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第133話 ラッキースケベ

わしは夢をみる。

どちらが上か、どちらか下かわからない空間の中で夢をみる。


地球ではないどこか。


森の中に住む種族、畑を耕す農民、城下町で商いをする人たち、

そして石造りの王城で過ごす貴族や王族。


何か夢のような夢じゃないような・・・

今まで見た事も無い景色なのに、実際に行って見たような、

触った様な感覚が残っている。

わしの中に・・・


わしの見た夢の中では皆笑っている・・・上も下も関係なく、

皆笑っているんじゃ・・・


そこでわしは夢から覚めた。


暗い部屋の中で目が覚めた。


光の差し込まぬ真っ暗闇な石の部屋の中で

ひんやりと冷たく感じる石の部屋の中で

わしは見たのじゃ。


いや、実際には真っ暗で見えていないのかもしれない

しかし“それ”は確かに存在して、わしの本能に恐怖を焼き付けたのじゃ。


激しい憎悪・・憎悪以外の何者でもないものに・・・


だんだん黒い闇が膨らんでいく、部屋を突き抜けて膨らんで行く。

おおきなおおきな闇が・・・・・・・

皆の笑顔を・・・


「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおお~~~」

とっさに叫んだわしは・・・・・


そこは小さな小屋だった。

ミチとミカがわしを連れさった時の小さな小屋じゃった。

ふと差し出した右手に温もりを感じ、

見上げるとそこには・・・・


エメリさんが仁王立ちしているのじゃ。

ちょうどわしの右手はエメリさんのおっぱい、いや左乳じゃ、左乳にガッと

がっつりつかんでおるのじゃ!


「やめるのはオメーだ!ジジイイイイイイイイイ」

バキャーーーッと右キックをもらい、ふっとんだのじゃ。


「・・ひっひどい、エメリさんひどいのじゃ!」


「ひどいのはどっちだよ。せっかく心配して看病してやってたのに

その、む、胸を触ってくるだなんて・・・」


「わっわざとじゃ無いんじゃ。わしは触る時は正々堂々申し込む派なのじゃ。」


「申し込まんでいい」

顔を足で踏まれる。ひど!


なんでエメリさんが?と不思議に思うと後ろにリューゴスも寝ておる。


少し落ち着いたエメリさんいわく、記憶がないとのこと。

この小屋に入った記憶自体がなかったが、目が覚めると、

わしとリューゴスとエメリさんで折り重なって倒れていたとの事。


それで1番に目が覚めた自分が、ジューローとリューゴスを別々に分けて

寝させていたらジューローが急にもだえ出して苦しそうにしていたので、

汗を拭ったり看病してくれていたそうじゃ。


いい娘じゃ。今なら求婚してもOKもらえそうじゃのう。

まあ・・乳もんじゃいましたけどね・・無理じゃ!


しかし揉んだとはいっても全然無意識じゃったからノーカンじゃ。

改めて、正々堂々と正面から真摯に直接申し込むか

「もう一度、今度はちゃんと揉ましてくれんかのう、ぐへへへへ」

と頼んだら指先Vで目つぶしされたよ!


エメリさん指先Vで差したらあかん!あかんよ!


まあしかし、今日はアクシデントとはいえ、エメリさんの左乳を揉むという

ラッキーマン並みのラッキースケベもあったことだし、

記念にこの右手は洗わないでおこう。

そうじゃ!そうしよう・・・などと考えておったらリューゴスも目が覚めた。


「・・・・・寝てた?・・記憶にない」

リューゴスもか。

ミチとミカ雑じゃな~~~扱いが。もっと丁寧に扱えよな。

まだ寝起きで足下もおぼつかないようじゃ。


そうじゃ、ちょっととはいえ わしパワーアップしたんじゃった

ちょっと聞いてみようかのう。


「そうじゃ、エメリさんちょっとわしを見てくれんか?

何か気づいた事がないかのう?」

と言って立ち上がりエメリさんの前でクルッと回ってみる。

女子か!わしゃキャンキャンのモデルか!


ミカが言うには、たしか1歳ぐらいは若返っておるはずじゃ。

ちょっとは変わっているんじゃないかという期待を寄せて・・


「ん~~~あっそうか」

「なに?なに?何か若返ってるわし」自分で言ってるし・・・


「耳たぶが大きくなってる。前にふくみみ?がイイとか言って

伸ばしてたもんなジジイ。」

「・・・違う。俺分かった。」

リューゴスがグイっと前に出てくる。


「・・・・ホクロが移動してる。このホクロが右に2mm」

違うわ!ホクロなんか移動せんわ!


「違うよ、右眼が二重になってるからアイプチしたんだよ」

ジジイがアイプチなんぞしん!

っていうかアイプチなんぞない!この世界に。


わいのわいのほとんどがわしの悪口を言われまくってもういいわって

感じになった時エメリさんが

「あっ肌がちょっとツルツルしてる。これじゃない?変わったの」

「・・・・うん。うるおいでた・・・。」


「・・・・・・・正解じゃ!ふたりとも。」


複雑じゃ・・肌年齢は50歳!コラーゲンたっぷりを二人に当てられるとは・・・


全体的にはしょぼいレベルアップじゃったのに、

その中で一番ビミョーなのを褒められるとは・・・


こうなったら、わしは肌年齢20歳を目指す!

どんどんレベルアップしてわしは60歳の美魔女になるんじゃ~~~~!

女子か!

わしは女子か!


最近は全然話が進んでいかんのう・・


もちろんこのわしがいない間でも村建設は急ピッチで進められておるのじゃ。

わしなんていなくてもいいのじゃ、

本当は居ても居なくても一緒なんじゃわしなんて・・ふん


すると小屋の入口がいきおいよく開かれる、

バン、

「あっこんな所で何してるんですか、ジューロー様。

さぼってないで早く手伝ってくださいよ。

ゲタン族長がジューロー様を早く呼んでこいってうるさいんですからね。

おい、リューゴスもいくぞ。

エメリさんはゆっくりお茶でも飲んでてくださいね。」

マブシがわしらを探して呼びにきてくれた。


「はーーいぃぃぃぃ!」

今年一番のいい返事を裏声で言った。

元気いっぱいに満面の笑みで裏声で言った。

女子か!


今日も楽しい1日が、仲間達と楽しい1日が始まる。

あっもう夕方じゃった。


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