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犬 臭い 行動

レイラ視点

…………。


面倒臭いなぁ。


ため息を吐き、彼らを見つめる。


流石はスーちゃん。


ほうき乗りがお上手なこと。


血が飛び散る。


黒い外套がいとうには付着ふちゃくしていない。



「ありがとうね、ルイ」



首を後ろに倒す。


そこには、燕尾服えんびふくを着た執事らしい青年が、泡を出している。


本当は皆と一緒に行きたいんだけど。


彼らを狙う奴が多すぎる。


多分博士の仕業なんだろうけどさ。


リーダーはちゃんと皆を守らなきゃね。


鮮血が流れ出た、男の頭がゴロンと落ちる。


それを両手で掴み、目を合わせた。



「可愛いね」



そう言って、顔を潰す。


この血液は付着した。


ルイがおおい被さる。


赤い液体は消えた。



「ありがとう」



幽霊は喋れない。


否、喋れはするが、見えている者以外には聞こえない。


海水の体に、人間の体内構造を作る。


複雑。



「あーあっあーあー」



「喋れてるね」



「ありがとう。レーラ」



ニコッと笑う。


光の加減で時々分からないけれど。



「ねぇルイ、今回はどうなるかな?」



「さぁ。どうであれ、結末は変わらないよ」



「まぁね。私がミスをする時は決まっている」



斜めががった屋根に寝転ぶ。


駄目だ滑る。


仕方なく座った。


にしても、暇だし。


視覚と聴覚の情報を増やすか。


手袋を取る。


指から糸ぐらいの透明な線が、魔族の宝物庫をおおい尽くした。



「……食べるかぁ」



「食べる?」



「3人の会話から聞こえてきた。これはどっちだろう。ブラッドみたいな博士操りか。マジモンのやばいやつか」



屋根から飛び降り、魔族の姿になった。


髪の毛が長すぎて邪魔だ。


ほうき……という名の杖に横向きで座る。


極稀ごくまれに、落ちかけるんだけど……。


まぁまぁまぁ……。


杖の速度を早め、彼らを上から見下ろす体勢になる。


だが、エルフは上を向く。


片方しかない目をキラキラさせた。


2人も気づいてしまった。


仕方がないので、音を立てながら地面に着地する。



「どう?調子は」



「分かってんだろ?」



棗が無愛想に言い放った。


相変わらず。



「あの、レーちゃん」



「?どうしたの。スーちゃん」



「えっと……なんかずっと嫌な予感がするの」



「するね。で、それ」

「レディバグ」



聞きなれない声が、身を包んだ。


さっきからの足音はアンタか。


何故か……。


何となくは分かる。


女は〝スコーピオン〟を〝レディバグ〟と呼んだ。



「レディちゃんどこに居たの。あらあら……そんなに髪乱しちゃって。お母さんが直したげるからこっち来なさい」



彼女は心配する眼差しを、スーちゃんに向ける。


ボサボサ頭が小さく動く。



「あたしはこれがいいの。」



「……どうして?レディちゃんには似合わないわよ。だからね?言うこと聞いてレディちゃん。貴方はお母さんの自慢の娘なの。あと、その変な服も良くないわ。全く似合ってない。きっとその人達にそそのかされているのね。可哀想に……。でも大丈夫よ。貴方はお母さんが入れば幸せになれるんだから。そういえば前のお見合い断ったわよね?相手方にもう申し訳なくてねぇ……」



