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開幕

「ほらほら〜2人とも行くよ」


呑気な声が耳に響く。



「えっでもどこ並べば」

「1番後ろだよ」



「えっ」



「まぁ一応生徒じゃないし。あんまし目立ちすぎても、良くないからね」



ニコッと微笑む。


可愛らしい感じじゃなくて、何かたくらんでる感じの笑みだ。


多分ろくな事を考えていない。



「ある意味目立ってる気がするけどな」



「まぁそれは……そうだな」



僕は普段通りにダラっと怠けた感じで立つ。


フレアからの視線が痛いが気にしない。


いつも通り。


イレギュラーが起こっても冷静に対処。


大丈夫大丈夫。


ぼーっとし過ぎていて、いつの間にか開会式は終わっていた。


そう言えば前に棗の悪い癖だとすおーに愚痴られたことがある。


直したいけど興味が無いから仕方ない。


まぁ深く考えるのは僕らしくないから止めよ。



「ってかなんでお前と一緒なんだよ」



「仕方ないだろ。くじで決まったんだから……まぁでもレイラ様を競技中は見ることが出来ることだけは良しだな」



「僕は全く良くない」



「だからお前は出る種目が多いんだろ」



苛立った口調で言い放つ。



「ってかお前は僕のこと嫌いなわけ?」



「嫌いじゃない。気に食わないだけだ」



「何が違うんだよ?」



「すぐに手が出るか出ないかだ」



「僕はどっち?」



「出る」



「出るのかよ」



声に抑揚はあるが、顔は1つと動かさない。


まだロボットのすおーのが感情豊かだぞ。


にしてもポニーテールなんて久々にしたな。


風が吹く度に綺麗にまとめられた髪が揺れる。


自分では上手く作れないから普段はしない。


まぁ今日はレイラが結ってくれたから、特別だがな。



「何ニヤニヤしてるんだ。気持ち悪い」



「急に失礼だな」



「自分の顔に気づいてないのか?」



「あ?」



言われて顔を触る。


いつの間にか口角が上がっていたみたいだ。


気持ち悪。



「そろそろ最初の競技だ。俺は行ってくるから……事件起こすなよ?」



「僕をなんだと思ってんだお前は」



フレアは僕を人睨ひとにらみしてから、さっさと走っていった。


と同時にレイラに上から乗られる。


体が急速に冷えていく。



「どうした急に」



「暇でさ」



「コミュりょくあるだろ」



「違うじゃん。そうじゃないじゃん……。何となく面白そうだから借りられたいなぁ〜」



「借りられ?」



「えっ借り物競争じゃん」



「あっそっか」



「…………私の記憶力を分けてあげたいよ」



「そりゃどーも」



悠長に会話をしていると、発砲音が鳴った。


この音を聞いたら思わず隠れそうになるんだよな。


最初にぐるぐるバット20回してから、パン食い競走して、借り物か。


杉出てんじゃん。


紙拾った。


杉と目が合う。


そして走ってきた。


徐々に距離が縮まる。



「棗こい!」



「呼び捨てかよってちょっ!!」



思い切り腕を引っ張られ、転けそうになるがなんとか耐えて走り抜ける。


そのまま1着でゴールした。


意外と足速いなコイツ。



「いやぁ棗いて助かった助かった。ありがとな」



「お題なんだったの?」



何故か地面から出てくるレイラ。


お前はモグラか。



「これです」



そう言って見せてきた紙は大分だいぶん失礼なやつだった。



「誰が〝悪役っぽい顔の人〟だよ。てかなんで通るんだよ。おかしいだろ」



「まぁ化粧もあいまって、さらに目付き悪くなってるからね。しょうがない、しょうがない」



「なんかもやっとする……」



「あっそれじゃあ おら戻りますね、じゃあまた!」



「またね〜。……次フレアかぁ」



微妙そうな顔をする。


仕方ない。


元気づけるか。



「がんばれいら」



空気が静まる。


圧倒的棒読み。



「何その造語……」



久しぶりに呆れた顔を見た。


