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8

彼とわたしは魔力を動力にしたオートという三輪車に乗って、

町の中を回ることになった。


オートは車体は丸みを帯びていて、車輪が3つ。

前にふたり、後ろにふたり座れるシートがあるなっている。

運転手はいない。


「この乗り物初めて見たわ。運転手はいらないの?」

「ああ。行き先をこうやって、ここに伝えるんだ。

 そうしたらそこまで連れて行ってくれる。」

彼はそう言って、オートの扉にある四角の石に、行き先を伝える。

そうすると、その石が光って、石に行き先が浮かび上がった。

そのまま、乗り込んだら走り始めた。

おもしろい。


「この町の動力の基本は魔力が70%、電力が30%なんだ。

 電力は山の地熱を生かしたもので、

 これはハロミスタ家が3年前にこの町でテスト導入ってことではじめた。

 これからもっと多くなっていく予定。」

「魔力のほうが多いだ、以外。」

「以外?」

「この町は道路もそうだし、インフラとかも整備されてる。工場とかもあるし。

 科学的に進んでいる感じが見えてるから。そういう場所って電力のほうが

割合が高いでしょ?」

それを聞いた、彼はふーんとわたしをみてうなづいた。

「ん?どうかした?」

「いや、きみは役場での提案もそうだけど、すごいいろんなことを

知っているようで感心したんだ。一体なにものなんだ?」


「わたしの一族が代々商売をしていてね、家族の手伝いとか、

 自分でも事業をやったりしているの。

わたしは家族ではまだまだなんだから、

 いつも、何かを見たらいろいろと考えるクセを付けてるから、

 役場でもついついパッと思いついたこと言っちゃったの。あなたこそ、何者なの?」

「そういうことだったのか。

頭の回転も速いし、物おじもしないわけだ。

わたしは、この町のために働いているんだ。

だから、役場にもよく行っているし、こうやって町を見に行って、

みんなと話して情報収集やアドバイスなんかもしてるよ。

アドバイスになっているかは、

後でそいつらに聞いてみてもらったほうがいい。

そういえば自己紹介をしていなかったな。

わたしはリュカだ。きみは?」

「わたしはメイリア。今日の朝、この町に引っ越してきたの。

よろしくね、リュカ。」

彼とわたしはかなり遅い自己紹介と握手を交わした。

「ねぇ、リュカ。それでなんでこんなに開発がすすんでいるのに、

 魔力を動力としてつかっているの?」

「それを知りたいならぴったりの場所があるから。そこについたら説明しよう。」


そう言って、リュカがわたしを連れてきたのは教会の前だった。

教会には人が大勢いて、中からは歌が聞こえる。

「普通の日の朝にこんなに人がいっぱい?」

「そう、毎日こんな感じなんだ。この町は信仰が強いのさ。イルミナ教のね。」

「イルミナ教って初めて聞いたわ。なんか教会の前にはお店もあるのね。

 なんかカラフルなものが売ってる。あれはなに?」

「あれはイルミナ教のアイドルたちのグッズが売っているんだよ。

 修行や儀式の中で歌や踊りが多く、その中で特に聖力が強い者たちがチームになって

 信者の人たちの指導を前に立ってするんだ。その時に使うアイテムなんだよ。」

「へー、信仰心が強いのね。そうしたら、さっき魔力がと言っていたけど、

 実際は聖力のほうが多いのかしら?」

「ああ、そうだ。魔力というカテゴリ名なだけで、この町の動力は70%は聖力だ。」

「すごい。初めてみたわ。こんなに信仰心が強くて、聖力がつよくある町。素敵ね!」

そういうと、リュカはうれしそうに笑って、そうだろ?といった。

なんだ、かわいいとこあるじゃん。


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