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いただきます

雪が降った日に外に出て、家に入ると中が暗く見える現象。


正式名称は分からない。


けれどそんな感じがする。


光が差し込む場所はキラキラと輝いていた。


なんというか、流石さすが宝物庫と言うか。


イメージ的には一面金世界かと思っていたのだが、意外にカラフルだ。


眩しい。



「あの人から聞いてた話と全然違うなぁ」



「あの人?」



レイラと目が合う。


唇に人差し指を当てた。



「……ごめんなさい、ちょっと」



そう言ってスコーはうずくまる。


こんなに色が多いのだ。


いや、ビビッドカラーが絶妙にマッチしていないのだ。


一般人の僕でさえ、少しの吐き気を覚える。


確か魔術でそれを治すのがあったはず。



「ちょっと触る」



「うん……」



頭に触れる。



「カラーアイ」



いつ使うのか分からない魔術が役に立った。


視界を1色にする魔術。


燿爛からは、目くらまし様だと教えられた。



「どう?」



「ありがとう」



崩れた笑みは少しだけ硬かった。


頭をあげるとレイラは空を見上げていた。



「どうした?」



1人だけ時間が遅れたように錯覚になったのは気のせいだろう。



「いや、なんか面倒くさそうだなと」



「?」



首を傾げた僕を横目にクリーム色の髪が、視界を遮った。



「さぁ、今回の課題は捜し物だよ」



固い道を音を鳴らして歩く。


今回の依頼は〝誘拐犯を捕まえる〟こと。


ヴァンパイアの洞窟を思い出す。


ただし今回は犯人が分からないらしい。


そこは何を考えているか分からない彼に任せよう。


呑気な考えを巡らせていた。


が、そうもいかない。



「それじゃあ任せたよ〜」



「ですよね……」



「レーちゃんはしないの?」



どこを見ているか分からない眼球が、不安を帯びる。



「私は他にしたいことがあるからさ♪」



本当か嘘かはいまだに分からない。


あたふたする彼女だけを置いて、レイラは跡形もなく消え去った。



「消えっ!?消えちゃった!?」



まぁ驚くよなぁ。


速すぎて見えない!とかじゃなくてマジで居なくなったんだもん。



「取り敢えず会話が聞かれない場所に行こうぜ」



「脳内で会話するやつは使えないのか?」



今まで入ってこなかったフレアが口を挟む。



「スコーの調子次第。後、お前が僕を丁重に運んでくれるならな」



彼の顔が一気に曇る。



「アイツは〝仲良く〟ってたからな」



レイラはどこにいても見てる。


何デも屋に入る前の僕の行動パターンを全て把握されるぐらいには。


喉を潰されたような声を捻り出す。



「分かった……」



そんなに嫌か。


スコーの身長がもう少し高ければよかったのだが。


彼女の身長150cm。


僕な170cm。


またもや20cm差。


相当な筋肉でもない限り、ほんとのか弱そうな少女では引きるしか出来ないだろう。


顔をしかめる彼と、おろおろしている彼女を連れて、黄金の道を踏みしめて行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ごめんね……あたしのせいで……」



まるで枯れた葉っぱのようにしおれている。



「迷惑かけてなんぼの精神でいこうぜ」



「ここはそういう場所ですからね」



コイツとはたまに意見がマッチする。


…………絶妙にやだな。


丸眼鏡と長い髪の隙間から顔が見える。


唇をきゅっと噛み締めていた。


血が滲んでいる。



「何か当てがあったらいいんだけどなぁ……」



フレアが機転を利かせる。


スコーは弾かれたように顔を上げ、大口を開けた。



「あります!うん、ある!」



扉を勢いよく開けたはいいものの、思い切り頭をぶつけている。


大丈夫かよ。



「それじゃあ案内してもらえますか?」



「うん!」



ニコニコと微笑むスコーとフレアは、昔の物語に出てきそうだった。


アイテムボックスに手を突っ込む。


100冊ある魔術書の中から1冊を取り出した。


今回はこれがあったら行けるだろう。


紙をパラパラとめくる。


よく頑張って覚えたよなぁ。



「行くぞ」



振り返らずに窓から飛び降りる。


そのまま違う屋根を掴んで、よじ登った。



「早くこーい」



「勝手に行動するな」



「待って〜」



フレアは魔法使いらしく、杖にまたがる。


スコーも杖にまたが……ってない。


危険な乗り方をしている。


杖の上に立っていた。


へにょへにょしたあの子からは想像がつかない。


そのまま僕を追い越す。



「棗、乗れ!」



「はいはいっと」



仕方が無いので、ぎゅっと抱きしめる。


その時、2人とも悪寒が走ったのは言うまでもない。


風で前髪が無くなる。


スコーのやつ速すぎるだろ!


