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第104話 リゾートの帰り道

真神です。

この間、夜自転車で走っていましたら、

突然目の前に

全身黒ずくめで散歩する全身真っ黒な犬が視界に出てきて

「ぎゃっっ」ってびっくりしちゃいました。


飼い主絶対にわざとでしょ。

全身真っ黒な犬はしょうがないけど、飼い主はあかん!

おかん、あかん!・・・言ってみただけです。


ということで今日もよろしくお願いします。


〈セイム視点〉

私が朝、目覚めると寝床の上だった・・


昨日の出来事、あれは現実だったのだろうか?

あの光の中の男性は夢だったのだろうか?


そんなあやふやな思考の中、皆と朝食を取る。

セコス兄はなぜか、目が充血していて息が荒い・・・・何だか怖い。


ジューロー様は会話で寝相がなんとか、だいなみっく?

遠回しに何かを伝えようとしてくれているのかな?

だけど私には理解できなかった。

ごめんなさい。


そうだ、昨日の夜レイクに会ったことを思いだし、それとなく聞いてみるも

自分も寝ぼけていて、夜中に私に会ったかどうかはあやふやだとの事。

しょうがないわ、これで昨日の夜中の事は闇の中だ・・・・


でも、そんなはっきりしない中でも、1つだけ私の中でハッキリした事がある。

それは・・・あの光の男性に惹かれているという事だ。


まだしゃべった事もないような人に・・・

これが好きかどうかという気持ちはわからないが、

またあの人に会いたいと思う自分がいる。

強く思う自分がいる。それがたとえ夢だったとしても・・・・・


朝食後、兄セコスの希望というより懇願で、

私とレイク、リイナ、ジューロー様はすぐに村に帰る事になった。

本当は3泊4日だったのだが、ジューロー様が気をきかしたのだろう。

なにより、血走った目をした兄セコスが必至すぎて怖かったというのもある。


別れ際、ジューロー様が兄に薬丸のようなものを渡していたのだが、

あれは何だったのだろうか?

兄も意を決したかのような顔でうなづいていた。


その後、私たち4人はゆっくりと村に帰る。


日中でも陽のささぬ所もある暗い森の道中は

ジューロー様が付いていてくださるのでとても安心だ。

レイク、リイナも全然怖がっていない。もちろん私もだ。


ジューロー様はお日様のようだと私は思う。

いつも私達を明るく照らしてくれて、とても気持ちを温かくしてくれる。


よくジューロー様はわたしの事をお嫁さんにしたいだとか、

好きだと言ってくれるのだが、もちろん冗談だとは思っているけど、

たまに本気なのかしら?と思ってしまう自分もいる。


正直ジューロー様と・・と想像する自分もいたりするが

特に嫌な気持ちになったりはしない。お歳を召されている・・召されすぎている

という事もわたしはそんなに気にはしていない。

他の男の方に求婚されても特に何も思わないのにどうしてだろう・・・


ジューロー様が、私に好意的な発言をしてくださるのは、

多分自信のない私の事を気遣って励ましてくれているのだと思うようにしている。

もっと自分に自信を持って頑張れ!って、暗に言ってくれているんだと思う。

わたしもその気持ちに応えれるように、最近では積極的に頑張ってみようと

心がけている。


ジューロー様は私にとって、やっぱり特別な存在の方なのだ。


最近なぜか・・・そんなことは絶対ありえないと思うのだけれども、

どこかあの光の男の人と、ジューロー様が似ているように感じる私は変なのかしら?


レイク、リイナを両手につなぎ前を歩いているジューロー様の背中をみて、

ふとそんな事を考えた帰りの道でした。


 ※※※※


わしとしてはもう1日ゆっくりしたかったのじゃが・・・・

さすがに、あんな血走った目をしたセコスに懇願されては帰るしかあるまい。


もし断ったらわしの息の根を止めるぞぐらいの勢いじゃったもんな・・・

セコス恐ろしい子!


まあわしがセイムさんと一緒に行きたいがために無理無理付いてきた欲求不満もあるじゃろうが、

昨日飲ました精力剤が効き過ぎたのか、昨日の獣のような叫びを聞いてしまっては

さすがに帰らざるをえんじゃろう。


たぶん・・・頑張るじゃろう。

今日はセコスハッスル〈死語〉するじゃろう。

「セコスハッスル」いい響きじゃな。

「セコスハッスル、ハッスルーする?」

勢いだけ言ってみただけじゃ・・・すまん。


そんな事は置いておいて、せめてのおわびに昨日の精力剤を全部置いてきた。

これでこの薬は効果も立証できたわけだし、

そうだな高級品扱いで、希少性を出して城下町の金持ち連中に流すという手もあるな・・・。

もちろん機密扱い、トップシークレットにして薬草採取、製造もわし一人でこなすことになるが・・・・

く~~っふっふふふふ


〈ジューロー、イヤラシイワライ〉


あっリイナが念話で話かけてきた。


〈すまんすまん、ちょっと嫌らしいこと考えておったもんじゃから〉

わしも念話でかえす。子供相手になんちゅうこというんじゃ、わし。


〈ところでリイナは何でしゃべらんのじゃ?本当はしゃべれるんじゃろう。〉


〈・・・ソノトキガキタラ〉


〈その時?〉


〈ソノトキガキタラシャベルヨ。デモイマハマダソノトキジャナイノ。〉


そうか~~その時じゃないんだ~~

どんな時、それ?

なにかあるの、それ?

と思ったのじゃが怖いのでこれ以上は聞くのを止めた。


なんやかんやで、みんなで楽しく村までゆっくり帰ったのじゃ。


明日からは忙しくなるぞい!

なにせわしは仕事をぶっちして行ったのじゃからな。

ゲタンにも誰にも仕事休むとも言わずにな!

つまり仕事放棄じゃ。社会人失格じゃ!人間のクズじゃ!

いや、そんなにひどくはないじゃろう。人間のク、ぐらいじゃろ。


そんなわしじゃが、胸をはって村に帰った。

堂々と帰ったのじゃ!


・・・・・・めちゃくちゃ怒られた・・・。


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