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第100話 決断の時

真神です。

今回で100話です。おめでとう、おれ!

頑張ったな、おれ!と一人でほくそ笑んでおります。

今回は100回ということで頑張って書いたらなんと4219文字もありました!

いつもの倍です。倍!すごいですよ。倍といったらバイトル!

・・・いや、いつものノリだけです。


それでは今日もよろしくお願いします。

記念すべき100話目を、わしは脱糞するという強い覚悟を決めた。


いや、もちろんわしだって本当はしたくないんじゃよ。

当たり前じゃが、脱糞するほど体も衰えてもおらんしの。


じゃけどこれしかないじゃろう・・・

てっとりばやく女の人に嫌われる方法は・・

下手すると女の人だけではすまんかもしれんがのう。


しかも、本当に脱糞をしてしまうと、

エメリさんにも嫌われてしまうかもしれんという諸刃の剣じゃ・・


いや、嫌われてしまうだけで済めばよいが、

この後、ず〜〜っと漏らしたエピソードを会う度、会う度に

披露されてしまうのじゃ。

クラス会だったり、同窓会だったり・・・・地獄じゃ。


諸刃の剣どころか核爆弾に匹敵するぐらいの威力じゃ・・・

やはりリスクが高過ぎるか・・・などと懸念しているとゲタンが


「とにかくどうなっとるんじゃ。

ジジイがチチパさんに求婚したんじゃないのか?」


「いやいやいやいや、求婚のきゅの字も出しておらんのじゃ。

何かの間違いでは・・・。」

とわしが弁解しているとゲタンの家の戸をたたく音が。


「おい、ジューローいるか?ジジイいるのか?」


いったいだれじゃと思い、外に出てみるとそこにはチチプが立っておった。


みんなもうすっかり忘れておるかと思うが、例の赤い三連星のチチプじゃ。

覚えてる?

あの、わしを第52話で怒らせたチチプじゃ。

もう一度読んでみるとよいぞ!


一回きりの使い捨てモブじゃと思っておったのに何の用じゃ?


わしを見るなりいきなり掴みかかってきた。

「おい、ジジイてめえ本気なのか。本気で母さんを・・・・認めねえぞ、俺は。」


何の事だかわからんわしは、ポカーンとしてしもうた。

そんな態度を見てイラッとしたのか、さらにタタミかけてくる。


「母さんはな、父さんが早くに亡くなって、おれを立派な赤い三連星にするまで

育ててくれた、俺にとってはかけがえのない、たったひとりの母さんなんだよ。

それを、それをお前みたいなやつに・・・・」


ああ、まさかこいつチチパさんの息子だったのか。

そう言われれば名前もチチパにチチプだし、体型もデブ・・ぽっちゃりだし、

良くみると顔そっくりじゃ、生き写しじゃ。


あまりにも興奮して、わしの胸ぐらをグイグイ押すので痛くてちょっと払ったら、

何か派手に振り払われたリアクションをして盛大に地面を転がった。


「ちくしょう・・・そうか、そんなにも母さんの事を・・・。

俺の、息子の反対を振り払ってまで母さんと結婚を決意したってことか。

わかった、俺も認めるよ。あんたを父親にする事を・・。

父さんって呼んでいいか?父さん。」

人差し指を鼻のしたでこすりながらヘヘッって表情をする。


ちょーーーーい、何勝手に決めてんの。

わしお前の父さんでもないし、父さんになる気もこれっぽっちもないのに、

何認めてるのお前。またシメるよ、お前をしばき倒すよ。


と、この憤りをどう言おうかと思っているとチチプが

「俺、先に母さんに言ってくるよ。父さんの熱い思いを受け取ったって。

先に行ってるね。」と走り出して行ってしまった。

デブ・・ぽっちゃりのくせに走るの早いなあいつ。


それを呆然唖然ぼうぜんあぜんと見送るわし。


振り向くとゲタン、他みんな揃って見送っておった・・・

そこでゲタンが一言


「ジューローもう結婚しちゃえば・・・」

ぼそっとつぶやいた。


他のみんなも、うなずいてる・・・


いや、エメリさんは反対じゃよね、反対してくれるよね?

