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なんでなんで?

杉視点

「うのさん場所分かる?」



「大丈夫、大丈夫。あの木の下でしょ」



「あのってどこですか。赤いリボンが付いてる木ですよ」



「あ〜あっちか。おっけ〜おっけ〜」



大丈夫か、この神。


リーダーと仲良いから今回は仕方なく承諾したけど……。


本当に信用してもいいのだろうか?


ったく、棗とかいうやつはやる気ないし。


うのさんはマイペースだし。


正直に言えばフレアさんにやって欲しかったが……妹の身長は154cm。


対するフレアさんは180cm。


一応魔法でも変身は出来るが、90%の確率で、ぐちゃぐちゃの肉塊にくかいに成り果てる。


前のヴァンパイアの依頼はうのさんがやってくれたと嬉々として言っていたな。


ちなみに今は屋上で双眼鏡を覗いている。


生徒会長には腹を下したと嘘をついた。


おらは腹を壊すと1時間は出て来れない。



「へぇ〜。何かに使えるかな?」



どうやら声に出ていたらしい。



「必要ないので忘れてください」



「無理だね〜。オプションなんだっけ?」



「全く……薬漬けにしておけと」



「薬の種類は?」



「エリンギさんが作った廃棄薬をと」



「はいは〜い。じゃまた」



ーピーッピーッピーッ


通話終了の音がなり、スマホをしまおうとした。


スマホが震えながら、寂しいヴァイオリンの音が鳴る。


画面を見ずに通知ボタンを押す。



「もしもし」



「あっもしもしぃ〜♪レイラちゃんに伝えて欲しいことがあるんだけどぉ」



「何ですか?もう任務に出てしまっているのですが」



「あぁ知ってる知ってる〜♪今、棗くんが種目に出てるらしくて連絡が取れないから君から伝えて欲しいんだけど……いいかい?」



「なるべく手短に」



「実は彼らに余罪……殺人とかしてたっぽいから、殺してって伝えて〜」


ーピーッピーッピーッ


通話が切れる。


長く深いため息を吐く。


なんであそこにはマイペースなヤツしか居ないんだろうか。


でもここでおらが出ていけば生徒会長に見つかる。


で、色々と質問攻めをくらう。


動物は意外と良く周りを見ている。


厄介厄介。


仕方ない。


てのひらをピッタリと貼り合わせる。



「異体同心」



体から紫色の霧が出て猫の姿になる。


その直後鯖柄さばがらの本物に近い猫になった。



「いいかい?クラゲみたいな逆ネギ色頭に、さっきのことを伝えるんだ。行っておいで」



手を払うようにすると、猫はそのまま霧のように姿を消した。


妖怪には妖術が使える。


ヴァンパイアみたく運ゲーじゃないから、誰にでも強く見込みはあるが……。


努力しないと、すぐに置いてけぼりなってしまう。


暇だしうのさんの様子でも見よう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ねぇねぇそれなぁに?」



「あぁ?お前 杉か?なんだその喋り方」



「コイツ……妹の胡桃くるみじゃねぇか?」



「えっ妹?」



「体が弱いから滅多に家から出て」

「さっきから何の話してるのー!」



ぷくーっと頬を膨らませる。


おらの妹なんだと思ってるんだ。



「おっすまねぇ…………なぁお嬢ちゃんよぉ。このお薬気にならねぇか?」



ひらひらと錠剤が入った袋を胡桃くるみ……うのさんでいいか、に見せる。


うのさんは無邪気な笑みを浮かべる。



「なぁに?それ?美味しいの?」



「あぁそりゃ飛ぶな」



ぬらりひょんはニタニタと笑いながら、煙を吐いた。



「あぁ。ただし条件がある」



「ゲホッゴホッ、じょっ、条件ってなぁに?」



うのさんが小首を傾げる。


火に揺れて、袖が揺らぐ。


第三者からしか見えない位置でうのさんの腕が見えた。


無かった。


思わず自分を疑った。


義手はつけていない。


けれど少し泡が見えた。


あぁ。


これか。


独り歩きしていた噂話のピースが繋がった。


四肢無神様ししなしかみさま


まだ、右手も足もちゃんと確かめていない。


何故かそんな気がしてならなかった。


うのさんが顔を下に向ける。


そして、とびきり笑顔になってから言った。



「じゃあね」



おらが考えていた間に何が起こったのだろう。


双眼鏡越しにぬらりひょんの頭が爆発する。


スローモーションで。


血があちこちに飛び散っていく姿が。


