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束の間の休息

シュンギク視点

さっきから棗くんの様子がおかしい。


どことなく上の空だ。


シュンは棗くんに近づき、こちょこちょをする。


すると、身体がビクッとなり、笑い出す。


ロッシーとウドはお風呂に入っているし、フレアくんとセインくんは、ここを探検中。


今この部屋にいるのはシュンとリンと棗くんだけだ。


シュンは疑問に思っていたことを聞いてみた。



「ねぇ棗くん、なんでシュンのことは〝シュンギク〟じゃなくて〝シュン〟なの?」



こちょこちょする手を、頬に移し、ぷにぷにと触る。


どうして、人の頬はこんなにも柔らかいのだろうか。


そんなことを考えながら、回答を待つ。



「え〜っと……シュンギクが自分のことシュンって呼ぶからつられて……って感じ……あははぁ」



苦笑いを浮かべる彼は、少し疲れているようだった。


これはシュンのとっておきが必要そうかも。


シュンは彼をうつ伏せに寝かせ、背中に乗った。


上から順に力を込めていく。


マッサージは昔から得意だ。


シュンの家は母親しかおらず、いつも大変そうに帰ってきた。


いつも仕事が終わったあとにすると、「ありがとう」と言われる。


それがたまらなく嬉しくて、シュンは頑張った。


お金を沢山稼ごうと仕事を探していると、ここに出会った。


虫に関する知識は人一倍あったし、何より収入が良い。


母は今、新しい父と結婚し、幸せに暮らしている。


父はシュンをけむたがることはなく愛してくれている。


随分ずいぶんめぐまれた人生を歩んでいると思う。


つい昔のことを思い出してしまった。

マッサージを続けていると、棗くんの目は閉じていた。


シュンはその場に2人を残して、廊下に出る。



「そろそろ止めた方がいいんじゃない?」



話し声が聞こえて、思わず柱の影に隠れた。


どうやらロッシーとセインくんが話しているみたいだ。



「うのちゃんには関係ないでしょ」



「関係ないけど、他の病気も同時になっちゃったらさぁ……大変だよ?私みたいにね」



私みたいにって……どうゆうことだろう。



「にしても……盗み聞きはダメだよ、シュン」



「はえっ」



「えわっ!?いつの間にいたの」



ゴキブリの特技かもしれない、気配を消すのはどうやらセインくんには通用しないらしい。



「あの、その、なんの話?」


問うと、少し考える素振りをして口を開いた。



「ん〜私の体の話だよ」



「体?」



「そうそう。私は神様の中でも珍しいんだ」


ニコッと狐みたいに微笑む。



「えっと確か氷と……」



「海だよ。っても生まれつきじゃないから、慣れるまでは時間がかかったけどね」



セインくんはそう言うと、手首まである手袋を取った。


その手は無いように見えるがちゃんとある。


手がある空間は、プールに潜った視界みたいに小さな泡がコポコポ浮いていた。



「ちなみになんだけど、今日、急にエリが回復したでしょ?あれ、私がやったの」



「へっ……あぁ!」




遠くにいたから、あんまりよく分かっていない。


けれどぐったりしていたリンが急に素早く動き出したのは覚えている。


それがセインくんの仕業とはどうゆうことだろう。


疑問に思っていると、セインくんと目が合った。



「私には昔からの病気があるんだよ。それは完治するかもしれないし、しないかもしれない。…………私の病気は慢性的なエネルギー不足。一日中ご飯を食べ続けないと動けなくなるし、最悪死ぬ」



