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第137話 アゴス登場

今、わしは現場にいます。

昨日ジューローさん宅(予定)の鬼太郎ハウスなるものが

1夜のうちに崩壊するという事故がありました。

住民の方によるとそれはもう一瞬の出来事だったみたいです。

それでは、目撃した住民の方にお話を伺いたいと思います。


「その瞬間を見られたという事ですが・・・」

「はい、見ました・・わたぢは本当に見たんです。

あれは星がきれいな夜でした。ちょうど南東の方向にわじが・・」

「UFOじゃね~~よジジイ。ボケてんじゃね~ぞ」


「はい次の方、あなたは・・」

「そうです。わたしが変・・・」

「ちが~~~~~う」


「おい、おいジジイもういいか?その一人小芝居は・・・・」

ゲタンに止められる。


そうなんじゃ、インタビューから全部わしの自作自演じゃったのじゃ。

なぜかというと・・・


昨日崩れたわしの鬼太郎ハウスは諦めて、もう一度ジョコ達に家を作り直して

もらいに来たのじゃ、今日は。


やっぱり木の上に作る案はボツにして、普通に家を作ってもらう事にしたので、

昨日の再現VTRを作ることによって、ジョコにプレッシャーをかけたのじゃ。


ジョコも崩れた事にひけめを感じておるのか、

朝からハキハキ動き続けておるわい。休み無しで・・


まあ、今日はわしもみんなと一緒に我が家作りに参加しておる。


皆と黙々と仕事に精をだしておると・・


その男は現れた・・・・・


遠目でもわかる極彩色と言ったらいいのか・・・

派手で、けばけばしいのじゃ。


そんな男がわしらの方へふらふらと寄ってくるのじゃ。


何か非情に違和感というか、非日常の光景にわしらは作業を止めて

呆然と立ち尽くしてその男に魅入ってしまったのじゃ。


その派手な男はわしらの目の前まで近づきなれなれしく話しかける。

「ど~~も~~お出迎えご苦労様です~~。」


「なんじゃ、お前は?ケバい格好しよおって。目がしょぼしょぼするわい。」

わしが嫌そうな顔をしながら声をかける。


「いや、これ、自分の中では一番のよそ行きのフォーマルなんですよ、カカ。」


「何だお前は、ふざけたしゃべり方して、名前を名乗れ!」

ジョコが詰め寄る。


「あ~~はいはい、名前ね。俺の名前はアゴス。

これから忘れられない名前になると思うから覚えておいたほうがいいっすよ。」


「なに?それはどういう意味だ?」

ジョコがアゴスに近づこうとすると・・・・


奥の方からモクモクと煙が上がり始めた・・・

何か木の焼けるにおいが急にしだした。


すると煙が吹き出している方から、火の手があがり叫び声が聞こえる。


「家事か?ゲタン、ジョコ、すぐに若者を連れておまえらは消化に言ってくれ!」

わしが指示を出し、わしも現場に赴こうとアゴスに背を向けると・・・


「どこ行くのだ、ジューロー?お前は行かせないよ~」

とアゴスがわしの顔のすぐ横でささやいたのじゃ。


そのアゴスの顔は、さっきのだらけた顔と違い・・・

爬虫類の蛇のようにするどい顔つきに・・・・

ハッ、目が・・目が赤い・・・


「お前は・・ラ・メーンか?」


「ピンポーン、ピンポーン!正解。ジューローお待たせ!」

「こっちはお前なぞ待っておらん!」


「そう、つれなくするなよ。こっちは毎日毎日お前の事ばかり考えているんだぜ。

どうやってお前を陥れようかとか、どうやってお前を欺こうかとか、

どうやってお前の顔を醜く歪ませようかなとな。」

ヘビみたいな顔でニヤリと笑う。


わしはまさにヘビに睨まれたカエル状態でゾクっと背中に冷や汗をかいたのじゃ・・


「おかしいのう。わしはひとに恨まれる様な事はたまにしかしないが、

お前には恨まれる様な事はしていないと思うのじゃがのう。」


「してないよ。何も。」

あっさりと返すラ・メーン。


「なら、なにが目的なのじゃ?どうしたらわしの体を諦めてくれるのじゃ」


「ホモじゃねーし!お前の体なんか目当てじゃね~し」

あっツッコンでくれた。良い奴じゃないか、ラ・メーン。


「まあ・・このまま理由もなしに付きまとわれるのもなんだし、

教えてやるよ・・・俺の目的。」

「あっ本当、助かるわ~~言ってもらえると。目的」

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・嫉妬だよ」

しばらくの沈黙の後口を開いた


「嫉妬じゃと?こんな禿げた未来のないジジイに嫉妬?笑わせるのじゃ」


「俺にはお前のこれからの輝かしい未来が見えるんだよ。

・・・・・・お前は全てを手に入れる男だ。」


「本当か?それは。やっぱりわしは、エメリさんやセイムさんを、

まさかそれ以外の女性も・・・ハーレムを手に入れる男じゃったのか。」

わしは素直に喜んだ。


「・・・何も知らないくせに・・・お前なんかが・・・」


「そうじゃ、わしは何も知らん。よかったら教えてくれんかのうわしに、

詳しく。」


「・・・おしゃべりはおしまいだ。時間が限られているからな。

でも、そうだな、お前が勝ったら教えてやってもいいぜ。詳しく。」

アゴスの目が怪しく赤く光る。


「オマエ、ボコボコニシテ、ワシキク」

わしも対抗してカタコトで応えてやったのじゃ。


さあ、マブシに続くラ・メーンとの第2回戦なのじゃ!

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