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魔神の継承者  作者: 黒歴史製造機
第2章 ビシュヌ帝国編
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純白の騎士と謎の魔法

以前クロムウェル王国を滅ぼした時、人間を大量に虐殺したが何も思わなかったのに何故今頃人間に慈悲をかけようとしているのだろうか。


人間として転生し、10数年人間として暮らしたことが原因なのだろうか。


まぁ良い、私は私がやりたいようにするだけ。


終焉之斧(ラグナロク)


死神之鎌(デスサイズ)が消え、終焉之斧(ラグナロク)が顕現する。


「ハァッッッッ!!!」


終焉之斧(ラグナロク)で神威の魂を砕く。


ガラスが割れるような音と共に神威の魂はこの世界から消滅した。




目を覚ませば自分の家ベッドに居た。


「俺は死んだはずじゃ…?夢だったのか?」


夢なんかじゃない。あの時俺は確かに終焉の魔神、セリス・アルカディアによって殺されたはずだ。天賦(スキル)


その時、頭の中に声が響いた。


――貴方の終着点を変えたわ。貴方はあの世界で死ぬ運命だったようだけど、私がそれを改変した。だから貴方は元の世界に戻ることが出来た。


そうか、俺は助けられたのか。

元の世界には戻れたが今も自分の体には魔力と天賦(スキル)が残っていることが実感できる。


「いつか、必ずこの恩は返す。」


――ありがとう。セリス・アルカディア。




神威を倒した私はゾルザ、ザリウス、イリーゼと合流し、残った敵兵を倒して回っていた。

ザリウス達が相手をしていた者達は異世界人ではなかった為、天賦(スキル)を持っていなかった為、ゾルザの時間停止やザリウスやイリーゼの時間無視に対抗する手段がなく、難なく勝つことができたらしい。


「それにしても信じられねえ…。まるで自分の体じゃないみたいだ。」


敵兵を倒しながらゾルザがそんなことを言う。


まぁそれもそうだろう。ゾルザの今の身体能力や魔力は人間の限界を超えている。どちらかと言うと魔人に近い。人間の勇者には勝てないが。


「魔力や身体能力がそれだけ上がってるんだもの。仕方ないわ。」


「全く、私が体を乗っ取ってあげたんだから少しは感謝しなさいよ?」


「なんでだよ!人の体勝手に乗っといておいて感謝しろはねえだろ!」


どうやら少し見ない間に大分仲良くなったようだ。


「セリス様。この辺の敵兵は全て倒したようですが、どう致しますか。」


「そうね。まずは城に戻って状況報告かしらね。」


その時、上空を巨大な何かを通過した。


「あれは…!『究極の(アルティメット)白銀龍(プラチナドラゴン)』!?」


冒険者達がそんなことを言いながら騒ぎ始める。


なるほど。守護獣、それも龍種か。

まさかビシュヌ帝国が守護獣すら手懐けていたとは。


「セリス様、どうやら奴は城を目指しているようです。なるべく早く倒した方が良いかと。」


ザリウスが剣を抜き、戦闘態勢を取りなから言う。


「確かにそうね。城に先に移動して防衛体制を取るわよ!ゾルザ、貴方はここで待ってて!」


神獣に時間停止は通用しない。彼らは魔神達に劣らない力を持っている。まあ私との差は圧倒的だけど。


ゾルザを置いて私達は時間を超越して城に移動する。


「エリス!敵兵は全滅させたのだけど、今城に神獣が向かってきてるわ。恐らく奴らの手駒ね。」


「ほう、そうか。ではお主達はここにいる者達を守っていてくれないか?奴は妾が倒そう。」


国王としての威厳を見せつけるって事か。ならば止める必要はないだろう。


「分かったわ。後は貴女に任せる。」


城の大広間に究極の(アルティメット)白銀龍(プラチナドラゴン)が飛び込んで来た。


「皆、2階に避難して!」


避難民達を戦いに巻き込まれないように2階に避難させる。


「エリス、見せてもらうわね。あなたの実力を。」


『魔法放送』


エリスと究極の(アルティメット)白銀龍(プラチナドラゴン)の戦闘を閲覧する。




「さっさと済ませるとするかの。ところで…。そなたは一体誰かの?」


エリスが龍の上に乗っている純白の甲冑を着た者に指を指す。

男か女か分からない。そもそも性別という概念があるのだろうか。

しかし、この純白の甲冑には見覚えがあった。


「これも何かの縁かのぉ…。まさか主と共闘関係を結んだというのにその部下と戦うことになるとは。」


終焉の騎士の1人。エルファルド・アルカディア。


「クックック。今はセリスの下にはついておらぬよ。」


「なるほど。ビシュヌ帝国に寝返ったか。見損なったぞ。」


「セリスよりビシュヌ帝国の方が下につくに値すると思ったからな。」


「まぁ良い。さっさと始めるとするかの。」


エリスが拳を握る。


その瞬間龍とエリスが凄まじい速度でぶつかり合う。


暴雷(ライトニングブラスト)


