第2話 何でも屋とは微妙に違う
一同は、ぐっと息をのんだ。
というのも、この誠部を頼りにするものはほとんどなく、廃部寸前なところがあるからである。
豊でも、山太でもないとすれば・・・・・
期待が高まった。
・・・ガチャ。
「ごっめ〜ん、櫛なくしちゃったんだけど、探してくんない?・・・・・って、どしたの?まっじめそうな顔しちゃってさ?」
苦笑しながらずっこける壱叉。
ため息をつく歳弓。
やっぱりか、と目を合わせる豊と山太。
「姉貴・・・・何でも屋じゃないから。一応。」
「え?違うの?」
というのも、入ってきたのは双刃の姉・蜜3年。
壱叉、歳弓とは幼なじみで、昔も今も溌剌とした女性だ。
くせっけのある腰まで届く長い髪は、後ろで一つに結んでいる。
学校一美人とも言われているようだ。
「櫛ぐらい、自分で探せばよかろう?」
「よかろうって・・・江戸時代じゃないんだからさ・・・・・」
「でもさ、みっちゃん。櫛なんて、落とすところ決まってるようなもんだろ?なんでまた?」
歳弓は別として、壱叉に言われたのが初めてだった蜜は、少し驚いたようで目を丸くした。
だってぇ、と拗ねるように俯いて、片足を右へ左へ動かしている。
「私も、一通り探したのよ?家は朝見てきてなかったし、学校の中も探した。落し物にも届いてないみたいだし・・・・」
「ほんとに探したのかよ・・・」
「本当よ!っていうか、姉のこと信じなさいよ!」
「はぁ〜・・・・へいへい。」
蜜は全く食い下がろうとしない。
ふぅ、と息をついてから、壱叉がよしっ、と気合をいれた。
「探すか!」
「ちょ、おい!壱叉!いいのか!?」
そんな何の得にもならない事をするのか、と憤慨する歳弓に、壱叉は笑いながら、肩に腕を回した。
「これも人助けだって。千里の道も何とやら、だろ?」
「壱叉・・・・」
歳弓が頬を桃色の染めながら、壱叉に顔を近づけると、それを壱叉はするりと抜け、蜜のところへ闊歩していった。
がくっとこけそうになる歳弓。
それを見て、クスクスと笑っている双刃。
「ほんとに!?ありがと〜、壱叉!」
「でも、みっちゃんもちゃんと探してな?」
「わかってるって。ありがと。」
語尾にハートマークをつけるようにウインクをして、部屋を出て行った蜜。
「おぇ。いい年こいて、よくやるよ。」
双刃は小さく呟いた。




