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第127話 ダチョウとの攻防

シスパ達が帰ってすぐダチョウを男衆達が乗りこなす練習をする。


初めは乗り慣れない為かバランスを崩す者もいたのだが、

ものの2時間もしたらほとんどの者が乗れる用になれた。

さすがじゃのう。体幹がいいんじゃろうな、やっぱり。


その間にふらっとリューゴスが帰ってきてた。

「おう、いつの間に帰ってきてたのじゃ。」

わしがリューゴスに声をかける。


「・・・・・・・・」

いつものようにリューゴスはだんまりじゃ。

しょうがない奴じゃのう。


「んで、シスパと何を話しておったのじゃ?」


リューゴスは目を見開いて、驚いた顔をしてこちらを見たが、

すぐに無表情を装った顔に戻った。


「・・・・・・付けてたのか?」


「お前の事が心配で見張りをつけておいたのじゃ。」


「・・・・・・シスパとは1言交わしただけだ」


「そうか・・・へんな誤解をしたくないから聞くのじゃが・・・

お前は王城関係者か?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「沈黙は肯定ととらえるが・・・」


「・・・今は言えない。」


「そうか、まあええ。わしには関係ないことじゃ。

わしの一番弟子という事以外はな。」

とリューゴスに向かって、わしの中で二枚目と評判の、

いい顔でニカっと笑う。


「・・・・・・きもっ」


「なんじゃと!そこは師匠に惚れてまうところやろ!

もっと尊敬しろよ弟子!」


というわしの説教を余所に目の前のダチョウに

さっと股がり、楽々と乗りこなす。

やはり経験はあるようじゃのう。


まあ、無理には素性を暴くつもりはないのじゃが・・

もうちょっとわしに懐けよな。


・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

「グゲエエエエエ~~~~~~」

ちょっと、リューゴス君。

ダチョウに乗ってわしにけしかけるの止めてくれない?

ダチョウ興奮し過ぎでめっちゃ恐いんですけど・・


「グルルルルルッッ」

ダチョウが頭を振って、わし目がけて攻撃をしかけてきた。

自由自在か!リューゴス。


一目散に逃げ出すが、さすがスピード重視の動物じゃ、

すぐに追いつかれる・・・

このまま木によじのぼれば難を逃れる事ができるじゃろうが、

リューゴスにやられっぱなしではシャクなので、逃げながらつたを拾い

ダチョウの足に絡めて転ばした。


つんのめった形でズザザザザ~~~と転んだところを

リューゴスを仕留めようと近寄ると・・・


いない。


もうすでにダチョウに乗っていなかった。

と思うのと同時に木の上から現れたリューゴスがわしにキックを繰り出す。

ダチョウが倒れる前に木の上に飛び移っておったのじゃ、やるな!


わしはすぐさま倒れたダチョウの足の蔦をひきちぎり、飛び乗る。


「やるな!リューゴス。しかしわしもダチョウを操ることに関してはお主には負けん。

くっくく幼い頃からダチョウと共に生き、ダチョウと共に育って

幼い頃から“ダチョウ乗りのダッチョン”と呼ばれたわしにはちょろいもんじゃ。」


「・・・・100%うそ」


「くっくく、さっきの仕返しじゃ! これでもくらえ!ローリング・ネック・アタアアアアッッック!」

ダチョウはわしの叫び声と同時にリューゴスを長い首で縦横無尽に攻撃するかと思いきや、

反対方向にダッシュで駆け出した。


全速力で駆け出した。

だんだん小さくなるリューゴスがわしを静かに見送った・・・


・・・・・・・・・ねっ

ダチョウと共に生き、ダチョウと共に育っただけはあるでしょ?

わし。

・・・・・・“ダチョウ乗りのダッチョン”も100%うそじゃ。


  ※※※※


その後、ゆっくり村に戻ったが、リューゴスはまたどこかに行っていなかった。

よし、じゃあ仕事するか。


今日納入された動物のカバは荷台に道具を積み、先に新天地へ向かわせた。

ダチョウは各責任者、要所などに重点的に振り分け、組織の情報を蜜にする予定じゃ。


これからカバ、ダチョウはすべて森の民の共有物として扱われる。

貴重な移動手段じゃしな。

一応わしにもダチョウがあてがわれて、専用として使わせてもらっておる。

そのうち交配で増やしていこうかな~~。


今回得た移動用動物もそうだが、それ以外にも食用の家畜を飼い、肉を安定生産する予定でもある。

食用の動物以外も飼ってみたいのじゃ。もふもふにいっぱいに囲まれて生活したいのじゃ。

ゆくゆくはムチゴロウ王国を作るのも良いな。


「おれはムチゴロウになる!」


ちょっとワンピー○風に言ってみた。

なんか格好良く無い?


それにもう1つわしが温めておるビックプロジェクトがあるのじゃ。

ふっふふふふふ

それをここで発表するのはやめておこう。


これができれば、わしは、うはうはじゃ。

何せ胴元になれるわけじゃからな。くっくくっくくく。


いや、別に悪いことじゃないよ。

賭け事だけれども。

娯楽が少ないから娯楽の1つとしてじゃ。


ゆくゆくはしょうもない

へべれけヨコチン尻相撲をその娯楽で廃止にできたら良いなと

目論んでおるだけじゃよ。


ドドドドドドドドドド

「グゲエエエエエ~~~~~~」


バキャっっ~~~~~~

ドサ、ごろごろごろ~~~~。


ちょっと、リューゴス君・・・・


いきなり現れたリューゴスの乗ったダチョウに跳ねられ

華麗に空中を舞って地面に落ち、

そのまま惰性に任せて止まったマブシ・・・


マブシかよ! わしじゃなくてマブシだったのかよ!

あたりまえじゃ。わしは気配を察知し

マブシを盾にして逃げたのじゃ・・・・ひど!わしもひど!


「ちょっと、リューゴス君・・・・ひどくない?」

と倒れながらつぶやくマブシ。


「・・・・・見えなかった」


人を跳ねといて冷静だね・・君

リューゴス恐ろしい子!


そしてマブシ・・・

不憫ふびんな子!


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