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第15話 族長スブム

今回は短めです。

 早くに目が覚めてしまった。まだ4時か5時ぐらいだろうか。


 扉の間からさわやかなオレンジ色の明かりが差し込んできた。


 起き上がって扉に手をかけようとしたとたんに、それよりも早く扉が開け放たれた!

 不幸な事に、いきおいよく開かれた扉がバウンドして開け放った男の後頭部に直撃して、わしの目の前につっぷした。顔から落ちた、ベチャッと。


 3秒の沈黙の後がばっと起き上がってまるで痛くありません、予定通りですといわんばかりの顔で…血だらけの顔で、

 「仙人さま、ありがとうございました。昨日の高熱がうそのように1晩で下がりました。こんな1日で治る事などいままでなかったのに、仙人さまの薬のおかげでございます。」


 族長のスブムだった。

 「もう、いてもたってもいられなくなり、失礼ですが、寝込みを襲ってでも一言お礼をしなければと思い駆けつけました。」


 …寝込みを襲おうとするなよ。おっさん。やっぱり薬を飲んだ事ないから

効き目が早かったのだろうか?薬の効き目はこれからの課題だな。


 「とにかく熱が下がってよかったですな。家族もひと安心じゃろう。」

 よくみると後ろにものすんごく眠そうなセレブさんとセイムさんがぼーっと立ち尽くしていた。


 あ〜無理矢理起こされて、わしの事を聞き出されたんじゃろうな。


 「目覚ましついでに、この辺りを散歩しませんかの?ついでに色々聞きたいこともありますし。」とわしがスブムを誘った。

 「ええ、いいですとも。ぜひご一緒させてください」


※※※※※


 朝方ということもあってすごく清々しい。森の中はひんやりというか少し肌寒いくらいだった。

 2人で森の中を歩きながら、わしはこの世界の事を色々と聞いてみた。


 この世界というか森の民の話なんじゃが、四季という概念は無いようじゃ。年中同じ気候らしい。日本でいうと夏の直前とうい感じかな。1年、月という単位もないが、じゃあ歳は?というとだいたい300日でというアバウトな考えだった。毎日、日が出れば起きて、日が沈めば休むという生活を先祖代々してきたらしい。

 人間らしい暮らしぶりに非常に好感がもてた。


 スブムが族長というのも世襲性でしかたなく自分に番が回ってきたとの事。

 自分よりも、たくましく有能な民がいるのに…

 自分よりも、頭のいい賢い有能な民がいるのに…常に葛藤との戦いだと。自分では無理だという思いもあるが族長としてネル地域に住まう民をよりよく導かねばと。


 そんないい話しを聞いてしばらくの沈黙。


 スブムの息づかいがだんだん荒くなってきた。

 「んふーっ、んふーっ」


 なんだなんだ、目が血走っておるぞ。わし怖い…


 スブムがわしの肩をガッと両手でガッシリと強く掴み、わしに向かって叫ぶ!

 「わたじは、あなたがぼしい〜〜〜〜」


 わしジジイだけどもよ。マニアックやね。

 などと思う余裕はない…


※15話まで手直ししました。これから順に200話まで手を入れて行くつもりですので、よろしくお願いします。

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