「えっ」



「まぁだからいろいろ工夫してるんだけどね。そのおかげで、私は他人にエネルギーを譲渡じょうと出来たりする」



ちょっといろいろ話が舞い込んできて、頭が混乱してしまう。



「つまりは……セインくんがリンにエネルギーを譲渡したから、ピンピンしてたってこと?」



「そうそう。あっ一応これは秘密ね」



人差し指を口元くちもとに当て、シーッとポーズをする。


まるでモデル?のような振る舞いに、思わずドキッとした。


背後に気配を感じる。


バッと後ろを振り返ると、そこにはシュンよりも背の高い彼がいた。



「ひっ」



「止めなさいフレア。怖がらせるんじゃない」



セインくんが低い声で制する。


まるでロッシーとウドを見ているかのようだった。



「セイン。続きはまた今度」



「はいはい。まぁまたすぐに会えるけどね♪」



何故かロッシーは少し怒っているみたいだった。


シュンは皆のことを知っているようで、知らない。


よく知っていると言えば、リンのことぐらいだ。


胸のあたりが酷く痛くなる。


シュンは身をひるがえして、元いた部屋へ戻った。


何故かそこに居ちゃいけない気がした。


勢いよく引き戸を開ける。


そこにはまだ眠っている棗くんと、分厚い本を読んでいるリンがいた。



「リンっ!」



「どうし……わっ!」



勢いよくリンに近づき、そのまま抱きつく。


彼はただ何も言わず、頭を撫でてくれた。


気味の悪いつっかえが取れる気がする。



「仲良しだね、2人は」



後ろから声が聞こえる。


場に似合わない明るい声だ。



「あっセインくんとフレアくん」



「やっほやっほ〜。急に走ってちゃうからさ、びっくりしちゃったよ」


そう言ってニコッと笑った。



「あっごめん ごめん」



「別にいいよ〜。ところで2人とも、好きな食べ物はなに?」



顔をリンの太ももから、セインくんに向ける。



「2人とも甘いものが好きだよ」



「なるほど……じゃあ7人でスイーツバイキングでも行こうか」



「セインうるせぇ……何?スイーツバイキング行くの?」



棗くんは大きな欠伸あくびをしてから、伸びをする。



「場所選んでおきますね」



「頼んだフレア〜」



「はい」



心なしか、フレアくんの声が軽い気がする。


というか行くことが決まっているのか。


セインくんと目が合う。


ズカズカと近づいてくる。


セインくんはシュンの耳にそっと言い放った。



「いつか2人だけで話そう」



ニコッと笑い、シュンの体を触り始めた。


くすぐったい。



「えっ……どうしたの?」



「いやぁね虫人見るのは久しぶりだからとぉ……ゴキブリの虫人は初めて見たから気になって」



不意に聞いた棗くんの言葉が頭をよぎる。



〝ほんと……人を扱うのがお上手で〟



そう言っていたのがよく分かった。


多分気を使ってくれてる。


でも不快にはならない。


シュンはとびきりの笑顔で、さっきのといの答えを返した。



「うんっ!」



背後から聞き慣れた声がする。



「うのちゃん……セクハラしてな」

「合意の元なのでセーフ」



ロッシーがため息を吐く。


いつものロッシーに戻っている。


原因はよく分からないが、ロッシーはたまに性格が180度変わってしまう時がある。


その時は威圧感があり、怖い。


目が合う。



「お風呂入っておいで」



笑顔で言われた。


リンを見る。



「はーい!リン、一緒に入ろ」



リンはいつも通り言った。


「いいよ」

最近ボールからモンスターを出して戦うゲームで遊んでます。全然進んでません。


良かったら評価お願い致します(>人<;)


【おまけ】

〝マッサージをするシュンギクとされるセイン〟


「どう?セインくん?」


「いいよぉ……あぁいいねぇ。いいよぉ……マッサージ店開いたら?」


「もう少し大人になったらいいかも」


「……引退しちゃうのは悲しいなぁ……」


「まだしないよ?」


「神様以外は寿命が短くて困るなぁ」


「そうなの?」


「みーんなすぐ死ぬ。すぐ、会えなくなる」


「そんな悲しいこと言わないで下さいよ」


「まっ今を大切にしなきゃね……あぁいいよ〜もうちょい上」


「注文が多いですね」



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― 新着の感想 ―
[気になる点] とりあえず全部読んでみましたが、一部、状況が理解しにくかったです。特に、ヴァンパイアのところに行って、荷物を運び終わって休憩している時、押さえつけられて動けない、ってシーンのところなん…
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