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お勉強教えて

 オレは高校一年生。名前は、しゅう

 二つ年下の義理の妹リナは、とにかく変わ

 り者だ。

 

 

 コンコン

「おにぃ〜。」 

 オレの部屋のドアをノックするリナ。

「なんだよ」

 

 キィ

 ドアを開けてリナがなぜかミニ双眼鏡を持

 って入ってきた。

 

「さっき、お兄の友達来てたでしょ?」

「うん」

「でね、帰ったみたいだったから双眼鏡で、

 そのお友達をこっそりみてみたの。したら、

 そのお友達が、まさかのこっちをみたわけ

 よ‼︎」

「おまえ…何してんだよ…」

 

「イケメンか、調査してたの‼︎でも、お友達

 にはきちんとバードウオッチングしてただ

 けって伝えといて‼︎ね⁈絶対だからね‼︎」

 

 なぜかキレ気味に部屋を出て行った。

 なんなんだよ…

 

 

 その日の夜喉が渇いたので下に降りて水を

 飲もうとした。

 

 シャカシャカシャカシャカ

 

 なんだか音がする。

 こんな夜になんの音だろう。

 恐る恐る台所に向かった。

 

 

「リナ⁉︎何やってんだよ!」

「えー、気分転換」

「なんの?」

「勉強ー。」

 

 リナは、夜遅くに台所のシンクをピカピカ

 に磨いていた。

 変わった気分転換だ…

 

 

「勉強わかんなかったら教えてやるからいつ

 でも聞きにおいでよ」

「うん!ありがとう」

 

 水を飲み終え部屋に戻ろうとしたら今度は、

 洗面所を綺麗に磨き出したリナであった。

 

 

 

 次の日の朝

 

 チュンチュン チュンチュン

 ピチチ ピチチ

 

 やたらと鳥の声がうるさかった。

 

 んー…なんなんだよ。

 

 すると今度はパラパラパラパラと音が聞こ

 えて来た。

 

 あー、今日雨かよーー…って‼︎外晴れてな

 いか⁉︎

 

 ガラッ

 窓を開けると隣の窓からリナが鳥たちに、

 コメを撒いていた。

 

「何してんだよ」

「えっ、みたらわかるだろ。餌付け」

「庭が鳥のフンまみれになったらどうすんだ

 よ」

「あ〜、それは嫌かも。恩をあだで返すって

 やつだな。全く‼︎これっきりだからな‼︎よ

 く味えよ」

 鳥を自分から集めておいてこれっきりなん

 て、ずいぶん身勝手な話だ。

 ま、フンまみれになるなんて言ったオレの

 せいも少しあるが…

 

 

 朝ごはんを食べていたらリナが米粒には、

 沢山の神さまがいると言い出した。

 だから、きちんと丁寧に残さず食べましょ

 うと。

 でも、今朝は時間がない…

 

 

「ごめん。お母さん。時間ないからこれ残し

 ちゃう。ほんとごめん。」

「いいわよ」

 

 優しいお母さん。

 

 しかし…

「しゅう‼︎悪い子だ‼︎さっさと出てお行き‼︎

 さぁ、あなたがお食べ」

 

 飼い猫のマイにオレの食べ残しを与えてい

 た。

 

 

 

 

 ある日の朝

 

 まだ薄暗い早朝。

 猫のマイが布団に入ってきた。

 と思いきやリナ⁉︎

 

 

「なんだよリナ⁉︎」

「ちょいとあったまらせておくれよ〜。足が

 冷え冷えなんだよ〜」

 ピタッ。

 

「つめてー‼︎」

「でしょ」

「でしょじゃねーよ。自分の布団行けよ」

「それができないからここに来たんじゃん」

「なんでだよ」

「だってうっかりねちゃうじゃん」

「寝ろよ」

「いけません!お勉強中なのです」

 

 

 …  …  …

 

「もしかして…」

「うん。そのもしかしてだよ!お兄ちゃん分

 からないところあったらいつでも、いつで

 も‼︎聞きにおいでよって言ったじゃん⁈」

 

 

 だからって明け方とかって…

 

「でも、その前に少し暖をとらせてください

 な」

 

 ぎゅ〜。


「おにーちゃん、あったか〜い。このまま寝

 てしまいたい」

「だめだろ。ってかくっつきすぎ」

「いいんだよ〜ぉ。」

「よくない!さ、始めるぞ」

「はぁ〜い」

 

 渋々ベッドから降りるリナ。

 

 たまにリナは甘えん坊さんになる。


 少し焦ったぜ…

 妹って言っても本当の妹じゃないわけだし

 な…

 それに、オレはリナが好きだ。

 いつからだろう。

 わからないけどリナを愛おしく感じる。

 

 

 でも、そんな事リナに言ったらきっとキモ

 がられるに違いない。

 なので、そっと胸の奥にしまっておこうと

 しよう。

 

 

 

 勉強を教えてあげている間にいつのまにか

 朝ごはんの時間になった。

 

 

 

 テストの一夜漬けって大丈夫か⁈

 

 

 朝ごはんを食べていると指を何回も折り返

 し必死に何かを考えてるリナ。

 

 なんなんだ…

 

 あまりにも気になり聞いてみた。

「どうした?リナ。テストの復習か?」

「ううん。あのさ、ジンギスカンって何個濁

 点があって何個ンがつくのか考えてたの。

 どっちも二個だった。」

「あぁ、そうなんだ…」

 

 大丈夫なのか?

 テスト前にそんな事考えて。

 

 するとまた…

 

「バナナ…バーナーナ?ん?バァナァナァ?

 違うな。バァナァナァーぁか?」

「何?発音?」

「ううん。バナナを長く言う方法」

 

 はぁー……

 何してんだよ。

 テスト大丈夫かよ。

 

 そんなおかしなかわいい妹だった。

 

 

 続く。

 

 

 

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