第120話 ミチとミカの部屋
ここはゆったりと時間が流れるミチとミカの部屋。
体育館程度の広さに水槽のような中が濁って伺いしれない箱が
無数にしきつめられている。
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ここはまったりと時間が流れるミチとミカの部屋。
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いや、ここはねっとりと時間が流れるミチとミカの部屋。
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あれ、無反応? いる?
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いないの?
「・・・・・・あーあどうせ、あたし達なんてさー」
「・・・・・・いらないでしょ、ねーミチ」
「そうそう、前は98話やったけ?22話も前やん。」
「その前は72話で26話前・・・・いらないでしょ、私たち。」
「どうせしょーもないボケしかできないしーーー。」
「えっそれわたしやん、ボケわたしやんミチ。わたし批判?」
「そんな事ないけどーーーー、ちょとある。」
「あるんかい! いやいやいや納得いかんわ~。いっつもあんたの無茶ぶりで
ハードルあがってるなかのボケ!なかなかのもんやと思うよわたしは。」
「そうかな~~、もっといけるでしょミカ。」
「確かに100点では無い。わたしのボケ100点ではないのは認めるわ。
でも60~80点はとってると思うで!ミチ」
「わたしはね60点、70点で満足してもらいたくないの、ミカに。
最高のツッコミとしては常に0点か100点を狙って欲しいの!」
「0点とったらとったでめっちゃ責めるでしょ、あんた!
自分にやさしく、人に厳しいよねミチ。そしてさりげなく自分の事、
“最高のツッコミ”って自画自賛するの止めてね。」
「わたし以外に誰がいるのよ、ツッコミ!わたししかいない!っていうか
私たち以外に本当に誰もいないからね。」
「・・・・そうね、そこまで言うなら変えましょう。わたしがツッコムわ、ミチ!
あなたがボケ! 今日からミカがツッコミ! ミチがボケで新境地を開くのよ!」
「いいの?ミカ・・・あなた泣いて許しを請うことになるわよ。」
「すごい自信やねミチ。上等じゃない!」
「本当にいいの?ミカ・・・あなた鼻に指つっこんで“づみまぜん”って言う事になるわよ。」
「どんな立ち位置やねん、わたしの立場!」
「それじゃあ、最高のボケを見せてねミチ、今からすんごいの投げるからね。」
「おっしゃーまかせろ、わたしはどんなボールも100%ピッチャー返しが基本です!」
「いや、それ全然笑いのホームラン打ってませんやん、ミチ。ヒットもないやん。
ややうけもないでしょ、ピッチャー返しなんて。」
「次・・・・次こいや~~!内角高めに!」
「ピンボール気味!そんなところじゃファールが関の山よ、ミチ。
・・・ちょっといい加減にしてミチ、わたしに投げかけさせてよ!
さっきから、あんたのペース。やりづらい!」
「わかったミカ、すんごいの投げこんでわたしに。」
「それでは、いくわよミチ。もう後には戻れない辛辣な・・・・」
ピリリリリリリーーーーー
「あっ、ごめん着信、ちょっと失礼するわミカ。」
と言って立ち上がり携帯で話す体で10分。
「ごめんごめん、話しの途中で。間違い電話だったわ」
「間違い電話でそんなに話す事あるんか~~~い!
そもそも無いし、携帯なんて無いし!
何の間違い電話だったのか逆に聞きたいわ。」
「息子が不倫して相手に慰謝料請求されたから、母さん助けて!って」
「オレオレ詐欺か~~~~い!しかも不倫って自業自得じゃない!ねえそうじゃない!
する方も、される方も誰も幸せになれないわ・・・・・誰わたし?」
「だからわたしも言ってやったのよミカ、不倫は文化・・」
「やめて!ミチそういうネタはやめて!あと不倫をひっぱるのはやめて!
する方も、される方も誰も幸せになれないわ・・・・・」
「えらいひっぱるなミカ、何か嫌な思い出もあるんか。」
「あれは、わたしがまだ界○神の資格を取る前だったわ。」
「えっ、界○神って資格を取ってここにいるの?ミカ。」
「その前は公務員だったのわたし。ザリガニ公務員。」
「聞いた事ね~~~! ザリガニ公務員なんてあったの?そもそも」
「わたしの仕事は毎日ザリガニを釣ること・・アメリカザリガニ担当だったわ。」
「担当あるんだ(笑)」
「そんな時に知り合った彼はタンカイザリガニ担当だったわ・・」
「いや、別にいらんやろその情報(笑)」
「でも聞いてミチここが大切なの。
ニホンザリガニは絶滅危惧種に指定されているのよ・・。」
「いや、ザリガニの話どうでもよくね(笑)」
「そんな時に出会った二人。見つめ合うアメリカザリガニと、タンカイザリガニ。」
「この話し長くなる?ザリガニの話メイン?」
「お互いが惹かれ合うのにそんなに時間はかからなかったわ。」
「何の話?ミカの事?」
「だけど、そこに現れたのよ、あの男が・・・・」
「ねえ、聞いてる。」
「そこに現れたのは・・・ニホンザリガニ。三つどもえよ・・。」
「やっぱりザリガニの話だったんか~~~~い。知ってたよ。来ると思ったよ。」
「・・・長くなるからこれ以上は言わない。だけどこれだけは聞いてミチ。」
「いや、十分長かったで、この話。何の実りもない話。」
「アメリカザリガニってね・・エビみたいで美味しいのよ。」
「最後だけ、おばあちゃんの豆知識みたいになってる!いい情報ありがとう!
ってなるかい!活かしようないわ、その豆情報」
「ぜーぜーぜー・・・結局わたしがツッコミやんけミカ。」
「あなたが、わたしにツッコミさせなかったからでしょうミチ。」
「ねえ、ミチもう1セットボケがあるのだけど、いける?」
「いや、ここは温存や! ここまで私たちがボケたんや、今頃私たちの評価は
うなぎ上りで引っ張りだこよ!次回は130話ぐらいには呼んでもらえそうよ。
それまで取っておこう。」
「でも、次回からは新しい村開拓編が始まるのよ。それなのに・・・」
「大丈夫、もし、次回が130話・・今から10話後に私たちの出番がなかったら・・
その時は覚悟を決めなさいよ、ミカも。」
「分かったわミチ。」
「さあ、わたしの手にミカの手を重ねて。いい?あの合い言葉」
「破滅の言葉・・リーテ・ラトバリ○・ウルス アリアロス・バル・ネ○リール」
「それ、違う!困ったときのおまじないやないかい!それ。」
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「おいしいとこどりやなミカ。がっつりもってかれたで今・・」
「さあもう一度破滅の言葉言うわよ、ミカ」
二人の少女がお互いの左手を重ねて、アイコンタクトで同時に叫ぶ!
「「ふて寝」」
果たして130話でミチとミカの部屋があるのか!
今回も十分やさぐれていたミチとミカの出番はあるのか!
乞うご期待!!




