表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
142/262

第140話 神素(しんそ)

「「ジョコおおおおおおおおおおおお~~~~~~~~~」」

わしと、ゲタンが同時に叫びながら

倒れておるジョコに近寄る。


ラ・メーンはわしに照準を合わせ剣を突き刺す。

とっさに右に飛び、かわした先に落ちていた棒を投げつける。


ラ・メーンはいとも簡単に剣で棒をなぎはらう。


その間にゲタンはジョコを抱きかかえ距離を取る。

「す、すみません。族長・・油断しました。」

「しゃべらんでいい。」

ゲタンがジョコの血を拭う。


「ゲタン、ジョコの手当を頼む。」

「何を言ってるんだ。ジジイこそジョコを頼む。

族長としてこのクサレ野郎をタタキのめさんと気がすまん!」

今まで見た事もないような形相でラ・メーンを睨む。

ゲタンも爆発寸前じゃ。


しかし、わしも爆発寸前なのじゃ。

「ゲタンすまん。こいつの標的はわしなんじゃ。

だから今回だけはわしに譲ってくれんか?」


「ぐっぐぐっっ、くそっ、わかった。そのかわり俺の分までぶちのめせよ、

ジジイ。ジョコのことはわしに任せろ。」


すごいのうゲタンは。

自分も怒り狂う寸前のくせして、感情を押し殺して族長として冷静に

判断しておる。頼りになる族長じゃて。


「あ~~~もうダメかもな~アイツ。結構深く刺しちゃったからな~」

邪悪な笑みでおちゃらけた口調。


ブチッ


「崩れ落ちていく時のあの絶望感漂わせる顔・・・ぞくぞくしたぜ」


ブチッブチッ


「あの族長とやらとお前の必死な顔も見れて楽しかったぜ~~」


ブチーーーーーーッッッッ

「・・・・・だまれよ。」


「はっ、何だってーーーー?」


「だまれよ、このクソ野郎が~~~~~~。」


「何だ、仲間を侮辱されて憤っているのか?

しょせん生きる価値のない雑魚じゃないか。俺にとっても、お前にとっても。

あいつだけじゃない、この国、この星に住む者達全てが雑魚だ。

生きる価値のない生命なんだよ!。」


「お前の価値観なんて関係ないんだよ。

お前の汚らしい声を俺に聞かせるな・・・・・」


「ん・・・何だ?いつものジジイ言葉はどうした?

こころなしか、声まで若返って聞こえるようだが・・・・・?」


「お前のクソっぷりを歓迎してほんの少しだけ俺が相手してやるよ。ラ・メーン」


  ※※※※


「うわあああああああーーーー」

「どうしたのミチ」

「こ、これみてよミカ・・・ジューローが、ジューローが。」


言われてミカが惑星ドリスの水槽を覗く。

そこには・・・・・・・光の柱のようなものが立つ。

その中心にはジューローが。


「何?これは・・・・光柱?」

「ラ・メーンが現れたんや、それで仲間がラ・メーンによって

剣で差されてブチ切れたジューローからいきなり・・・」


普段のジューローは夜中に直径2~5mぐらいの光の円は観測されているが、

今回のように光柱のような形状は初めてだ・・・・

正確には1mぐらいの円の柱で高さは10mぐらいにも及ぶ。


「・・・・絶対領域ぜったいりょういき

誰にも犯す事のできない不可侵、不干渉の空間。」

ミカがつぶやく。


「別名・・・神の領域・・・やっぱりあの白い光は“神素しんそ

だったのね・・・」

ミチが応える。


光の中心のジューローはいつもの年寄りの形態ではなく、20代ぐらいの美男子だ。

いつものごとく、他の誰にもこの光は見えていない。

介入者であろうラ・メーンの目にも・・・


「・・たぶんこれが本当のジューローの姿なのだろう。」

「絶対領域だけでしか、あらわすことができない本当の姿・・・・」


「「・・・・・神々しい」」

ミチ・ミカが意図的ではなく、各々の感想を言っただけなのだが、

セリフがかぶる。


「ジューローが動くわね」


 ※※※※


「なんだ、その上から目線は」

ラ・メーンがジューローの言葉に苛ついたのか。

先ほどまでニヤついていた顔が真顔になる。


「俺様と対等だと思うなよ、ジューロー。

お前ごときが俺様と対等に戦えているのはな、わざわざ俺が力を封じて・・・」


「“重力無限グラビティメビウス”」

ボソリとジューローが低い声でつぶやく。


ブーーーーーン

ラ・メーンに耳鳴りと共に負荷がかかる

「ぐっ何だ、たったこれだけの負荷か。口ほどにもないな。


くっくくくこっちはお前の能力なんて調べ済みなんだよ。

最大600%だったか?その能力を打ち消す対策は・・・・」


ブブーーーーーン

「殺しはしない」


「ばっばかな・・なんだ・・・・こ、くっかっか」


「最大600%? いつの話だ?それ。」


ら・メーンは地面に突っ伏してめり込んでいく。

普通の体なら、もうとっくに圧迫されてつぶれてしまっているのだが、

対策をとっているのだろう。まだ体の原型はとどめている・・・

「ぐっが・・げっ・・・」


「借り物の体だから手加減しておいてやろう。

お前が気絶すればアゴスも正気にもどるだろうしな。」


「げげげっっずごお」


「ラ・メーン、もうお前は気絶するまでしゃべれないだろうから、

最後の言葉を俺が言ってやるよ」

ジューローは這いつくばったラ・メーンをするどい目付きで見下しながら言う。


「お前ごときは俺の敵じゃない。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