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思い出

鼻が曲がりそうなぐらい強烈な臭いが頭を支配する。


辺りは廃れた村だった。


田舎も田舎の超ド田舎。


今では〝鬼〟が住んでいる場所か?


そんな感じがする。


田んぼには、稲と思しき物が腐っていた。


土もカチカチにひび割れている。


ハエやら何やらがブンブンと音を撒き散らしていた。


空は今にも雨が降りそうなぐらい、雲が重たい。



「あんたはココで暮らしてたのか」



確証を得るように。


反応を知るように。


耳元で声が聞こえる。



「そうだよ」



モルペウスの姿は少しだけ成長していた。


小学生や中学生。


目は完全に虚ろだった。


手や足からは痛々しい程に血ではない何かが溢れだしている。


液体ではあるが赤ではなく、黒や青や黄色などのカラフルな色。



「痛くないわけ?」



「慣れちゃった」



「慣れかぁ……それは分かるかも」



「盗っ人風情に?」



「皆そこしか見ねぇよな」



「それ以外に」

「14年前の事件。……事故でもあるか」



その言葉を聞いた瞬間、神は少しの動揺を見せた。


ちょっと目尻を上げる。


さっ、ここから騙していく。



「流石にネタで言ってたら不謹慎すぎるよなぁ?」



「お前はひけ」

「ゆーてそんなだけどね。僕は5階だったし、無能だよ」



「無能……」



「そうそう。……僕の過去。知りたい?」



不敵に笑うと、モルペウスは頭が取れるぐらいに頷いた。


なんせ代々的に報道されたものの、情報は無いに等しい。


ただただ「こんな事件が起きました~。詳細分かりません。次の話題は~」みたいな。


中途半端な情報は、誤解と不謹慎さを生む。


それならやらない方がマシだ。


口を開けた。



「なら条件がある。先にあんたの過去を聞いてからなら、僕の過去を話す。そうじゃないとフェアじゃない」



言ってみたものの、そんなことする訳がない。


したら僕とモルペウスがどうなるか分からないからなぁ。


アイツがいいって言うなら別だけど。


99%の確率でありえない話だが。


ポケットの中にあるナイフに手を伸ばす。


モルペウスは背を向け、歩き出したので僕もついて行くことにした。


土で出来た道には猫や犬、鳥のバラバラ死体が落ちている。


趣味が悪い。


10分程度歩くと小さな小屋……家か、に着いた。


今ではもう絶対に見ることのない形状。


中に入ると残飯やぬいぐるみのわたが散らばっていた。


さっきから酷い悪臭のせいで、鼻が馬鹿になっている気がする。



「僕は皆にとってゴミ同然の存在なんだ」



「へぇ」



「勉強も家の手伝いも人間関係も全部出来ない」



お涙頂戴ヒロイン気取りの悪役野郎。



「割り切って生きれない感じ?」



「その時はまだ子供で」

「言い訳だろ」



モルペウスが後ろを振り返る。


その表情は動揺で、目は涙で潤んでいた。


こいつには僕がどんな風に映っているのだろうか。


聖人にでも映っている?