との思いでエメリさんをみるのじゃが、

目が合うと眉間にしわを寄せてプイっとしてしまう・・・・だれか止めてよ。


 ※※※※


瞬く間に村中に広まってしもうて、夜が更ける頃には村中でお祭り騒ぎじゃ。

へべれけヨコチン相撲なみの騒ぎじゃ・・・

だれじゃ言い振らしたのは・・・

・・・・・どうしよう。


わしが広場に顔を出すとみんなすごい歓迎ぶりじゃ。

飲めや、食えやの大洪水じゃ〜〜〜。

わ〜〜〜〜胴上げみたいに担ぎあげられて何度も宙を舞ったあと、

そのままナウシカのようにどんどん人の頭の上から手で前に前に運ばれて、

ドスンと雑に降ろされた場所は・・・・・・・・


広場の真ん中で豪華な民族衣装に身を包んだダルマさん・・・

いや、チチパさんが・・・

キレイじゃ・・・ないな。

メイクが歌舞伎のクマドリみたいで、全然キレイじゃないわ。


それでも体をくねらせて何か言ってほしそうなチチパさんを前にわしは・・・


「わしのどこがいいのじゃ、わしはもうこんなおじいちゃんじゃぞ、

もう墓場に足をつっこんでるんじゃぞ。」

と必死にダメな男アピールを訴えてみた。


チチパさんは恥ずかしそうに体をくねらせながら、

「ジューロー様はこんなわたしに紙をつくるという重要な仕事を

信用して与えてくださって、優しく手取り足取り、腰を持って教えてくれました。」


いや、人聞きの悪い・・・。

誤解じゃ、腰持ってないし、優しく教えたのだって他の人となんら変わらなく

同じように接していたし・・・

そもそもチチパさんを紙製造の責任者にしたのゲタンだし・・・


「それに・・尻相撲大会のあの勇姿・・いつまでもわたしを守ってもらえる、

包容力のある方だと確信しました。」


逆に火の粉が降りかかるとおもうんじゃけど・・わしのそばにいると・・・。


「極めつけは、今日のプロポーズ!嬉しくて、嬉しくて天にも昇る気持ちでした。」

もう乙女のまなざしじゃ。目がキラキラじゃ。

まわりも最高潮の盛り上がりをみせる。ヒューヒューとひやかしの笛が鳴り響く・・・


全然プロポーズしていないし。どこをどうとれば、あれがプロポーズになるのか。


・・・決めた!わしは決めたのじゃ。結婚するしかない!

・・・・・・・・・・うそじゃ。


もうこの場を逃げきるのは脱糞しかない・・

この観衆注目の中、脱糞するしかないのじゃ。許せわし。


終わったな・・わしの第2の人生終わったな・・・

地球で小林十朗として生きた78年、

この世界に転移して1ヶ月くらいか・・・楽しかった・・・

短かったがみんな気のよい奴ばかりで、楽しかった1ヶ月。


エメリさん、セイムさんお別れじゃ。今までありがとう、

そしてさようなら・・・しばしのお別れじゃ・・・


わしは意を決っし、目を見開き「ふんんん〜〜〜」の掛け声とともに、

下腹部、主にお尻の中心に力を込める。「ぐぬぬぬ〜〜」と天を仰ぎ見て

いざ、例のブツが降りてくるのを確信した時、


チチパさんがとんでもないことを・・・


「ジューロー様、介護はぜひお任せくださいね、

わたしはジューロー様に何があっても大丈夫ですよ。

下の世話なんて気にしませんから。喜んでさせてもらいます。」

ポッと赤らめる。


その言葉を聞き、例のブツはひっこんだ。

血の気も引いた。


危ないところじゃった。

今この場で脱糞しても、森の民に村八分にされて「うん○爺」とアダ名をつけられ

ひっそりとチチパさんに養ってもらって暮らすだけになるところじゃった。

ギリギリセーフじゃ。2つの意味で・・・


もう駄目じゃ・・・わしは死んだ魚の目をしていた。

なんていい人なんじゃ、チチパさん。

よく考えたら、こんな爺さん(外見だけじゃけど)と結婚しようなんて

いってくれる人はもうこの先現れないかもしれんしの・・・


さっきまでダルマにしかみえないチチパさんだったが、

今では雪だるまにしか見えない!