フレアも頑張ってるが、それでも彼女は米粒程度の大きさだ。


長い髪が急になびくのを止める。


その拍子で、10cm高い彼の背中に思い切り頭をぶつけた。



「いっった」



「ちゃんとしろ」



若干睨まれ、前を見る。


そこには可愛らしい鳥がいた。



「何それ」



撫でる。



「ウィユオワゾ。どこにいても見てるから、落し物を探したりする時に頼ってるんだ」



そう言って、羽を1枚抜き取った。


耳にピッタリと付ける。



「なにやってんの?」



「分かると思うか?」



「使えねぇの」



「仲良くって言ったでしょ?」



「「うわっ!?」」



どこからともなくレイラの声が聞こえた。


威圧感のある音だけが頭の中で反響する。


ウィユと同じじゃあねぇか。



「ウィユの羽を耳に当てると、この子が聞いてきた声が頭の中に入ってくるんだよ」



「へぇ〜」



羽の色は全体的に青っぽく、先だけ黄色が買っている。


中々にシャープだ。


さっきから頭が痛い。


ズキズキじゃなくてツンツン。


しかも温かい……。



「フレア、僕におかしい所はないか」

「ない」

「嘘つけ」



目が合わない。


明らかに僕の頭の上を見てる。


試しに指を、近づけてみた。



「いたっ」



ちょっとだけ血が滲んでいる。


なついてる訳じゃないのか。



「分かったよ!って……ふふっはははは!」



ようやく事態に気づいたスコーが豪快に笑い出す。


途中お腹を押さえながら、苦しそうに息を吸う。


しばらくして、涙を拭きながら口を開いた。



「っふふ……懐かれてるね。しばらくは離れないよ」



「えぇ……」



困惑気味に頭を振ってみる。


が、全く離れず。


むしろ頭にしがみつかれるせいで痛い。


諦めるか……。


僕らはその後、ゆっくりと地面に降りた。


魔法は基本攻撃しか出来ない。


だから、浮遊だって上からたたき落とすために使われる。


そう考えると技量は凄い。


皆凄いんだよなぁ……。


あっ。



「何か分かったことあったか?」



スコーの袖をグッと引っ張る。



「あっ。うん。えーっと……」



言葉を濁す。



「帰ってこないらしい」



あんまり想定してなかった答え。


…………。



「詳しく」



フレアがスコーに近づく。


言いにくそうに。


眉間にしわを寄せながら言った。



「……食べられたみたい…………」

プロローグを書き直そうと思います。

木曜日に投稿したいです。

ゼウス様の元に行ってきます。


よければ、ブックマークやコメントをよろしくお願いしますm(_ _)m


【Happy birthday 9/1日 神楽フレア】

〝棗が入る前の話〟


「フーレア」


「なんですか?」


「今日は何の日でしょう?」


「セイン様が頭を撫でてくれた日です」


「違う。ってかよく覚えてるよね」


「覚えていないなんて俺の恥です」


「ん〜……今日は君の誕生日だよ」


「あっ。そうか」


「そうかって……興味無さすぎじゃない?」


「24時間365日セイン様しか考えてません」


「それはそれは……はい、これ」


「……これはっ!?」


「何あげようか悩んだんだよ〜。どれあげてもありがとうしか言わないだろうし」


「当たり前じゃないですか」


「あっははぁ……で、どう?」


「家宝にします」


「家宝増えすぎじゃない?」


「でも……使いにくい……実用性があるばっかりに……」


「杖は使ってなんぼだよ。壊れたらまた、作ったげるし」


「それでも駄目です」


「……使ってくれたら、結婚する確率が上がるよ」

「使います」


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