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猫の手も借りたい

いやぁ……。


慣れない。


僕のはまだ小さいから見た目的には変わりないけど、フレアがやばい。


でっかいでっかい。


多分誰かしらは好きになっちゃうんだろうなって感じの、つり眉タレ目美人エルフ。


髪も腰まである。


僕は元から長いから、違和感はないはず。


思考回路の組み立てに時間のかかるセインが口を開いた。



「皆ってなんの動物が好き?」



安全運転に揺られながらピコピコと動く耳に、フレアが手を伸ばす。


が、セインは華麗かれいに交わした。



「あたしは犬が好きだなぁ……可愛い!」



仕草に似合わない声が耳を撫でる。



「俺は狐ですね」



「それは私だから?」



「はい」



「正直でよろしい……棗は?」



大きな手を自分の頭に乗せる。


スマホから目を離す。



「ハムスター」



「なーくんは猫かと思った!」



「よく言われる〜」



適当に返事を返しながら、1つの記事を触れる。


【獣人の郷、謎の現象から約2ヶ月】とシンプルな見出し。


内容は今僕らがなっている男女逆転現象だ。


これもアルバートが関わっているのか?


いや、だとしても謎すぎる。


しわのよる眉間みけんを指で伸ばす。



「依頼内容を確認しようか。今回の依頼者は獣人の郷のおさだ」



「ライオンだったっけ?百獣の王ってかっこいいなぁ」



うふふっと可愛く笑う。



「にしてもさぁ……誰がこんなことしたんだろうな」



「それが分からないから解明しに行くんだよ」



「分かってる分かってる」



パカラッパカラッと固い床を蹴る音が脳に響く。


馬に乗ったのなんて初めてだ。


前に「転移魔術で行ったほうが早くね」と打診したが、「そんなの面白くない」と却下されてしまった。


流石に急いでいる時は使うけれども。


レイラ・マグレーネとセイン=ポドリファは楽しくないことはやらない。


僕も楽はしたいけどしたくない。



「やっぱりスコーは運転上手いな」



「まぁね!なんでも出来たら楽しいから」



きっと転移魔術を使ったら、こんな風に笑う姿を見れなかった。


大きな欠伸あくびを噛み殺して、スコーの体をグッと掴む。



「棗、エルフは嫉妬すると何をするか分からないから気をつけるんだよ」



「は?」



唐突にそんなことを言われて理解出来なかった。



「あの子が何をするかは分からないけど、包丁でグッサリと殺られちゃうかもよ」



冗談だろと思ったが、音が冗談じゃなかった。


声色。



「近づいてきましたね」



「だねぇ」



馬から降りて、小屋に預ける。


セインは大きく伸びをして。



「さっ、おさに会いに行こうか。ライオン苦手な人は?」



彼は振り返るが、誰も手を挙げない。



「よし。あっ、動物には気をつけるんだよ」



動物。


ここにも虫人と同じような感じだ。


知識を持たない四足歩行のタイプA、知識を持ち二足歩行だが限りなく獣に近いタイプB、人間などがカチューシャとかで変装出来るレベルのタイプC。


やはりどこに行ってもそうだが、ジロジロと見られる。


まぁ観光スポットとはまるで違う場所だからな。


普通に生活してる場所に異種族が足を踏み入れるのだ。


警戒されても仕方がない。



「あの、棗さん……ですか?」



不意に呼ばれて振り向く。


見るとそこには、猫耳を生やし尻尾が二つに分かれた猫又が居た。



もみじさん」



「えっ椛ちゃん?」



まるで今知ったかのようなフリをするセイン。


彼女は戸惑ったように「どうしてここに?」と問う。



「依頼だよ。最近、獣人の郷では男女逆転現象が起こってるみたいでね……私たちもそれに巻き込まれちゃったってわけ」



「なるほど……あっあの!良かったらお供してもいいですか?」



突然の提案に神様以外は困惑した。


それを察して、彼女は手をブンブンと振る。



「そのっ!迷惑なら全然いいんです!」



「どうしてお供したいの?」



冷えた目線が猫又を突き刺す。


彼女は肩をビクッと上がらせた。



「ここの人達は警戒心が強いですから、私がいた方がスムーズにいくのかなって。それと……本題はこっちなんですけど……」



言いにくそうに目線を彷徨さまよわせる。


何秒かたってから意を決したように口を開けた。



「お嬢様が困ってて」



「お嬢様?」



