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第145話 励ます会

「第1回ジョコくんを励ます会」開催~~~~~~~。

わ~~~パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ


「大勢の方からの拍手ありがとうございます。」


「えっなになに、これ、何ですか?ジューロー殿とみんな・・」

ジョコは横になりながらも戸惑いを隠せない・・


わしは今、ジョコの家に来ておる。

前回に引き続きジョコの家にみんなと来ておる。

いま、ぽっちゃり嫁は外出しておるらしい。


「いや、ジョコも寝たきりでつまらんじゃろうと思ってのう、

みんなでお前を励ますために集まったのじゃ。」


「ああ、それはありがたいのですが・・・」


「集え精鋭たちよ。それではトップバッターどうぞ!。」

ジョコを無視して1人目を呼び込む


「わ~~初めましてお初です。今日は名前だけでも

覚えて帰ってもらおう・・・・・・・・・・・」

えんえんと漫談が続くもジョコはピクリとせん。


「はい、ありがとうございました。

なかなかツボをおさえていたのですが、ピクリともしないということで。」


「いや、ちょっとジューロー殿?

わたしお腹切ってるよ!笑ったり、激しい運動すると

お腹の傷、開イチャウヨ~~~。だから安静、OK?」

ジョコなんでカタコトになってるねん。


「わしは、お前を楽しませたいのじゃ。」


「いや、だからオレ、イマ、笑ってダメ!OK?」


「はい、次の人どうぞ~~~~~」


次の人は裸で胸と股間を隠して小走りで出てきた。


「ブ~~~~終了~~~~。最近、裸ネタが多過ぎるから

裸じゃないネタでお願いします。

あとオナラネタの人も退場~~~~。」


みんな顔を見合わせた後、半分以上が出ていく。

どんだけ裸ネタに偏ってるんだよ、森の民。


くさっ、くっさ~~~~~~。

だれか帰り際に全力で残り屁をかまして行きやがったな・・・

我慢しきれなかったのか、それとも嫌がらせ、抗議のための

怒りのすかしっぺなのか・・・いまではそれを知るよしもない・・・


「12番 鼻で豆を飛ばします。 ふん!」

飛ばした豆を拾って食う。エコじゃ。


だんだん体をはった芸も増えてきたのう。

まあ、お笑いの基本じゃけどな。


単純に見てておもしろいが、ジョコは笑わない。

必至でこらえておるな、ジョコ。さすがお笑いに厳しい男じゃ。


「まさか、わしに出番が回って来ようとはのう、

いくぞリューゴス!」


「はい。」


2人立ち上がってジョコの前に向き合う。

わしは服を脱ぎ上半身裸になる。


その上半身には墨で顔が書いてあるのじゃが、

まあこんなものでは笑わんじゃろう、小手調べじゃ。


「それでは最後の出し物じゃ。

今からリューゴスが、棒でわしに打ちつける。

それを鋼の筋肉を持つ男こと、このわしが何度も何度もはね返すのじゃ。」


周りからの歓声があがる。


「何度も何度もじゃ、さあこい!」

わしのかけ声を聞いて、リューゴスが細長い棒を

打ち付ける!

ビシっビシっビシッ


「いたっ、イタイ、痛~~~~~~い。」

ガッツリ攻撃を受けるわし。

どこが鋼の筋肉を持つ男やねん!という技じゃ!


痛い!と声をあげるたびに、体に書いてある顔が歪む!

みな、大爆笑じゃ。

いい感じで仕上がっとる!


・・・・ちょっとリューゴス君、手加減してくれない?

めっちゃ腫れ上がってるんだけど。


ふとジョコを見たらぷるぷるしだした。


ぷるぷる→ぶるぶるし出したと思ったら


「ぶふぉーーーーーっっ、ちょジューロー殿、やめ、やめて~~~」

とたまらず吹き出した。


勝った。またしても勝ってしもうた。

敗北を知りたい・・・


などとしつこくリューゴスに打たれながら勝利に酔っていると。


「ぐわっっ、いたたたたったたたたたた」

とジョコが苦しみだした。


開いたのか?開いてもうたのか?と心配で近寄ろうとしたら・・


「なにやってんの~~~~~~~~あなたたたちは~~~~~~~~~~」

と後ろからどなり声が・・・


振り向くとそこには・・・・鬼じゃ!鬼が立っておった。

鬼嫁が帰ってきたのじゃ。


あっずるい、みんな。

影の薄いまわりのやつらはこっそり帰っていきよおった。

リューゴスなんかキケンを察知して窓から逃げた。


1人だけロックオンされたわし。


「病人の前で何やってんだって聞いてるんだけど。あん?」

めっちゃ顔近くでメンチきってくる。もう3cmもないのじゃ隙間が。

それぐらい近いのじゃ顔が。


「えっと、その、ジョコ君を励まそうかなと、思ったんじゃけど・・」

「は~~~?励ます?励ますために来たのかお前。

 こんな、体に顔まで書いて来てよ、ん?」


と言いながら、わしの目に扮した乳首を激しく弾いてくる。

地味に痛いっす。されるがままじゃ。


「こんなしょ~~~もない芸しやがってよ。腹芸か?ん?。」

執拗に乳首を激しくつまんでくる。痛いっす。


「いや、みんなに相談したら受けるっ絶対受けるって言われたのでやりました。」

「それで? それでうちの主人の傷口が広がってたら世話ないわな?あん?。」

「ちょっとはしゃぎ過ぎました。ほんとにすみません。」

「ちっ、次回からは気をつけろよ! わかったか?わかったのか、返事!」

「・・・はい。わかりました。」


奥さんはわしに手で帰る様にうながすジェスチャーをする。

痛がるジョコに近寄り声をかける。

「痛かった~~?大丈夫?

あとで痛いの痛いのなおれ~~~~ってしてあげるね♥」

すんごい豹変ぶり。

奥さん恐いんですけど・・


そんな、甘甘あまあまなやり取りを横目に

わしは落ちていた上着を拾いあげる。


1人寂しくジョコの家からトボトボと外に出る時に

わしの腹に書かれたおかめさんのような顔が、

ジョコの嫁に執拗に乳首をつねられたことによって腫れあがり

悲しく泣いているようにも見えた。


わしも心の中で泣いた・・・


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