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第146話 新築の家

今、森の民はネル族…スブムやセコス、セイムさんのいる地域と、

ヌル族…ゲタン、ジョコ、エメリさんのいる地域を統一しようという事で

王城寄りの中間地点に新しい村を建設しておる。


だいぶ長いことかかっておるが、住む所を作る意外にも

やることがてんこ盛りじゃからそんなに簡単に10話、20話ぐらいで引っ越せん。


まず農地じゃ、森を切り開いて、畑を耕し農作物を育て

毎年一定量を確保しなければならん。


また、畑にひく水や治水を考えて施工しなければならんし、

森のどんぐり、木の実、砂糖の木なんかも、10年20年と先を見据えて

寄せかえや、接ぎ木、植樹なども行って増やしていかないといけないんじゃ。


とにかく、地道にやっておる。

だからそんな時にジョコを励ます会なんぞやってはおられんのじゃ!

・・・まだ怒られたショックがひきずっておるのじゃ。


そんな傷心なわしを慰めてもらおうと

新しいわしの家にセイムさんを招待したのじゃ。


ラ・メーンとの戦いに負傷したジョコがいなくなっても

わしの家を最優先に作ってくれた森の民に感謝なのじゃ。


そんなわけでわしは今、うきうきなのじゃ。

この新築にセイムさんが来てくれると思うだけで

幸せな気持ちになるのじゃ。


は~~~~イチャツキたい。

嫁にしたいのう。

あああ、久しぶりに妄想劇場が~~~


======================

「何してるのじゃ。」

「あっだめ、今料理してるんだから」


「セイムは料理上手じゃからな~わしもみんなに幸せ太りだね

って言われるわい。」

「いつも、おいしいおいしいって食べてくれるから

ついつい作りすぎちゃう。ごめんね♥」


「よいよい、セイムのなら何でも食べちゃうぞ!

何なら今すぐセイムを食べちゃうぞ!」

「きゃっ、だめ~~~~。」


「セイム・・ごはんをくれんか・・・・」

「スブム父さんはさっき食べたばかりでしょ。

もう!またぼけちゃって。」

======================


2世帯か!2世帯住居なのか!

なぜわしの新居にスブムまで一緒に住んでいるのじゃ。

許さん。わしは結婚してすぐは2人きりで生活して

後々親の面倒を見る派なのじゃ。


あっまた妄想劇場が~~~始まるのじゃ~~


======================

「セイム、早くおいでよ~~ちょうどいい湯じゃよ」

「ごめ~ん、今洗い物片付けてる方もうちょっと待って」


「はっやっく、はっやっく、もう待ちきれないんじゃ。」

「もう、せっかちなんだから」


「毎日の楽しみなんじゃ、セイムと一緒にお風呂に入るのは。

 1日お疲れなんぞすぐにふっとぶからのう。」

「お待たせ~~、今から準備するから、待っててね♥」


「もう、準備なんていいのじゃ、飛び込んでくるのじゃ、そのまま」

「もう、おとなしく待ってて。」


「セイム・・ごはんをくれんか・・・・」

「さっき食べたばかりでしょ。何回言えば済むの。」

======================


2世帯か!やっぱり2世帯住居なのか!

スブムの野郎!邪魔しやがって許さん!今度あったら殴ってやる!

スブムとばっちり!


などと妄想しておったら、入口で戸をたたく音がした。

喜びいさんでわしは飛び出した。


「セイムさん早かったのう、わしはもう待ちくたびれて待ちくたびれて・・・・

 あれ、エメリさん。」


「・・・セイムじゃなくて悪かったな。久しぶり。ちょっとあがるぜ。」

エメリさんがわしの新築の家に入っていく。


どうしたのじゃろうか?


だがエメリさんは相変わらず性格はキツイが可愛いのう。

は~~~~イチャツキたい。

嫁にしたいのう。

あああ、また妄想劇場が~~~


======================

「エメリ、もう結婚したんじゃからデレてくれんか?」

「なっ、デレルって何だよ。優しくしてやってるだろ。」


「ん~~なんというか、もっと甘えてほしいのじゃ。

2人きりの時はもっと甘えてほしいのじゃ!。」

「うっうう、甘えるって・・そんな恥ずかしい事出来るかよ。」


「ええええ夫婦なのに~~甘えたい甘えたい~~~~」

「お前が甘えてるんじゃん。」

ペシっとわしのおでこを叩く。


お互い目を見合ってクスクスと笑い合う・・・・


「エメリ・・ごはんをくれんか・・・・」

======================


おい、スブムもう2世帯でも何でもないなお前。

単なる居候だぞ、お前。

それに、何回ごはん食べるんだお前!


いかんいかん、つい妄想にふけってしまった。

しかしスブムは後で殴ってやる!


エメリさんの後を追い家の中に入ろうとすると


「あっジューロー様、今日はお招きいただきありがとうございます」

後ろから今来たセイムさんに声をかけられた。


ドキッとした。


何じゃろう、何も悪い事はしていないのに

このばつの悪さは・・・・

セイムさん、エメリさん2人を好きだという罪悪感じゃろうか。

その2人がまさか、自分の家で鉢合わせになった

気まずさじゃろうか・・・


べ、別に二股とかじゃないし。

いや二股じゃけど付き合ってないし。


こういうときはとりあえず・・・

「セイム・・ごはんをくれんか・・・・」

「は?」

言ってみただけです。




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