フレアが首を傾げた。



「あっ迷子になっていた所を助けた程度ですけど。で、そのお嬢様が来週、異種族の方とお見合いするみたいなんです」



「だから手伝いたいと……」



「はい」



力のない声。


何となく予想はつくが……。



「いいよ!」



にこっと人のいい笑みを浮かべる。


分かりきっていた答えだ。


袖がグイッと引っ張られる。



「なーくん、あの妖怪さんは誰?」



そういやスコーは初めて会ったのか。



「前の依頼人ってとこかな。レイラは仲良いみたいだけど、僕はそんなに知らない」



「なるほど〜。流石さすがセッレーくん!顔が広いね」



うんうんと感心する彼女より上を見る。



「フレア」



「何だ」



相変わらずムスッとした顔。



「今日は仲良くいこーぜ」



「…………あぁ」



互いに不機嫌ふきげんな声色でやり取りを交わす。



「それじゃあ、本当に今度こそ行こうか」



「道案内は任せてください」



秋みたいに笑う茶色と白のツートンカラーの前髪が風に揺れる。



「はっはぐれないように頑張ります」



多分無理な意気込みを語るスコーの手首を掴んで、足を踏み出した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


おさの見た目はタイプC。


たてがみがふわふわとしていて、触り心地が良さそうだ。


性格はヴァンパイアの王様とはまた違った感じ。


ハキハキとした声が全身を貫く。



「ようこそ〜!ここは中央のさとプロスペリダーテへ!依頼人のオリーブだ!!」



背後にババーンっと線上の光が見えるのは気のせいだろう。


しっぽがふりふりと左右に揺れる。



「こんにちはオリーブ様。わたくしは何デも屋のリーダー、レイラ・マグレーネと申します。こちらの3人はわたくしの仲間です。そして、オリーブ様のめいにあたるクランベリーお嬢様から彼女も今回の件に関わらせて欲しいと考えていますが……いかがでしょう?」



丁寧な口調が逆に怖い。


ガチガチとこわばっているスコーの腕をぎゅっとつねる。


少し緊張が解けたのか、痛みに顔を歪めた。


覚えてたら後で謝ろう。


長はうんうんと頷いている。


この感じだと大丈夫そうだな。


……2ヶ月ぶりの大きな依頼。


体がなまってないか心配になる。


ふとシャンデリアが目に入った。


気づけばフレアとスコーの腕をグッと引っ張っていた。


ガシャンっー!!!



「危ない危ない」



僕らを海水の膜が覆う。


豪勢ごうせいなシャンデリアは粉々に砕け散っていた。

何か小ネタを話そうと思って忘れました。フレアの眼帯は一人称視点では右に着いてますが、二人称視点では左側に着いているように見えます。この現象はとても嫌いです。


良ければ評価やコメント、ブクマをお願いしますm(_ _)


【学んで楽しい種族図鑑】

4/魔族


外見↓

髪の毛は非常に長くメッシュが入っている。

ヴァンパイアのようなメッシュの本数に意味は無く、髪の長さによって強さが決まる。

角張った角が生えている。

瞳と同じ模様をしている。

瞳は簡単な幾何学模様きかがくもようから難しいものまである。

特に意味は無い。

耳は少しとんがっており、短い。

肌は赤みがかった色をしている。


能力↓

金属で出来た杖を使い、言葉を唱えると魔法陣から技を発現できる。

髪の長さによって魔導力が変わり、感情の変化によって威力が変わる。

魔導力……単純な強さ

感情……ゲームで言う強化アイテム

魔術と魔法を組み合わせた魔導は使い勝手はいいが、前者に比べて威力は落ちる。

魔術師や魔法高い、妖術師と同じく試験があり階級は無い。

但し、受けるのも受かるのも非常に難しい。


寿命↓

大体2000年まで


性格↓

好奇心が強く感情豊か。普段と戦闘での豹変ひょうへんぶりがカッコイイと他種族から話題。


生活↓

巨大な宝物庫の中で暮らしている。

様々な色、音、匂いが混じっているため、外部から来た種族は中々近づかない。

これは外部からの奴隷狩りから自身たちを守るためだとか。


言語↓

こちらの世界で言うとフランス語に近い。


政治↓

1番綺麗なものを持っている魔族が偉く、社会主義。


作中に登場する魔族↓


スコーピオン

エフェメラ/フール・ロイピュアル

ワスプ/フォールス=インテリジェンス

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