表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔神の継承者  作者: 黒歴史製造機
第1章
8/20

残機99

「貴方一体誰です?」


オリビアが剣を構えて私に問う。


「では、名乗らせてもらおうかしら。私の名はセリス・アルカディア。終焉の魔神とも呼ばれてるわ。」


アベル国王がそれを聞き口を開く。


「セリスだと!?あなたはセリカでしょう!?何を血迷っているのです!?貴方は間違っている!貴方は優秀な魔法使いだったはずだ!」


「うるさい!黙れ!傍観者風情が私に口出しするな!」


セリスが手から小さな魔力弾を放つ。


部屋の壁に巨大な穴が空く。


「さっきのザリウスって人はどこに行ったんですか?」

などと問いながらオリビアが剣を握る手に力を込める。


「城に帰ってもらったわ。流石に今の彼じゃ勇者の相手は厳しそうだったから。」


「まぁいいです。貴方から先に死んでもらいます。」


聖剣が再び光り輝く。


「神器解放。」


終焉乃斧(ラグナロク)が出現する。


「それがラグナロクですか。でも遅い!」


オリビアが私の目の前に現れる。先程ザリウスと戦っていた時より移動速度が上がっている。


慌てて私はオリビアの剣撃をかわす。


そして終焉乃斧(ラグナロク)を振ろうとした瞬間。

聖剣がさらに光を放つ。


気づくとそこは城の地下室ではなく、砂漠と化したペルソナルド草原だった。


「流石に国を吹き飛ばされたら困るので聖剣の力で貴方ごと転移させて貰いました。」


「ふーん。まぁ私は貴方と戦えれば別にいいけど?」


再び終焉乃斧(ラグナロク)を振る。巨大な斬撃を放つ。オリビアは聖剣で斬撃を受ける。


斬撃が相殺される。


「流石は聖剣ね…。宇宙1つは消し飛ばせる斬撃なのだけど…。」


するとオリビアは笑い出す。


「貴方本当に魔神なんですか?今の力といい、はっきり言って聞いていた力より弱いんですが。」


流石に隠し通せないと確信した私は正直に魔神に覚醒できていないことを打ち明ける。


「こちらからすればチャンスですね。ここで確実に殺させてもらいます。」


聖剣が光り輝く。


「鳴け!リヴァイン・ギルス!終焉を焼き払え!」


光の不死鳥がこちら目掛けて飛んでくる。そして更にこちらに突っ込んでくるオリビア。かわそうとするが間に合わない。オリビアの剣撃で腕が吹っ飛ぶ。


「…っ!?」


流石勇者だ。人間でありながら時間無視すら可能とする勇者に今の私じゃ速度では敵わない。


更に圧倒的な速度でもう一本の腕も切られた。


「魔王レベルで私に挑むからですよ。」


光の不死鳥が私の心臓を貫く。


心臓が床に落ちる。そのまま私は倒れる。


「私の勝ちですね。まずは一体撃破です。では、王にその首を捧げるとしましょう。」


オリビアが聖剣で私の首を断とうとする。


その時、穴の空いたセリスの胸部の傷と腕が自然と回復した。


「!?」


オリビアが飛び退く。


ドクン!ドクン!と鼓動音がセリスから聞こえてくる。


「心臓はそこに落ちてるはず!?一体どうなっている!?」


セリスが起き上がる。


先程とは比べ物にならないオーラ。魔力がセリスから放たれ、空間が歪む。


「何、簡単なことよ。覚醒したのよ。そして心臓の代わりに魔神の体にある魔神の(コア)が出現した。」


「神臓か!」


神臓とは魔神の体内に存在する魔神の核となるもの。


1度鼓動するだけで大量の魔力を生産することができ、魔神唯一の弱点とも言える。しかし神臓は神器クラスの武器でないと破壊できない。


「じゃあ、再試合始めようかしら。」


セリスから更に魔力が溢れ出てくる。


(なんて魔力なの…?こんな力で暴れられたらこの世界は…。)


当然だが、滅ぶだろう。今のセリスの力は最低でも軽々と全宇宙を吹き飛ばす程の力があった。


「じゃあ場所を変えようかしら。」


終焉乃斧(ラグナロク)が闇のオーラを放つ、ペルソナルド草原全体が暗黒で覆われる。


「ん…?」


目を覚ますとそこは知らない場所だった。この世界にしては平和で平凡すぎる。長閑な草原。RPGゲームだったらLv1のスライムが出現しそうな場所。


ーしかし、目の前に立っている敵は、この草原にはとても似合わない。


「ここは一体どこです?」


するとその魔神はニヤリと笑った。


「ここは私が創り出した世界。いかなる攻撃でもこの世界には傷1つ付けることはできないわ。つまり、」


終焉乃斧(ラグナロク)を纏うオーラが一層強くなる。


「こいつを本気で使えるわけよ。」


これはまずいとひしひしと感じる。この世界に来てから数多の敵と戦ってきたが1度たりとも負けることは無かった。しかし今対峙している敵は今まで戦ってきた敵とは明らかに違う。


(あれは終わり、終焉そのもの…。危険だ。早く逃げなければ…!)


セリスが終焉乃斧(ラグナロク)を振るう。先程のと比べ物にならない程の速度で斬撃が飛んでくる。それを私は寸前でかわす。


「危ないところでした。」


と言いながら私は転移魔法でこの場を離れる準備をする。


『転移』


(あれ…?なんで!?転移できない!?)


「転移魔法は使えないわよ。世界が違うんですもの。私がこの世界を閉じない限り絶対に貴方はここから出ることは出来ない。」


戦うしかない…!そう決心した私はセリスに聖剣を向ける。


「覚悟、決まったようね。じゃあ早速!」


セリスが再度斬撃を飛ばしてくる。


私はその斬撃をかわし、少しずつセリスとの距離を詰める。


凄まじい速度で何度も何度も終焉乃斧(ラグナロク)を振るい、斬撃を飛ばしてくる度に私はそれをギリギリでかわす。それを数十回繰り返した時、私はついにセリスに剣先が届く距離まで近づくことが出来た。


「喰らえ!リヴァイン・ギルス!!」


聖剣が光り輝く。


「遊びはここまでにしようかしら。」


セリスの姿が消えた。


(どこ…?)


「ここよ。」


上から声が聞こえる。見上げるとセリスは私の数百メートル上に浮いていた。


「じゃあ、死んでちょうだい。」


そうセリスが言い放った瞬間私の周囲360度の空間が避け、亜空間から斬撃が飛んできた。


「…!?」


かわそうと思うがかわせない。どの方向に移動しても斬撃が命中する。


(そうか…!あの数十回の斬撃は最初から私を狙うつもりはなく、時間を超えて、数秒未来の今に私の周囲を囲うように転送させたってこと!?)


斬撃がオリビアに命中する。凄まじい爆発が起こり、オリビアが消滅する。


「さて、と。アレフの力を継承しているんだからあと『残機99』ってとこかな。」


アレフの持っていた権能。それは99回まで死んでも生き返るという力。


「まずは一勝ね。魔神の力も取り戻したし、これで他の魔神とも戦えるわね。」


楽園のような世界が端から塵となり消えていく。

「さて、帰るとしましょう。」


終焉乃斧(ラグナロク)で空間を裂き、アルカディアへ転移する。




「これは一体どうなってるの…?」


セリスが見た光景は血の海と化したアルカディア。そして傷だらけのザリウスだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