結局ダルマかい!


よし、ここはもう腹を決めるしかない。

この記念すべき100話目を、明るいハッピーな回にするべく腹を決める!

わし決める!


わしはチチパさんに真っ正面から向き合い、目を見て話かける・・・

いや、ちょっとチチパさん目つむってますけど違うのじゃよ・・・


「チチパさんと結婚はできんのじゃああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜。

誤解なのじゃ、結婚は誤解なのじゃ、だからチチパさんとは結婚しません。」


言ってやた。とうとう言ってやったのだ。でも、しょうがないのじゃ。

やっぱり自分の心を殺すことはできない・・・・

この物語のハーレム展開がすべて45〜60歳の熟熟女ばかりじゃ駄目なのじゃ。


ある意味斬新じゃな・・・いけるか、その路線・・


いやいやいや、やっぱり駄目じゃ。みんな、普通のおばさんじゃよ・・・

美熟女じゃないんだよ。

絶対読まないよな〜そんなハーレム物。

既読率が下がる一方だよ。ある一定層には受けるかもしれんがの。


そんな考えがわしの頭を占めている時、あんなに盛り上がりをみせていた観衆が

し〜〜んと静まりかえってわしらの様子を凝視していた。

チチパさんは・・・・

「ジューロー様の気持ちはわかりました。でも私は待って・・・。」


「断る!」

わしは間髪入れずに断った。言い切る前に断った。

変に期待させるのも悪いのじゃ。


「いえ、それでもわたしは・・」

「だが、断る!!」

わしは、またしても間髪入れずに断った。


「なんとか、わたし・・・」

「しつこく断る!!」

何度も断ってやった。


もう周りの観衆総ブーイングじゃ。一触即発じゃ。っていうかおまえらが勝手に

煽っておいて無責任じゃな。脱糞してうん○投げるぞ。


チチパの息子がいきなり飛びかかってきて、わしを殴りつける。

もちろんわざと殴らせてやったのじゃ。最初の1発だけは。


「母さんを泣かせるな!ちっくしょう、なんでだよ、なんでなんだよ。」

怒りにまかせて何発もパンチをくりだすも、

わしもそんなにお人好しではないので、

1発づつ全部カウンターで返す。1発1発ずつ正確に。


だからチチプとの状況を正確に表すと


「母さ・ウッ泣かせ・アッ・・ちっくしょうウウッ、

痛てやめ・・なんで、なんだ痛い、やめてください。」って感じじゃ。

ちょっと滑稽じゃ。


わしはチチブを諭す、

「母さんはお前が守るんじゃ、わしじゃなくお前がな・・・・」


「父さん・・・」


いや、わしお前の父さんじゃねーし、やめてくれる。誤解をうむから。


そして最後に大ブーイングの中、

わしはチチパさんに結婚する事が無い事をはっきり告げて、

この長かった100話に幕を降ろしたのじゃ・・・


それでも鳴り止まぬ大ブーイングの観衆を、

わしの周囲を重力変換200%アップのチート能力でぶっ潰して、

黙らせて幕を降ろしたのじゃ・・・・

ひどいことするな、わし。


大丈夫じゃ、村人達にはわしがやったことだとはバレてはおらん。

だけど、わしが中心に1人だけ立っていて、

それ以外の人みんな地面にひれ伏してたからバレバレか・・・


あっしもうた、エメリさんも潰れてる・・・・

よし、わしもひれ伏しておこう。


・・・おちゃめじゃろう?わし。


エメリさんがめっちゃわしを睨んでる。

バレバレじゃ・・・・

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