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スリリス

セインは書類の束を体いっぱいに抱え込み、その場にばらまいた。


杉は「何してるんだこの神!?」みたいな顔。


僕も思う。


何やってんだこいつ。


床に散らばった書類をフレアと、神が片付けていく。


当の本人は大きく伸びをしている。


やっぱり何だこいつ。



「今、指名手配中の〝ブラッド〟っていうグループがあるんだ。そのグループが起こした事件は殺人57件、強盗30件、詐欺83件と計170件になる。今回は相手から先制布告してきたから、早めに始末しちゃおー!的な感じ。あっ写真は目を通しといてよ?」



「えっ、今、何したんですか?」



目を丸くする彼に、セインが小首を傾げる。



「ん?全部記憶しただけだよ?」



「この書類、全部!?」



「うん。そんなに驚く?」



「……お前の眼球どうなってんだよ」



「知ってるくせにぃ〜」



いつの間にか、黒いローブに黒いガスマスク。


黒いブーツを履き、全身真っ黒な姿にまるで、からすみたいだと思った。


セインは顔と胴体が氷で出来ているが、腕と脚は海水で出来ている。


海水で人を作ったり、動物を作ったりと自由自在だ。


で、セインはそれで目を大量に作っている。


その目は機能しているらしく、聞いただけでも酔ってしまう。


神様同士の会話が聞こえる。



「それで、どうするセイン」



「なんか作戦あるなら、そっちに従うけど」



「そうか。じゃあまた後日集まれるか?」



「おっけーおっけー」



相変わらずうちのリーダーはマイペースだ。


昔と変わらないな。


後ろに気配を感じた。


持っていたナイフで身構える。



「棗ちゃん♪」



「…………シグナさん。急に背後に立たないでください」



「ごめんね♪悪気はなかったんだよ♪」



反省の色なしだな。


「じゃあね♪」とシグナは何故かルンルンで部屋を出ていった。


さっきから杉がそわそわしている。



「どうした杉?」



「その……」



杉は神達2人を一瞥いちべつしてから、口を開いた。



「おら達の殺人と、他の人たちの殺人は何が違うん

だ?」


その質問に、特に何も考えずに答える。



「求められてるかの違いじゃないのか?」



「求められてる?」



「立場の違いだろ。世間から見たら僕らヒーローだ。ただ、ヴィランから見れば僕らはヴィランだ」



「えーっと?」


杉は不思議そうな顔をする。



「ヴィランから見たら、僕らは最低ヴァランってこと。まぁ個人の意見だから あれだけど」



「なるほど……」



「正義同士がぶつかると面倒くさいんだよなぁ。視点が違うだけで同情出来ちゃうし」



そう言って頭を搔く。


お願いだからクソ野郎でありますように。


そうじゃないと、ちゃんと殺せない。


感情なんてなかったら楽なんだろうか?


ってか杉はなんで急そんなことを言い出したんだろう。



「なんかあった?」



考えながら口に出た。


杉はびっくりして肩を揺らす。


鼻を指で擦った。



「いや、なんでもない」



分かりやすいな。


鈍感なやつでもない限り、嘘をついているのはバレバレだ。


ところでフレアはどこに行ったんだろうか。


部屋を見渡すが、どこにもいない。


セインに聞くか。


そう感じて近づこうとしたが、脚が絡まる。


転けかけて意識を失った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


目が覚めるとそこは、真っ暗な部屋?だった。


手を縛られており、動かせない。


しかし緩いので簡単に解けそうだ。


力づくで縄を取り、歩こうとして足を掴まれる。



「誰だ?」



「君は暴れないんだね」



凛とした中性的な声。


声がした方を振り返ると、誰もいなかった。



「質問に答えないなら、帰りたいんだけど」



「怖くないの?」



「お前が質問に答えるなら、答える」



「トラッシュ」



「ゴミか?」



「直訳しないでよ」



首に圧がかかる。



「殺す気か?」



「まだ殺さない」



「どうして」



「疲れたからまたね」



「次会うときは無事じゃないかもな」



なんなんだと思いながら、そこで意識はぷっつりと途絶えた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ようやくお目覚めか?」



