表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

抱き枕

 リナのカモフラージュに苦戦しながらも、

 なんとか映画を見終えた。

 その日の夜、雷が酷かった。

 リナは雷が苦手だ。

 だからってリナがまさかの発言をしてきた。

「お母さん、雷怖いから一緒に寝ていい?」

 と…

 寝室は、父さんもいるじゃないか‼︎

 どういうつもりだ。

 本当に雷が怖いのかそれとも…作戦?

 どっちなんだ⁈

 

 もし…

 もしも作戦だとしたらこれは危険だ。

 家庭崩壊しかねない。

「リナ、大丈夫だよ。雷おさまるまでオレが

 ついてるから。な、だから自分の部屋で寝

 ような?」

「え、お兄ちゃん雷おさまるまでいてくれる

 の?なら、自分の部屋で寝る」

 ホッ。 

 一安心だ。

 ゴロゴロ

 ピカッ

 結構長いこと続くかと思いきや早くに雷は、

 静かになった。

 リナも寝たな。

 じゃ、オレも部屋に戻るか。

 

 部屋に戻り本を読んでたらいつの間にか寝

 てしまっていた。

 もう朝か。

 あれ?

 電気消した記憶ない…

 けど、消えてるな。

 なんでだ?

 しかもなんかあったかくて熟睡できたなぁ。

 この抱き枕のおかげだ。

 柔らかくて最高だ。

 ん…⁇

 抱き枕?

 そんなの持ってねーぞ⁉︎

 ってか‼︎

 リナーー⁉︎

 なぜオレのベッドに一緒に寝てる⁉︎

 しかもオレずーっと抱きしめたーーー‼︎

 慌ててリナを突き放した。

 ポスッ。

「ん…あ、おはよう」

「おはようってなんだよ。何呑気におはよう

 なんて言ってんだよ。なんでここにいるわ

 け⁈」

「あー、雷がまた光って怖くてさ…お母さん

 達の部屋に行こうとしたんだけど、また光

 って怖くて一番近いお兄ちゃんの部屋につ

 い…」

 そういう事か。

「うーん。なら仕方ないか…な…。」

「じゃあ、また雷なったら一晩中抱きしめて

 寝てくれる?」

「あっ、それは…うん。でも抱きしめたのは

 抱き枕と勘違いしたんだ。これはマジだか

 んな。一緒に添い寝してもいいけど次は一

 晩中抱きしめたりしないかんな。」

 クスクス。

 リナが笑った。


 親の寝室行かれるくらいならまだこっちの

 方がましかな…。

 リナが抱き枕だったらいいな…、、って

 あー‼︎

 オレはこれからどうしたらいいんだー‼︎

 どこに向かってんだよ‼︎

 今まさに出口の見えないトンネルを歩いて

 いるようだ。

 出口…

 どこなんだよ

 だれかー‼︎

 リナの気持ちをオレに向けるつもりが逆に

 どんどんオレがリナにハマる一方だ。

 あー、頭痛くなってきた。

 なんだか寒気までもしてきたぞ…。

 

 次の日

 オレは熱を出した。

 どうやら風邪をひいてしまったらしい。

 夕方

 ピンポーン

 家のチャイムが鳴った。

 誰だろう。

 でも、お母さんかリナが対応しているみた

 いだ。

 大分楽になったけどやる事ないし夕飯まで

 ひと眠りしようかな。

 コンコン

 ん?

 誰だろう。

「はい。」

「お兄ちゃん‼︎マリカさんって人からプリン

 トお預かりしましたよ‼︎お大事に‼︎」

 バタン‼︎

 なんだか怒り気味のリナだった…。

 なんなんだよ。

 意味も分からずずっとリナは怒っていた。

 理由を聞いても知りませーんの一点張りだ。

 

 次の日すっかり元気になり下校中家の前で

 リナと男の子がなんか揉めてる?

「リナ?どうした?」

「あ、お兄ちゃん。この人がしつこいの」

「なんだよ、この人って。僕彼氏だろ」

「そうだけど…」

 えっ、リナ彼氏いたの⁉︎

 だって父さんは⁇

「お兄さん、リナさん僕と付き合うって言っ

 たのに、キスしてくれないんです。」

「あー…まあ、そんなに焦らなくてもね」

「はぁ…。じゃあ僕帰ります。」

「おう、気をつけてな」

「はい。」

 男の子を二人で見送った後、リナに聞いて

 みた。

「リナ彼氏いたのかよ」

「うん。悪い⁉︎」

「いや、リナ年上好きとか言ってたからてっ

 きり年上の人に片想いしてんのかと思って

 たからさ。」

「してるよ。でもその人女いるし。」

 あー、女ってか自分のお母さんだろ。

「じゃあ、あの男の子となんで付き合ってる

 の?」

「腹いせ」

「は?」

「やきもち妬かせたくて」

「ふーん。でも、好きじゃないのに付き合う

 なんて失礼なんじゃないの?」

「そんなのわかってる!なら、別れようって

 言ってくるし!」

 リナは怒りながら走って行った。


「ただいま‼︎」

「おかえり。ちゃんと言えたか?」

「うん。怒ってだけどわかったって」

「そうか。でもこれからはもっと自分を大事

 にしなよ。」

「うん…。お兄ちゃんは、マリカさんといつ

 から付き合ってたの?」

「付き合ってないけど。」

「えっ、昨日彼女のマリカですって言ってた

 よ。」

「あー、だからか。昨日妹ちゃんからかっち

 ゃったって言ってたわ」

「えー⁉︎じゃあ彼女って嘘⁉︎」

「そうだな。」

「もー、お兄ちゃん‼︎罰として今日ずーっと

 リナの勉強教えてよね‼︎」

「なんの罰だよ…ま、勉強なら教えてやるけ

 ど。」

「じゃ行こ」

「おぅ…。」

 なんでだか、リナの不機嫌が治った。

 

 続く。

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