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いらなかった

魔術をかけてから約4日。


24時間ずっとかけているせいで、体力も限界に近い。


頭を抑えながら、ベッドに横になっていると頭をコツンとつつかれる。


耳に顔を近づけられた。



「後3日、頑張れるかい?」



「……多分」



燿爛ようらんを押しのけるように、勢いよく立ち上がる。



「日光浴びないと、人間は駄目になるんですよ」



「それは同意だね。あの時は真っ白になった」



うんうんと首を上下に動かす。



「ってか大丈夫ですか」



「ん?あぁ話かい?今は隣の部屋には誰もいないから、心配しなくていいよ。」



察しが良くて助かる。



「堂々としてますね。ダメですよ。……アイツが言ってたんです。〝油断したヤツから死んでいく〟って」



「あぁ……あの子はそーゆータイプだもんねぇ。その癖作戦は立てずに君らに殺らせる」



皮肉っぽく言われる。


無視して服を着替え始めた。


なんだかジロジロ見られてる気がする。



「そういえば棗くんはさぁ。女がいるのに襲わないんだね?」



「全く興味無いですね。それに今は逆でしょう?」



「まぁそうだけどね。あっじゃあ襲っちゃ」

「首だけにしてあげましょうか」



「ごめんて」



髪を括り、少しの化粧をしてみる。


スマホを見るがここの階には誰もいない。


デジタル時計は10時ぴったりだった。


寝坊か。



「昨日、大体のヤツらは本名が分かりました」



「おっ凄いね!私のやつ聞く?」



「情報は共有しておいた方がいいでしょう。聞きま

す」



少しだけ食い気味に聞く。



「実は皆の履歴書的なやつを本部に送った」



「ってことは全員の本名が分かったってことか……一体どうやって」

「洗脳だよ」



「……卑怯とは言えないな」



「っふふ。君も卑怯なことしたもんねぇ」



目尻と口角を上げ、ニヤッと笑う。


最初はエリンギとウドを足したようだと思ったが、違うみたいだ。


彼女はもっと意地悪なやつ。


さて、今日は何をするか。


本名は全て分かったし、握られて嫌なもの……。



「弱みか」



不意に口を開けた時には、燿爛の姿はいなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ぶらぶらと廊下を歩く。