また造語作れそうだな……。


レイラって意外と繋げやすい。


発砲音が鳴った。


運動会の発砲音禁止にして欲しいな。


あれほんとにビビる。


ってかフレアぐるぐるバットで既にダメじゃねぇか。


身長高すぎてパンの袋が顔にビタビタ張り付いてるし。


そして思いっきり最下位である。


かっこよさの欠片かけらもない。


ある意味アイツの弱点を知れたからいいか。


今度勝負する時にやるか。


あっやっとお題の紙掴んだ。


まーたこっち走ってきた。


ってか尋常じんじょうじゃないぐらい速すぎてキモイ。


フレアは何も言わずにレイラをお姫様抱っこをして、連れ去って行った。


その瞬間だけは少し黄色い歓声が聞こえた。


レイラは顔を帽子で思いっきり隠す。


そのまま1着でゴールした。


2連続。


隣から黄色い声が聞こえた。



「ねぇあの狼カッコよくない?」



「分かる〜!最初のドジも可愛いし」



アイツ ド変態だぞ。


洗濯する前のレイラの服嗅いでるんだぞ。


後、自分専用のレイラがヒロインの恋愛ゲームも作ってる。


それのどこがカッコイイのか。


思わず心の中でツッコんでしまった。


あっ帰ってきた。



「次、頑張れよ」



「今日のお前は普段の気持ち悪さに拍車はくしゃがかかってるな」



「お前は普段より気が入ってないんじゃないか?」



「まぁ僕はレポートなかったから」



「奇遇だな。生憎あいにく俺もそうみたいだ」



2人して、気づいたら地に足を着いて伸びをするレイラを見た。


白い歯が見える。



「ここはリーダーに任せて〜君らは応援とか競技とか頑張ってね♪あっリレーには帰ってくるから」



そのままレイラは。


入れ替わった。


一瞬だけ顔付きが変わる。


が、またすぐに戻って、2人の側までよって小さく言った。



「ちゃんと演技してくださいね」



ニコッと笑う。



「じゃあ行ってくる」



「次は徒競走でしたっけ。頑張ってくださいね」



「いつからいい子ちゃんになったんだが」



「……早く行っといで」



やっぱりいつもの無邪気さは感じられない。


2人の顔を見てから、僕は列に向かおうとした。


ージャジャジャジャーン


ベートーヴェンと言った音楽家の曲の一部が流れる。


レイラは平行世界パラレルワールドの曲が好きだ。


たまに海から流れてくる小瓶の中に譜面やら、料理のレシピが書いてある。


また着信音変えたのか。



「追加の課題は後で確認するから、行ってくる」



とにかく今は目立たないことだけ考えよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


彼はオレの腕を引っ張って、どこかへ走って行った。


皆の声が遠くなる。


彼はレイラのスマホを手に取り、電話をかけ直した。



「もしもし。神楽です…………はい。今レイラ様は依頼をこなして…………えっ追加の依頼ですか?……はい。分かりました。棗に伝えます」


ーピーッピーッピーッ



「何だって?」



「依頼のターゲットに余罪があるみたいでな。殺害許可が出されたんだ」



「なるほど……じゃあ体は返した方がいいですね」



「いや、大丈夫だろう」



「そう。じゃあ早く戻ろう。ちゃんと演技しないと」



オレは振り返らずにその場を去った。


せめて任されている間だけでも、この体を守りましょう。


傷1つ付けずに。

沢山の方に見ていただいてることに恥ずかしくなってきました。


良ければ評価やブックマークお願いします( 、ᵕᵕ )、


【おまけ】

「棗が徒競走中に起こったフレアと○○との会話」


「そう言えば借り物競争の髪には何て書いてあったんですか?」


「キョンシーです」


「……嘘ですね」


「バレますか」


「本当は何ですか?」


「強い人です」


「なるほど。確かにそうですね……そろそろ役に入りますね」


「分かりました」

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