「…………」



スーちゃんの握りしめた手が震えている。


よっぽど怖いのだろう。


っていうか、良くもこんなにベラベラと喋れるものだ。


ここで口を挟んでもいいものか否か。


悩んでいると、棗が彼女の手を取った。



「失礼ですが……彼女は〝レディバグ〟でななく、〝スコーピオン〟です。お間違えないように」



平坦な声。



「じゃあ行こうか」



「ですね」



魔族たちの不穏な空気を残したまま去った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


スーちゃんの顔は沈んでいる。



「君はまず言いたいことをまとめないと」



「んぅ……でも……」



「なんで無視しないわけ?」



「……………………」



そういう所が優しいんだなと漠然的ばくぜんてきに思った。


フレアの背中に乗っている体を、グッとひっつける。


メンバーが増える事に、構う頻度は減っていた。


そのせいで私を使ったR18禁ゲームが増えることを防ぎたいっていうのもある。


あれを見つけた時の感想はなんとも言えないものだ。


そんなことを考えていると、スーちゃんの高い声が耳に入った。



「……なんか色々考えちゃうんだ。それがぐのぉってなってぢゅべぁって感じで……」



…………中々に独特な表現。


彼女に報告書を書かせるのは無理そうだ。


多分脳をいじくられるんだろうなぁ。


頭を振る。


さっきから土埃つちぼこりが凄い。


パチンと指を鳴らし、透明な壁を作る。


棗がせきをした。



「棗〜。不調があったら言うんだよ?人間は脆いからね」



「はいはい、」



言い終わる寸前で、私は棗を。


スーちゃんはフレアを持って、真上に飛んだ。


2つの双眸そうぼうが、彼を捉える。



「にして事件が起きるのが早すぎるなぁ」



「呑気に言ってる場合か!」



彼に非難を浴びせられ、視界が暗く染まった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


彼らの心配は微塵みじんも無い。


私の目の前にはフレアがいる。


否、〝フレアに似た物体〟と言う方が正しい。


口を利けるのだろうか。



「ねぇフレア。ここがどこか分かる?」



「いえ、全く。それよりセイン様。お怪我はありませんか?」



記憶にたがわぬ動作。


見た目も同じ。


ただいつもとは違う部分がある。



「ないよ。それよりフレア」



「?なんですか」



ズカズカと距離を詰める。


そしてギュッと抱き締めた。


複製した眼球に映るのは、顔が熟れた林檎の彼。



「いつものやつは……やってくれないの?」



猫なで声でささやくと、〝それ〟は肩を震わせた。


無論むろんこんなことはしていない。


流石にキモイ。


背中に手が触れる。


ーボギィッ


鈍い音が鳴った。


口から血が出るのを、突き飛ばして防いだ。


ちゃんとしたエルフだったみたい。


恐らく魔術を使ったんだろう。



「ねぇねぇ〜まだ生きてる?」



返答に反応しない。


顔は可哀想だから、男の大事な場所でも蹴り上げておいた。


どれぐらいの痛みかは知ったこっちゃない。


友達に手を出すのが悪い。


微かに手を挙げる彼を、下方向へ思い切り叩きつけた。


いい音が鳴る。



「な‘’ん‘’で‘’!!!」



透明な雫流れる。



「だってここから脱出したいんだもん。ここには出れるような場所は無い!なんとな〜く……どっちかが死ぬまで出られない気がするしさ」



上に投げ、足蹴りをかました。


エルフの体が吹っ飛ぶと同時に光が差し込んだ。


海水で羽を作り、羽ばたかせる。


彼を抱き上げ、遠く離れた場所に移動した。


折れた骨を戻しながら、フレアを思い出す。


彼は鼻が良い。


だから、香水とかの匂いは一部を除いて嫌いだ。


そして私は今フレアの嫌いな香水をつけている。


けれど近づいても、鼻を抑えるなどの動作はしなかった。


さてさて。


彼らが脱出できるかどうか……。


顔がぐちゃぐちゃなエルフの身動きをふうじて、中に浮いた黒い箱を見やった。

肩にコアラが3びき乗ってる重たいです。


良ければ評価やコメント、ブクマなどお願いしますm(_ _)m


【小ネタ】

元はセインが主人公でした。しかし、メイン主人公よりかはサブ主人公に近いなぁと感じ現在のような形になってます。フレアの説得がとても大変だったのは言うまでもない。

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