第99話 ジューロー結婚?
ヌル族のへべれけヨコチン尻相撲の決勝、マブシの反乱の夜から7日経ち、
やっと平穏な日常がやってきた。
首謀者のマブシは、操られていて、チート能力はもう無いとわかっているが、
監視も含め、ジョコの配下として根性をたたき直す刑ぐらいで済んだ。
まあ更生の一助じゃな。
仲間も無罪放免じゃが、これから同じように更生プログラムを組むらしい。
やっと、これで一段落じゃな。
あと、へべれけヨコチン尻相撲の統一戦じゃが・・・・やらんでいいんじゃないかの?
もうお腹いっぱいでしょ? 来年森の民が合併した時でいいんじゃないのか?と
提案したのじゃが、ジョコはすんごい不満そうじゃった。
何せ、決勝が消化不良の反則勝ちじゃからな。
そりゃあ、セコスとちゃんと戦って正式なチャンピオンの称号を得たかったのじゃろう。
ん〜〜その気持ちは十分にわかるのじゃが・・・・もうやらんでいいじゃろ!
いったいへべれけヨコチン尻相撲に何話使ったとおもうんじゃ。
もう一生分のへべれけ、へべれけ言ったわい。
お腹いっぱいじゃ。
「おかわり!」
「断る」
ジョコの一声をわしの権限で無しにしときました。
※※※※
今日やっと紙が出来たので見に来て欲しいとの一報を聞いて、
紙の製作現場に駆けつけた。
紙製造の責任者だったチチパさんじゃったかな、挨拶をする。
なんだかチチパさん・・・・化粧濃い?
「あらん、やだんジューロー様やっと来てくださったん。」
なんかしなしなしてる。外見が丸っこいからダルマにしか見えん。
「紙の出来上がりを見せてもらえるかな。」
「は〜〜い、これですう。ご希望に添えるかしら。どきどき〜〜」
くねくね気持ち悪い。ツチノコみたいじゃ。
ネズミを丸呑みした蛇のようじゃ。イミフ。
渡された紙をみると・・・
おおっすごい紙じゃ。ちゃんと紙が出来ておる。
そりゃあ、現代日本に流通している紙なんかとは天地ほど質が
違うのじゃが、これはこれでOKじゃ。全然有りじゃ。
紙質は画用紙に近いかのう。けっこう分厚い。パピルスの繊維も
くっきり見える。色も真っ白ではない、ちょっと黄色がかっている
薄黄色のような感じかな。大きさは・・A3くらいかのう。
まあどこまで大きいのが出来るかわからんが、試してみるのもいいかも。
「チチパさん、完璧じゃよ。すごく良い紙じゃ。どんどん作ってくだされ。
これからもよろしくお願いします。」
チチパさんの手を握り、この後の紙の大量生産にハッパをかけておいた。
「えっ私が完璧な女、これから一生お願いしますって。」
チチパさんは真っ赤な顔してくねくねしてた。
・・・・気持ち悪い。
とりあえず紙製造の現場の後、他の現場を見回ってゲタンの家で一休み。
ちょうど、ジョコ、マブシ、エメリさん、ゲタンの妻などの他に3人の若い
女性達もいたので、わしも強引に女性達の方に混ざった。
「みんなスリーサイズはどのくらいじゃ?」
さりげない会話でガールーズトークに紛れ込む。
まあたわいのない会話でわきあいあいと一休みしていると、
急にゲタンが息を切らせながら帰ってきた・・
わしを見つけるとズカズカ近寄って
「おい、ジジイ本当か? 本当に?」
「えっいきなりなんじゃ、ゲタン何を言っておる。」
「お前・・まさかとは思うが・・」
いつものイタズラ心に火が着いたので・・・
「ああ、本当じゃ、結婚するんじゃわし!」とボケて見せたら・・・
「ほ、本当だったんだ。確かだな、それは。
水臭いぞジジイ、何でわしに相談せん!よし、こうしてはおれん
俺に任せろ、盛大に祝ってやる。村中で祝いの準備だ!!!」
「えっ・・ちょ・・ゲタン、お主なに言って・・・えっ」
わしが戸惑っているのも関係なしじゃ。
しまいにはジョコ、マブシも話にのってくる。
「師匠、なぜ言ってくれなかったのですか。よし、1番弟子のこのジョコが
師匠の為に腕によりをかけて、へべれけ音頭を踊らせていただきます。」
いや、ちょっとジョコ君、キミいつからわしの1番弟子に?
してないよわしはキミを弟子に。
あと、キミ達へべれけ好きじゃね。何でもへべれけ付ければいいと思ってない?
そこだよ、浅はかな所そこだよ!
「師匠〜〜うれしいっす俺、まだ最近合ったばかりっすけど、
おれは師匠に付いていきますからね。」
いや、マブシも弟子にとってないから。
あと、お前は付いてこんでよろしい。いや、わりと本気で。
心なしかエメリさんの眉間のシワが濃い。
チラっと見て目が合うとエメリさんが
「・・・いままで俺につきまとってたのはプラフで、
本命がちゃんといたんだな。よかったじゃねーか・・・」
いや、なんかすんごくトゲトゲするんですけど。
怒ってない?エメリさん怒ってない?
怒ってくれたら・・・嬉しいなハート。
何かまわりがお祝いムードで何がなんだか自分でもよくわからなんくなってきたな。
いや、そもそもは自分のしょうもないギャグだったのじゃが・・・
「ちょっと待て、ゲタン。それでわしは誰と結婚するのじゃ?」
「またまたトボケおって、このジジイは〜〜〜〜。みんなに発表しちゃうよ!
ジジイの結婚相手は・・・・・
チチパさんだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」
「「「「「なに〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」」」」
「どうしてジジイもビックリしてんの?当事者でしょ。」
エメリさんがツッコム。
「いや、初耳じゃけど。誰から言われたのじゃゲタン。」
「はん?チチパさん本人からだぞ。ジジイから結婚しようと言ってくれたから
結婚する事になりました。ゲタン族長には先に知らせておこうと思ってと。」
「うそじゃあああああああああああ、わしそんな事言うてない!
っていうかわしチチパさんとは、今日いれて2回しか会ってないんじゃぞ、
そんなんでわしが結婚しようなんていうと思うか〜〜〜〜。」
「えっおれもすぐ言われたけど、ジューローに。」エメリさんがツッコム。
「「「みんなに言ってるじゃねーか」」」
「ぬれぎれじゃああああああああ〜〜〜〜。あっエメリさんは本当じゃよ。」
最後はキリリとした顔で言ってみた。
・・・・あっエメリさん聞いてない。ガン無視じゃ。
とにかくわしはこの話は全力で阻止する。
最悪、いざとなったらチチパさんの前で脱糞してでも!
わしの残りの人生を全て賭けた戦いがこれから始まる!
・・・何この引き・・・




