猫
掲載日:2013/10/03
木陰から現れた子猫
声をかける前に柵の隙間へ消える
きっとそうやって
いろいろな人の手をすり抜けて来たんた
ざわめく草むらの草も
刺すような夏の日差しも
可愛がってくれた人も
撫でてくれた手も
美味しいご飯も
甘い言葉も
とろけるような温もりも
なんの声もあげずに
笑顔のひとつも見せずに
何も知らない顔で走り去る
泣きたい夜もある
凍えそうな雨の日もある
悴む冬の日も
ひとりでいるのが辛いくらいに
綺麗に晴れた青空の日とか
ひらりと舞い落ちる花弁とか
それを耐えて、耐えて、耐えて
それでも自由を選んだから
今日も野良猫はひとり
木々の隙間へ逃げていく




