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ショートショート4月〜4回目

目には目を、歯には歯を

作者: たかさば

ゆうちゃんはめんどくさいおともだち


おえかきしていて、ちょっとてがぶつかった

ゆうちゃんのかいてたえが、ちょっとゆがんだ

つぎのひ、わたしがえをかいていたら、ゆうちゃんがてをたたいた

わたしのえがゆがんだ

ゆうちゃんはニコニコしていた


ゆうちゃんはめんどくさい友だち


二年生の遠足のとき、マキちゃんにさそわれて同じグループに入れてもらった

ゆうちゃんはひとりぼっちになってしまって、ちょっと泣いていた

四年生の遠足の時、ゆうちゃんはグループに入れてくれなかった

新しいクラスにゆうちゃん以外友達がいなかった私は、すごく泣いた

ゆうちゃんはニコニコしていた


ゆうちゃんは面倒な同級生


中学校のマラソン大会、一緒に走ろうねといわれたけど断った

ゆうちゃんは最下位になってしまって、私をにらんだ

運動会の時、ゆうちゃんはわざと私の足を踏んだ

100メートル走のゴールまで行けずに救急車に乗ることになった

ゆうちゃんはニコニコしていた


ゆうちゃんは関わりたくない人


高校生の時、たまたまバイト先のコンビニに来たゆうちゃんを見て嫌な予感がした

ゆうちゃんがバイト仲間になると聞いて、不信感しかなかった

なるべく同じ時間帯に入らないようにしたら、変なうわさが流れるようになった

知らないうちにビッチ女認定されるようになり、居づらくてバイトをやめた

ゆうちゃんはニコニコしていた


ゆうちゃんは地元に残ったようだが、私は都会に出た


時折聞こえてくるのは、ゆうちゃんの徹底した報復ぶりのエピソードだった


車に傷をつけられたからつけ返した、働かされたからこき使ってやった、へんな写真を使われたから訴えて金をぶんどってやった、悪口を言われたから会社にクレームを山のように入れてやった、優しくしてやったのに何もしてくれないからそのことを大々的に公表しただけと言い張り、声高々に自分の正当性を主張していたのだ


今日、今、テレビを見ていて……驚いた


ゆうちゃんが…出ているのである!


私は何もしていないのに、不幸だと訴えている

私は誰からも必要とされていないと、泣いている


自分の不幸を涙ながらに訴える姿から、目が離せない


このヒトは……一体ナニを言っているのだろう?


今、あなたがそういう状況なのは、自分がしてきたことの積み重ねなのではないのかと

いつもされたことを倍返しにしていたら、誰も近づかなくなるのは当たり前なのではないかと


優しいタレントさんに慰められて涙を拭いたゆうちゃんを見て、震えた


ゆうちゃんは……、ニコニコしていたのだ


風のうわさで、ゆうちゃんは地元を出たと聞いている


やられたらやり返してやる、そう意気込んでいるのかも、知れない

たしかに、さっき相談をしていたコメンテーターは…ずいぶんパワフルな物言いでゆうちゃんを窘めていた。


都会の人たちは・・・田舎の凡庸な人たちとは、違う


常識も違えばルールも違うし、認識の異なる部分が多くて…いちいちやり返していては身が持たないだろう


都会には、田舎にはない相談窓口や専門家がたくさん存在している

理不尽にやり返されて、おとなしく引っ込むような人は少ないと思う


ただの執念で気の済むまで報復してきたド素人に太刀打ちできるような…甘い場所ではないはずだ


都会に慣れない田舎者が恥ずかしげもなくわめき散らして…みっともない事になるのだろうな


……極力、関わりたくないものだ


私はため息をひとつついて、テレビのチャンネルを変えたのだった

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― 新着の感想 ―
[一言]  …怖すぎました。関わりたくない人っているものですね、物語上とはいえ。主人公が離れられてよかった。もしかしたらゆうちゃん、また関わってくるのかと。  リアルすぎて引きます(笑)。  楽しんだ…
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