そんなものはただの勘違いだ。


って表面上では思ってる振りでもするか。



「お前は僕を」

「〝救ってくれる〟。そう思ってんだろ?」



「違うのか?」



「そうだなぁ。救ってやるよっ!」



そうやってナイフを首に目掛けて、切りつけた。


しかし、避けられる。


やっぱりナイフは使いずらい。



「あんま、ちょこまか逃げんなよ。ちゃんと望み通り救うからさっ!!」



今度は銃を使って打つ。



肩を掠め、カラフルな液体が流れ出る。


一気に距離を詰め、首を刺す。


聞き馴染みのない音が鳴る。


「ウッ」でもなく「ウプッ」でもない。


「ゴプァ」みたいな。


血と唾液が混じったよう。



「後は頼んだぜ、フレアッ!!」



よろけるモルペウスから、急いで離れ、防壁を貼る。



「あ~やだやだ。レイラに活躍したところ見せたいからって張り切っちゃうやつ」


やれやれと体全体で表現する。


聞こえはしないが、「黙ってろ」と耳に入った気がした。


ほんと、魔術師はトドメをさせないのが残念で仕方がない。


目の前で火花がパチパチと散る光景に、ただの何の感情も抱けなかった。


土埃のせいで何も見えないが、シルエットだけは浮かび上がっている。


モルペウスは元のサイズに戻っていた。


フレアが近づいてくる。


そして肩を蹴られた。



「お前、何したんだよ」



「別にちょっと騙しただけだよ」



「本当かぁ?」



怪訝けげんそうな顔で見てくる。


あっちで何があったんだろうか。


後ろにいる神はぐったりと倒れており、何かが剥き出しになっていた。


これは…………。



「核……か」



人間で言う〝心臓〟。


神様によって形は様々で、丸や三角、ハートや星型もあったりする。


生々しくはなく、綺麗な石といった感じだ。


核は外壁が強いほどもろく、外壁が脆いほど硬くなる。


モルペウスの場合、ナイフで傷をつけるだけで中身が流れ出るから後者にあたるだろう。


覗いてみると、神の記憶が断片的に映っていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「あんたって子はっ!!!」



ーガンッーーーパリーンッ



ちゃぶ台がひっくり返り、乗った皿が音を立てて割れる。


冷えていた麦茶が倒れ、畳に染みる。



「ごめなさっおかあさっ」



「あんたの母親になったつもりはないのっ!!!!ほんっっっっとうに産むんじゃかった!!!!」



ふすまをバンっと閉められ、堪えていた涙が溢れ出した。



「キモイんだけど。ってか早く片付けろよなっ!」



足で頭を蹴られる。


よろけた拍子に誰かの足を掴んでしまった。



「うっわ!最悪っ!触ってんじゃねぇよ!」



背中を踏まれる。


何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も


しだいに顔や腹を殴られる。


口から唾液が飛び出すと、たちまち罵倒され踏まれた。


前歯が折れ、カラフルな液体が流れでる。


徐々に白色に、青やら赤やらが混じってくると、義兄妹たちは部屋を出ていく。


父は何も言わずに出ていく。


そんなことが毎日のように続く。


動かしにくい体を持ち上げる。


1つ1つ丁寧に割れた食器を盆に乗せた。


何回か指を切りながらも、全て乗せ終えた。


手はカラフルになっていた。


水を使うと怒られるから、離れた川で水をくむ。


その時の僕は随分ずいぶん汚かったと思う。



「ねぇねぇ。痛くないの?」



不意に声を掛けられ、肩が上がる。


そこには肌の悪い少年?少女?がいた。


その子は気にする様子もなく、僕の体をぺたぺた触る。


1度どこかへ走り去り、木箱を持って戻ってきた。


そして白い布を体にぐるぐると巻き付けられる。


久しぶりの優しさは心地よかった。



「きみ、名前は?」



「もっもるぺうす」



「へぇ。わたしはアセビって言うの。いつもここに来るの?」



「うん」



「じゃあまた会えるね!」



ニコッと笑う彼女は僕には天使のように見えた。


その後、家に帰るのが遅いと言われて、また殴られ蹴られ踏まれた。


けれどアセビの顔を見る度に耐えることが出来た。


僕にとって唯一の。


最初で最後の友達。

何となくモルペウスは話してくれなさそうなので話しちゃいますね。長いので「彼」でいきます。

彼は父、母、兄、妹の5人家族で彼は母の連れ子ですね。

かなりドロドロしているのですが、母は色んな相手と不倫していた為、未だに誰の子供か分かっていません。

ですが、彼以外は人間なので、不倫相手は神様で確定しています。

時代は平行世界パラレルワールドで表すと、江戸とかだと思いますが……なんせこちらの世界年号がないため分からないことが多いですね。

ちなみに彼以外の家族は山から降りてきた熊に殺られました。

そこからは何百年かは1人で過ごしています。


良ければ評価やコメントをよろしくお願いしますm(_ _)m


【唐突プロフィール】

名前 (偽名)フール=ロイピュアル

名前 (本名)エフェメラ

誕生日/5月5日

好きなこと/おままごと

嫌いなこと/本を読む

趣味/可愛い物を集める

種族/魔族

わがままで我が強い。けれども、仲間に対しての情が火傷する程に暑い。


名前 (偽名)フォールス・インテリジェンス

名前 (本名)ワスプ

誕生日/11月1日

好きなこと/魔導の勉強

嫌いなこと/密室状態

趣味/刺繍ししゅう

種族/魔族

本が好きで、42時間ぶっとうしで読んだこともある。真面目で緊張しやすい。


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