隣の1つ目小僧が、この世のものとは思えない表情を浮かべた。


大きな目をさらに見開き、全部の歯が見えるぐらい口を開けて。


逃げた。


だが、うのは追いかけなかった。


代わりに小瓶に入った液体を飲み干す。


液体の色は透明だった。


まばたきをしてから、1つ目小僧を見た。


苦しみ悶えながら倒れている。


一体何をしたんだろう。


視覚情報からは分からない。


聴覚も嗅覚も頼りにはならない。


後で聞こうかな。


いつもはグロい映画なんて、見れたもんじゃないのにこの時ばかりは目が離せなかった。


指で体を掻きむしり、血が滲み出ている。


多分もう助からないだろう。


おらには出来るだろうか。


あそこに入った以上、いつかは周ってくる仕事だ。


ちゃんと覚悟を決めないといけないのに、未だに決めれないでいる。


ちゃんとしなきゃ。


ちゃんとしなきゃ、ちゃんとしなきゃ。


唇を強く噛み締めた。



「ねぇ、何してるの?」



思わず持っていた双眼鏡を、落としそうになった。



「誰だ!?」



「まぁまぁそんなに驚かないでよ〜。仕留めにくいでしょっ!」



「うわっ!!」



すんでのところで避ける。


短刀が毛先を切った。


ードサッ



「イッタタ……」



「ほんっと鈍臭いねぇ〜さっさっと殺そうかと思ってたけど、やっぱやーめた!……徐々に殺したげるよ♡」



ニヤッと笑った。


不気味なぐらい口角を上げて。



「お前は誰だ!おらに何の用だ!」



「あたし?あたしは……君が死んだ後に教えてあげる♡」



ーヒュンッ



風を切った音がした。


素早く振りかざされる刃、当たった瞬間、血が綺麗に舞う。


さて、どうするか。


混乱していた頭の霧が晴れる。


桜色の2つ結びが、風で揺れた。


翡翠ひすい色に瞳の位置が分からない目に、桃色の頬に真っ赤なハートが描かれている。


要警戒対象者。


頭の横に生えた大きな角。



「フール=ロイピュアル……!!!」



おらが名前を言った瞬間、フールは大声で笑った。


目をゴシゴシと擦り、またニヤッと微笑む。



「なぁんだ。名前知ってたんだ♡……じゃあ殺すしかないね!」


全速力で向かってくる。


屋上自体そんなに広くない。


今は体育祭中だ。


皆頑張って来たのに台無しにするのは可哀想だ。


おらは皆みたいに強くない。


速くない。



「お前の目的は何だ!?」



「えっ急になに?」



「言えっ!」



「君には関係ないでしょ?」



「ある!おらはお前を……お前を必ず殺すっ!」



「無理なくせに。意地張っちゃってさぁ……。でもごめんね、ボスの命令には従わないとだから、話せない。ねぇ、じゃあなんで君らはあたしらを狙うの?」



「悪いことをしたからに決まってるだろ!」


もう出ないぐらいの声出叫ぶ。



「なんで?あたし達と君らでやってることは変わらないでしょ?」



「それとこれとは!」



「話が違う?ねぇ、何が違うの?所詮しょせん君らも殺してることには変わらないでしょ?なんで?」



答えられなかった。


それ以上口に出来なかった。


その後、彼女は「またね」と微笑んで去って行った。

皆様、熱中症にはお気をつけくださいね……。


良ければ評価やブックマークの方よろしくお願い致します!

コメントや誤字報告も助かります(*^^*)


【Happy birthday 6/1 レイラ・マグレーネ】

「レイラ様お誕生日おめでとうございます」

「レイラ、誕生日おめでとー」


「えっ何急に」


「今日はレイラ様の誕生日ですよ」


「人の記念日とか覚えてんのに、自分のは覚えてないんだな」


「いや、別に忘れてるわけじゃないよ。興味が無いだけで」


「まぁ取り敢えず22歳の誕生日おめでとう」


「おめでとうございます。俺からのプレゼントです」


「ん〜?3本のバラと……メイク道具にヘアゴム?」


「はい、是非使ってください」


「……深いことは考えないでおくよ。ありがとう」


「僕からはこれ、」


「わっ棗からもあるんだ!え〜っと……あっスマホケースだ!」


大分だいぶんボロボロだっからな。店でいいの見つけたんだよ」


「お〜早速つけてみるよ。あっフレア、髪結って」


「はい、」


「それとケーキもあるから、皆で食おうぜ」


「何ケーキ?」


「苺マシマシのホールケーキ」


「やったね。2人ともありがとう」

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