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無音の気術師

作者:波浪
剣は抜かなかった。
相手の気が、僅かに揺れたのを感じたからだ。
右に来るーーそう思った瞬間、ユウは一歩だけ下がった。
攻撃は来なかった。
代わりに、相手の気が乱れた。
「なぜ、読める」
ユウは答えない。
気を乱したのは、剣ではなくーー恐怖だった。
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