スマホを見るがまばらだ。


きっと任務にでも出たのだろう。


背後に気配を感じる。



「おはよう。朴木棗」



後ろを振り返る。


綺麗に外に跳ねたウルフカットに、青いパステル色の瞳。


右頬に星のマークが描かれており、元の僕より身長が低い。



「あの時以来だな。トラッシュ」



「君はまだの僕の名前を知らないんだね」



ビックリするぐらいの表情の無さ。


人形に近い。



「お前は知ってるみたいだがな」



「どうして僕は君の侵入なんか許したんだろうね」



手を伸ばされる。


僕はただ何もせずに見つめた。


声から憎悪や怒りが湧き出ている。


目の前が明るくなった。


体に外傷はない。


隣には魔術の解けた燿爛が居た。



「邪魔しないでくれ。二人で話したいんだ」



「その中に割って入るのが私だよ。トラッシュ改め、モルペウス・レスト。君を殺しに来た」



「……それでも君らは警察か?他種族や同種族を殺して楽しいのか」



「それは君も同じことだ。だからさ、どっちかが死ぬまで恨み合いは続くよ」



もっともらしい意見に思わず感心した。


でも嫌な予感がしてたまらない。


モルペウスの体から黒いもやが吹き出る。


その瞬間、燿爛に手を掴まれたが、振り払う。



「棗!?」



「行ってください。お願いします」



「でもっ!」



「僕の足でまといになりますから」



そう言うと、燿爛は振り返らずに走り去った。


作戦を立て慣れている人は、ちゃんと作戦通りに動いた方がいい。


正直に言うと魔術師だけでは倒せない。


まぁ魔術師に圧倒的な剣技の才とかがあるなら、別だが。


生憎僕は不意打ち以外には向いていない。


今の平凡な僕に出来ることは、アイツが来るまで時間を稼ぐこと。


震える脚に鞭を打ち、モルペウスの元まで走った。


瞬間目の前が暗くなる。



「ちょっとだけ付き合ってやるよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「燿爛っ!」



走り続けていると、うちの可愛い後輩の杉が居た。



「杉っ!皆は?」



「フレアさんは棗の方に向かってる!」



「そっか。ジンは?」



「えっとはぐれたっていうか、その、」



肩で息をしながら、頑張って口を開く。


嫌な予感の中、魔術書を開き、呪文を唱える。



「フェアタイディグング!」



その瞬間、私と杉の周りに透明な防壁が出来上がる。


同時に魔法が分散した。


煙が辺りを包む。



「また出会ったね♡から傘お化け?だっけ。君らの相手はあたしと……」



「小生です」



この状況には合わない考えが、頭を支配する。


今まで仲間だった時の彼らの顔は、優しい表情を浮かべていた。


けれど敵と認識した彼らの顔は、殺人鬼に似た顔をしている。


いいなぁ。


やっぱりどの種族もこの憎悪に満ちた時が一番綺麗だ。


思わず口角が上がってしまう。



「杉……今日は君はフールの方を頼むよ。サポートはするから。一応、殺ってはいるから……殺すも殺さないもどっちでもいいよ」



興奮を抑えながら、震える杉の肩に手を置く。


この子はまだ誰も殺した事が無い。


いつかはと思っていたことが、今日起こるとはなぁ。


そういや妖術って殺せるんだっけ。


そんなことを考えていると、キラリと光る魔法陣が見えた。


二人でいた方が危険か。



「杉、1回離れよう。早く決着をつけて戻ってくるから、それまで耐えて」



それだけ言うと、不安そうな杉を置いてフォールスにドロップキックをかます。


バランスを崩し、倒れるフォールスに拘束魔術をかけようとした。


が、杖によってかわされる。


かわした杖ですぐさま魔法陣を作り出し、攻撃される。



「中々いい攻撃するね!」



次々と繰り出される攻撃を、壁や床を使いながら、たんたんと避ける。


少しでも杉から距離を離さないと。


最悪私が倒れた時に、あっちに行ったらたまったもんじゃない。


魔術に致命傷を与える攻撃がないのが残念だ。


さぁて彼をどうしようかな。


一時的に仲間に加えるか、それとも戦闘不能にするか。


攻撃をかわしながら、考える。


魔術書を開く。



「コプフッ!」



何かされると思ったのか、身構えるフォールスをよそに、1度壁際に隠れた。


コツコツと足音が聞こえる。



『ジン、殺す?殺さない?』



『耀爛!無事か!?』



『今のところは。ただ殺気増し増しだからなぁ……』



『一旦殺さないでおこう!』



『えっセイ』

『じゃーねっ』



『……とりあえず生け捕りで大丈夫みたいだ。アイツの考えてる事は分からないが……多分何かあるんだろう』



『そうですねぇ。じゃあ一時的に仲間にしますね』



そう言って会話を終わらせた。


目の端に魔法陣が映る。


防御は無理そうだなぁ。

あの……皆の活動って沢山の方達に見守られているんですね。杉とか大丈夫なんでしょうか。気づいた瞬間タンスとかに隠れる気がします。燿爛は薔薇振りまいてますよね。


良ければ評価やコメントよろしくお願いしますm(_ _)m


【おまけ】

『バラエティ番組を見る棗とトウモロコシ』


「……」


「…………」


(気まず)


(なんか喋った方がいいよね。絶対。どうしよう)


「あの〜」


「あっどうしたのっ」


「好きな…芸人さんとかいますか?」


「好きな芸人?そうだね、ボクは卵玉子が好き……かも。棗くん……は?」


「あぁ…まだ居ないんですよね。うん。そのケーキ食べます?」


「うん!食べる食べる」


「そうですか。好きなお茶とかありますか?」


「アップルティーが好き!」


「あっ丁度あるわ。ちょっとまってて」


「分かった!」

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