フレアの声が聞こえた。


頭をあげると、僕の腹の上にクソ野郎が座りながら雑誌を読んでいる。



「おめぇよぉ。体重何キロだよ」



「75キロだ」



「僕より13キロも重いじゃねぇか」



「当たり前だろ」



「ほんとに喧嘩好きだね君ら」



「「好きでやってるんじゃない!!」」



「はいはい。棗、これ何本?」



セインは黒い手袋をつけた指を1本立てる。



「1本だろ」



「意識はハッキリしてるみたいだね。良かった良かった」



「なぁ、なんだ急に?」


いぶかしげに彼を見つめる。



「倒れたんだよ。俺がお茶持ってきたら、杉は悲鳴上げてるわ、ジン様はフリーズするし、セイン様は相変わらず美しいかったですけど」



「最後のおかしいだろ……ってかお前セイン以外にも様つけるのか」



「まぁな。また暇だったら説明してやる。で、何があった」



腹の上に乗られたまま、話すのはキツい。


ので、突き落とそうとしたが筋力差がありすぎて、動かない。



「セイン助けろ」



「今、私に抱きついてもいいぞ〜」

「行きますっ!!!」



グッとフレアに抱きつかれるセインは、まるで巨大なぬいぐるみ みたいにぐったりと項垂うなだれた。


軽くなった体を起こす。



「なんか真っ暗な部屋にいて、トラッシュって言うやつにあった」



「ボスだね」



「やっぱりか」



ばら撒かれた書類に似た顔だとは思ったが。


まさか本当だったとは。



「そうかそうか……じゃあ棗。君には潜入してもらおうか」



ニコニコと目元が笑う。



「正気か?」



「あぁ」



「…………誰もいない?」



「いや、あっちからも人手が1人来るから、多分大丈夫だよ」



「フレアとかセインは?」



「フレアには杉と一緒に情報収集をしてもらう。私は……棗の護衛とか護衛とか護衛とか」



「守ってくれるわけ?」



上目遣いに声を半音あげる。


セインが守ってくれるなら、大胆な動きができる。


まぁそうじゃなくてもやるけど。


セインの目を見る。



「どんなことをしたらいい?」



「君に任せるよ」



ケラケラと笑う無責任な目。


久しぶりに本領発揮できるかと思うと少しワクワクする。


思わず口がニヤリと上がった。



「期待してるよ、〝スリリス〟」



「久しぶりに聞いたな。〝フクメロウ〟」



「今考えたでしょう、それ」



「フレアは……なんかあったか?」

「おい」



「まぁいつかは決まるよ、フレアも」



「そうですね!!」



長ったらしい髪をぐしゃっと、掴む。


ここに来る前はスリをして生きていた。


どんなに警戒心が強いやつでも、一瞬の隙さえあれば十分。


気づいたら金目のものは無くなってる。


そこから誰かがスリとリスみたいにすばしっこいから、スリリス。


もうちょいひねりを加えて欲しいところだが。



「疲れたから寝る。おやすみ」

昨日は投稿できませんでした。


良ければ評価やコメントやブックマークお願いします。


【Happy birthday 7/15 トウモロコシ】


「「「誕生日おめでとう、トウモロコシ!」」」


ーパァンッ


「わっ、びっくりしたぁ」


「あっはは。おれからはこれ上げる」


「凄い……アクアリウム?」


「そうそう。おれの手作りだよ」


「やっぱりウドは器用だね」


「まぁね」


「シュンからはこれあげる!!」


「これは……」


「前に使ってたヘアブラシ壊れてたでしょ?最近は仕事も忙しいから、買いに行く時間なさそうだったし」


「ありがとう!助かるよ」


「今もほら、寝癖がぴょんぴょん出てるし」


「あはは……」


「ぼくからはこれだよ」


「これは……パーカー!」


「気に入った?」


「うん!気に入った!」


「なら良かった。さぁウド今だ!」


「えっちょっ!?何々!?」


「暴れないでよ〜。もっとキツくしめちゃうぞ〜」

「いだだだだだだ」


「ロッシー見えてない?」


「見えてない見えてない、ウド、頭死ぬ」


「じゃあこれ持ってね〜。振り回さないでよ」


「何これ?バット?」


「じゃあ指示に従って動いてね。3歩右に動いて」


「前に3歩〜」


「右、じゃなくて左に……4歩かな?」


「バックバック!そこっ!」


「バット振り下ろして〜」


ーシュッパカッ


「これは……」


「じゃ〜ん3人からのサプラ〜イズ」


「ありがとう」


「あっ1人で読んでねっ!恥ずかしいから!」


「ウドには絶対見せるなよ!」


「えぇ〜何でよ」


「あっはは。3人ともありがとう」

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