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痛い。


背中?

肩も。

頭も。

どこもかも。


温かい。

左手の先。

温かいものが触れている。

左手だけが痛くない。


ここはどこだろう。

一緒にいけたのか。

あれ、どこに行こうとしてたっけ。

誰と一緒に。


痛い。


薄く瞼を開ける。


暗い。

着いたのかな。


痛い。

体が動かない。

おかしいなあ。

どうして急に。

さっきまで自由に動けていたのに。

あれ、どこにいたっけ。

誰かと一緒だった気がする。


左手だけが温かくて痛くない。

何かに包まれている。

だけど動かせる。


目をもう少し開けて、手の方をみる。

かすかな光に照らされて人影が見える。


誰だろう。

女の人だ。目を閉じている。

両手は下に下ろしている。

僕の左手を包んでいるのはこの人の手だった。


彼女はじっと動かない。

眠っているのだろうか。


左手を包んでいるものを握り返す。

彼女の目が開く。

赤い。


「片岡君?」


言葉が出ないので左手でかすかに握りかえす。


彼女が手を壁に伸ばして何かを押すと、音が鳴った。


左手がすぐに再び握り締められる。

精一杯、握り返した。


「片岡君」

みるみるうちにその目に涙が溢れていく。


左手の温もりが、確かになっていった。


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