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魔神の継承者  作者: 黒歴史製造機
第1章
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能ある鷹は爪を隠す

私はアルカディアとアベル王国の中間地点にある『クロムウェル王国』を狙うことにした。決め手は国民からの情報だった。


「ほう?クロムウェル王国が以前から時々この国に兵を送ってきている?」


「はい。しかし毎度毎度アドゥメルによって返り討ちにされておりました。」


アドゥメルが一応王としての役割を果たしていたという事実に驚きつつ、私はクロムウェル王国を滅ぼすと決めた。


終焉之斧(ラグナロク)を使えば滅ぼすのは一瞬なのだけれど。この時代の人間の実力がどの程度なのかも確認したいわね。」


私が人間としてアベル王国で暮らしていた時に見た事のある人間の実力が全てだとは限らないだろう。


「能ある鷹は爪を隠す、か。」


私は6000年前、異世界で聞いた言葉を思い出し、クロムウェル王国の戦力を図るための作戦を考える。


次の日、早速私は単騎でクロムウェル王国に攻め入るこたにした。


転移(ワープ)


クロムウェル王国の中心にある噴水の綺麗な公園へと転移する。偶然だが今日はこの国の建国記念日だったこともあり、公園は家族連れでいっぱいだった。


「これだけの魂があれば、終焉の騎士団の1人くらいは復活できそうね。」


「さて、第一作戦。開始としましょう。」


死霊召喚(サモン•アンデット)


アンデットを数百匹召喚する魔法だ。地面から大量のゾンビやスケルトンが這い出てきた。


公園に数多の悲鳴が飛び交う。


子供が引き裂かれて死に、親が子を守ろうとして死に、逃げ惑う人々に踏み潰されて死ぬなどして公園は一瞬のうちに血の海と化した。


「そろそろ来るかしらね。」


透明化(ステルス)


隠密魔法を唱える。姿が透明になり消える。


王城の方から騒ぎを聞きつけた騎士団が馬に乗って現れた。騎士達によってアンデット達が倒されていく。


「まぁこれくらいは余裕よね。」


屍龍召喚(サモン・デスドラゴン)


上級アンデットのデスドラゴンを三体召喚する。


デスドラゴンが咆哮を上げながら暴れ回る。


流石に地上戦でドラゴンに叶うはずもなく。

騎士達は撤退を余儀なくされる。しばらくしてクロムウェル王国の精鋭魔法使い10数名が駆けつけてきた。


『ファイヤボール』


『アイス・エイジ』


魔法使い達が魔法を唱えデスドラゴンを2体討伐した。


「デスドラゴンが全滅するのも時間の問題ね…。なら仕方ないわ。」


攻撃力上昇(パワーアップ)


デスドラゴンの攻撃力を魔法で底上げする。急にデスドラゴンの火力が上がったことによって精鋭魔法使いが押され始める。


「このデスドラゴン、いきなり攻撃力が上がった気が…!」


「いったいどうなっている!?」


「隊長…!一度撤退するべきでは…?うわぁぁぁ!!!」


デスドラゴンの炎の息吹によって精鋭魔法使いの半数が焼き殺される。


「ぐぬぬ…。総員撤退せよ!王城の警備を固めるのだ!」


魔法使い達が撤退しようとする。


「撤退させるとでも?」


『魔法結界』


私は移動を制限する結界を周囲に展開する。


「結界だと!?どうなっている!?」


魔法使い達が騒ぎ始める。


「お前ら落ち着け!こうなった以上外からの救援も望めない!だとしたらやることはひとつだ。」


「こいつに勝つ!!!」


残った魔法使い達がデスドラゴンに攻撃を仕掛ける。

「あぁ。もう見てられないわね。」


この時代の人間があまりに弱いということはもう理解した。残念で仕方がない。


地獄乃炎(ヘルフレイム)


魔法使い達を焼き払う。全員黒焦げになって死んだことを確認したあと、魔法結界を解き、デスドラゴンを野放しにする。


「あとはデスドラゴンに任せておけば大丈夫そうね。」


国を滅ぼすのにアンデットやデスドラゴンなどの死霊系モンスターを使ったのには理由がある。それは汚名をヘル・クリムゾンに着せるためだ。ヘルは使う神器の通り、魂に関する魔法に特化していて、当然死霊系モンスター召喚にも長けている。


急にデスドラゴンを咆哮が鳴り止む。


「あら、なんだか様子が変ね。」


デスドラゴンが路地裏の前で倒れ、消滅した。


そして路地裏から男が出てきた。


ゾワッと全身に鳥肌が立つ。


「あいつは危険だわ。」


私は知っている。この男を。


軍服を着ていて腰には軍刀を下げている。髪の色は赤色のこの男を。


男がこちらを睨みつけてくる。


(気づかれた!?)


「よお。終焉野郎。そんな低俗な隠密魔法で俺の目を誤魔化せるとでも思っているのか?」


異能解除(アビリティ・リフト)


私の透明化(ステルス)が強制的に解除される。


「くっ、6000年前と一緒でまた私の邪魔をするの?」

などと私は言いながら、撤退する方法を全力で考える。


奴、アイン・ビシュヌの神器は正しく最強の神器であり、出来れば遭遇したくなかったのである。


「当たり前だろう?俺が本気で欲しいと思う神器はお前の終焉之斧(ラグナロク)だけだ。」


「しかし、セリス。まだ覚醒していないようだが。俺はそんなことで手を抜く男ではないぞ?」


「以前の魔神戦争ではあと一歩のとこまで追い詰めたのだが、アレフの野郎に邪魔されたからなぁ。」


アインが軍刀をこちらに向ける。


「さぁ、始めようか。6000年前の続きを。」

出来れば評価などよろしくお願いします!

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