エリスの手から暴れ回る雷が現れる。


「グァァァァァ!!!!!」


究極の(アルティメット)白銀龍(プラチナドラゴン)が咆哮をあげる。


叫び声だけで魔法の流れが狂わされ、エリスの魔法が意図せぬ方向に飛ぶ。


相手は守護獣だ。一筋縄では行かない。


「おっと?私がいることを忘れられると困るのだが?」


エルファルドが時間を超越してエリスを切りつける。


エリスはエルファルドの姿を全く捉えることが出来なかった。

なぜならエリスは天賦(スキル)『時間無視』を保有していないからだ。


エルファルドが攻撃を辞めた時にはエリスは細切れになっていた。


「こんなものでどうだ?」


細切れになったエリスの肉体が繋がっていき、やがて元の形に戻る。


「流石吸血鬼…!再生力は素晴らしいな!だが、これはどうかな…?」


エルファルドが先程まで使っていた剣を捨て、腰に下げていた剣を抜く。


「魔剣・グレイシスだ。貴様の再生力でもこの剣に斬られたらひとたまりもないだろう?」


あれは確かにまずい。いくら吸血鬼の再生力を持ったとしても魔剣に斬られたらひとたまりもないだろう。ましてや神話の時代の魔剣だ。


「確かにひとたまりもないのぉ…。しかし、妾のことを少し舐めすぎてはおらぬか?」


エリスの足元に巨大な魔法陣が形成される。

やがて魔法陣は光を発し、起動した。


魔法陣を形成している間、エリスには隙があるというのにエルファルドはエリスに攻撃を仕掛けることはなかった。

いや、正確に言えば仕掛けることが出来なかった。


エリスはエルファルドが魔法陣に気を取られている間に透明化(ステルス)を掛けた『魔法結界(レジスト)』を使用し、エルファルドの動きを封じていた。


魔法結界(レジスト)』によって閉じ込められた者は圧倒的魔力差がない限り、そこから脱出することはできない。


「貴様…!小癪な真似を…!」


「勝手に言っとれ、外道が。まぁそこで見ているが良い。そなたの相棒が死ぬ瞬間を。」


魔法陣から膨大な魔力が放出される。


獄天槍貫(ヅァイルンヴァルクス)


天から大量の槍が降り注いでくる。

その槍は一瞬にして究極の《アルティメット》白銀龍(プラチナドラゴン)の肉体を崩壊させた。


しかし、相手は守護獣だ。殺すためには肉体だけでなく魂も破壊する必要がある。


だが、『獄天槍貫(ヅァイルンヴァルクス)』の槍はそのまま肉体ごと魂も滅ぼしていた。


獄天槍貫(ヅァイルンヴァルクス)』このような絶大な威力を誇る魔法でありながら、私はその魔法を知らなかった。

最近生まれた新たな魔法なのだろうか。


「貴様…!?なんだその魔法は!一体何をした…!!」


どうやらエルファルドも先程の魔法のことを知らないらしい。


「偉大なる存在から力を借りた。とでも言っておこうかの。さて…」


エリスがエルファルドに向かって歩みを進める。


「次はお主の番じゃ。」


「ふざけるな…!こんな所で死んでたまるか!俺は…!俺達は…!この世界を支配するんだ…!!」


エルファルドが魔力を放出する。元終焉の騎士ということもあり、相当な魔力量だ。


やがて魔法結界(レジスト)は完全に破壊された。


「面倒な手間かけさせやがって。クソが。じゃあとっとと死んでくれ。」


魔剣に膨大な魔力が込められる。


『フレイムバスター』


魔剣グレイシスが炎に包まれる。


エルファルドの姿が消える。時間無視だ。


剣と剣がぶつかり合う音がする。


「エリス、悪いな。こいつは俺に倒させてくれ。」


「貴様ァ!余計な手出しをしやがって!」


ザリウスだった。実は先程ザリウスから助太刀の許可を申請されたから承諾しておいたのだ。


エリスが笑いながら答える。


「ふっふっふっ。全く、主を裏切った者を見逃すことは出来ぬか。まあ良いじゃろう。むしろ助かるぞ。」




漆黒の騎士と純白の騎士が対峙する。

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