)

とか交ざって聞こえてくる。


「どういう事じゃこれは?」

「実はのう・・・厄介なことだが・・・・

みんなエメリ家、セイム家の家の隣に自分達の家を建てたがって困ってるのだ。」


「は?」


「あれはみな、セイム親衛隊とエメリ親衛隊の男達じゃ。」


「へ?」


「だからジューローに、うまく皆をおさめる何かいいアイデアがないかと思って

急遽リューゴスに呼びに行ってもらったのじゃ。」


結構いるなこれ。大の大人50人が本気の罵り合いの場というのは

見ていて圧巻というか、怖いものがあるな・・こりゃ・・。


「これでもまだ、1部らしい・・」

いったい何人いるのじゃ親衛隊は・・・


エメリさん、セイムさんを主として部族が作れるんじゃないか?

その場合誰とも結婚出来ずに老いていくしかないがのう・・。

仮にその中の1人と結婚できたとしても、即、部族解散じゃ!


まあ、この親衛隊もエメリさん、セイムさん非公認じゃから

別に気を使わずに好きな人と結ばれて欲しいのじゃが・・・・

もし、誰かと付き合ってもコイツ等邪魔しそうじゃけどな・・。


わしだったら問題なくすぐに付き合えるというか2人と結婚できるのじゃけどな・・

重力で潰すよ♡ みんなぺしゃんこにしちゃうよ♡

・・・どこが問題なくじゃ・・・


「こんなもん、族長権限で一喝してやればおさまるんじゃね?」

「出来ん事もないが、それでは何も解決したことにはならんだろ。」


「ん~~確かに。だがこれは解決できるのか?」

「このまま放ったらかしにしておけば、そのうち大乱闘に発展して

血をみることになってしまうぞ。

だからこそジジイにアイデアないのかと聞いてる。」


男達をみると何人か見た事もある奴がおるのう。

へべれけヨコチン相撲にわしに襲いかかってきた奴とか。

えっアイツエメリさんの親衛隊だったのか?とか

新しい発見もあったりもしたのじゃ。

そんなわしを

(なに悠長に眺めてんだ!早く解決しろよジジイ!)

といった目を向けてくるゲタンとリューゴス。


お前ら・・・


ん~~~あれしかないかのう。

でもな~~とっておきだったのにな~~。

しかしこれしかないじゃろうな~~

いやしかし、でも、だけれどもよ。


「「はよやれよ」」

ぐだぐだしてたら、2人につっこまれました。


「わかった、わかった」

わしはしぶしぶ男達の前へしゃしゃり出た。


わしの姿を見るなり、男たちは

今、眼前で罵り合っていた男達と共に、いきなりわしに敵意を向けてきた。

「なにしにきやがったこのジジイ」

「いつもさりげなくエメリさんの隣にいやがって」

「セイム塩を持っているらしいぞ」

「お前のケツを掘ってやろうか」

などとものすごい罵倒じゃ。

あまりにも不人気すぎて泣けてくる。

ケツはやめろ!


森の民に慕われておると思っておったのに・・・わし。

本当は陰でみんなわしの悪口を言っておるのでわ・・・

ちょっと涙目でゲタン、リューゴスを見ると・・・


めっちゃ笑っておる。大爆笑じゃ。

あいつら・・・このブロークンハートに塩を塗りおって。


まあ、とにかく話しを聞いてもらわないかんのじゃ。

なだめるしかない・・・

「お前等、落ち着けこんな、わいのわいの言われたら訳がわからん。

一人代表で出てきてどうしてこうなったか説明してくれんか?」


それを聞いてエメリ派、セイム派から一人づつ代表が前に歩んできたと思ったら

「ジジイ、セイムさんの半径10m以内に近づくな。息がくせーんだよ。」

「エメリさんにS発言を重点的に浴びさせられやがって・・

俺の下の毛、お前のハゲ頭に植毛してウエーブさせるぞ!」


・・・・・・・・・・・

「だれがわしの悪口を言えといった!」

2人にドロップキックしてやったわい。

倒れた所をジャーマンスープレックスホールドで8カウントとってやたわい。


「どうしてこうなったか言えといっておるのに。」

さっきのジャーマンスープレックスホールドが効いたのか、

皆おとなしくなった。


それぞれの代表者が各々の意見を好き勝手に言い始める。

周りもそれに合わせてまたヒートアップして

先ほどの繰り返しじゃ。エンドレスじゃ。


結局もめている内容はこうじゃ。

セイムさん家族の家、エメリさん家族の家の候補地が決まった。

しかし問題は誰がこの家の近所に家を建てられるかが問題になった。


家が近所→無理矢理幼なじみ設定→野球で甲子園へ→結婚


という途中、タツヤとミナミの設定が入ったが

男衆の中ではそういった短絡な妄想が蔓延しておるのじゃ。


まあ、あながち間違いではない・・・

近所になれば、それだけ付き合い、出会いの機会が増えるわけじゃからのう。


セイムさんの家を四方八方固めれば8家族が近所になるな・・・

エメリさんの家と合わせて16家族に権利が・・・・

・・・・・・・・・・・・

すんごい迷惑じゃ。

周りをストーカーに囲まれておっては息をつく暇もないわい。

生活音も気になってノイローゼになるわ!


などと考えておったら、

その親衛隊の中からもうラチが明かないと言う事で

半ば投げやりな意見が出た。

「こんな所で話してたってしょうがない。こうなったら本人に聞こうぜ。

直接となりを選んでもらうんだ!。今どこにいるんだエメリさん、セイムさんは!」


わしは血のけが引いた。

まるで引き潮の時のように血が引いた。


なぜなら今わしの家におるのじゃ。

エメリさんも、セイムさんも・・・・

2人とも・・・・・


やばい・・・そんな事が知れたら

ぬっ殺される・・・・・

ただ殺されるんじゃないぞ・・・

ぬっ殺されるんじゃ・・・・


まだ下の毛を頭に植毛されるほうがマシじゃ!


みんなヤケクソで同調しだした!

みんなで行こう!今スグ行こう!みたいな雰囲気になってきよおった・・


わしが青い顔で助けを請うようにゲタン、リューゴスを見ると・・・

・・・・・・・

大爆笑じゃ・・腹をかかえて転げ回っておる。

・・・・・・・

あとであいつ等、ぬっ殺す!!





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